『トム・ソーヤーの冒険』で知られるアメリカの作家マーク・トウェインが「天使の食べもの」と呼んだ果物をご存知ですか? それは「ヘンダワネ」。日本語で言う「スイカ」です。今回は、日本でも夏の風物詩として欠かせない「スイカ」の歴史と魅力を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」7月23日放送より)


おいしい「スイカ」の見分け方、知ってますか?



◆「新潟で本格的なスイカ作りに挑戦!」
〜タレント 山田邦子さん


5〜6年前からスイカ作りをやっているんですが、実はスイカの栽培は意外なくらい簡単です。駐車場のプランターで育ててもアスファルトの上でじゃんじゃん獲れます。ただ、自分で作ったスイカだからおいしいと思ってましたけど、今にして思えばそこまでおいしくなかったですね(笑)。

そして今年はついに農家の方にきちんと教えていただきながら、新潟でスイカを作りました。お寿司屋さんで知り合った人が「スイカを作りたいなら新潟にいい土地がある」と手配してくださったのですが、佐渡島の下くらいにある砂丘がスイカの名産地なんです。

農家の方に苗作りから植え付け、芽を摘む摘心(てきしん)、つる引きなどを教えていただきながらスイカを育てたのですが、毎日新潟まで通うわけにもいかず、農家の方に負担を掛けてしまったのが申し訳なかったです。でも長靴を履いて、ジャージを着て、自分で作業したスイカが本当になったときは感動しました。

スイカの苗は弱いので、最初は夕顔などのしっかりした苗に接ぎ木します。15〜20cmくらいに伸びたら栄養の入っている泥にザブザブと浸けて地面に植え、あとは水をやるだけ。スイカは太陽の光を浴びてグングン伸びていきます。やがて小指の先くらいの小さな実がなりますが、これは受粉前なので取ってしまいました。あまりに可愛らしかったので塩漬けにしたらなかなかおいしかったです。ピンポン玉くらいのスイカの味噌漬けも製品として販売されています。

受粉には1箱1万円で借りてきたミツバチを使いました。私は1つの蔓に実を2個ならせたのですが、ほかの実を取ってしまうのが切なかったですね。500玉を目標にしたのですが、素人ゆえの失敗もいろいろあって、けっきょくできたのは428玉。でも機械で計ったら糖度12度というとても甘いスイカでした。友人に配ったり 販売したりで皆さんに召し上がっていただきましたが、お世話になった新潟の皆さんには本当に感謝しかありません。

◆「おいしいスイカを見分けるには」
〜千葉県農林総合研究センター東総野菜研究室 町田剛史さん


現在、スイカの品種は300〜400ほどあります。大手の種苗会社のカタログには40品種くらい載っていて、大手が4〜5社、中小規模のところもたくさんあるので、全部を足すと300品種は優に超える計算です。味の違いはもちろん、大きさも大玉から小玉までありますし、果皮の模様、丸いものや俵型といった形まで、本当にさまざまなスイカがあります。

中にはペイズリー型と呼ばれる曲がった形のスイカもあります。特徴的な形だと覚えてもらいやすいので、あえてそういう形にしたのでしょう。丸や楕円といった形の違いは品種で決まっていて、雌花の根もとに小さなスイカの実がついた段階で丸だったり楕円だったりするので、あとは誰が育てても品種で決まった形になるという寸法です。

新しい品種も年々増えていますが、最近は「果肉をより固く」という傾向にあります。これはカット販売が主流になっているからです。スーパーで1/6にカットして売られているスイカの果肉がグデっとしていたら誰も買ってくれません。そこでカットしても角がピンと立つような果肉の固さが求められるんです。

近年のスイカは「カット化」「カップ化」と言われます。スイカの皮はゴミとしてけっこうな大物ですし臭いもするので、食べたいときに食べられる量だけカットやカップで買う人が増えているんです。それに対応してキレイな断面になる品種や、大玉に見劣りしない質の小玉が開発されています。昔は小玉スイカといえば甘さで大玉に劣る傾向がありましたが、今は小玉のほうが糖度が高いケースもあるほどです。

カット用のスイカで一番嫌われるのは果肉の空洞です。スイカの果肉に空洞ができるのは、収穫の間際に肥料や水が多すぎて果実に養分が行きすぎてしまった結果。だからカット用としては不人気でも、実は多少空洞があるほうが糖度は明らかに高くなります。その空洞があるかどうかを見分けるのが、昔ながらの軽く叩いて音の響きを確かめる方法です。

◆「スイカの皮はぬか漬けがオススメ!」
〜フルーツ研究家 中野瑞樹さん


私は研究のため、6年間ずっと毎日フルーツだけを食べ続けています。この季節なら主食はスイカですね。毎日スイカを食べていても飽きることはありません。水やお茶を毎日飲んでも飽きないのと同じです。寝ている間に失われた水分を補うために朝一番は必ずスイカを食べています。

普通はスイカの赤いところしか食べないので、重量的には全体の約40%を捨てている計算です。でも私が捨てるのは1%。種以外は全部食べます。たとえばスイカの白い部分にはシトルリンというアミノ酸がたくさん含まれていて、血液をサラサラにしてくれる成分として注目を集めているんです。そこで大根スティックのようにしたり浅漬けにしておいしく食べています。

皮はぬか漬けにするとおいしいですね。コツは一度冷凍庫で凍らせてから解凍すること。そうするとあの硬い皮がグニャグニャになります。それを絞ってぬか漬けにしたり、炊き込みご飯の具材にしたりします。また、きんぴらにしてもおいしいです。野菜炒めのようにして食べるときはスイカの赤い部分が残っているとおいしくないのですが、きんぴらで甘辛く煮るなら赤い部分が付いていても問題ありません。

栄養的にはスイカはカリウムが多く含まれています。日本人は塩分を多く摂取しがちで、だから胃がんや高血圧が多いと言われています。そして塩分を減らすのが難しいなら、摂りすぎたナトリウムをカリウムの力でおしっことして排出できるんです。ただし腎臓が悪い方はその機能が弱っているので、お医者さんにご相談いただいたほうが良いでしょう。

フルーツは食後ではなく、せめて食事の最初、できれば食事の前5〜10分くらいのタイミングで食べるのが理想的です。実はフルーツはカロリーが少なくて、イチゴなんて、もやしとほぼ同じ。でもテニスの選手が試合中にバナナを食べているように、空きっ腹の状態でフルーツを食べるとすぐに吸収されてエネルギーに なります。それくらいフルーツは消化吸収が良いので、ぜひ食事の前に食べてください。

TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。7月30日(土)の放送のテーマは《女子サーフィン》。お聴き逃しなく!

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<番組概要>
番組名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage