美徳と思いきや海外ではヤバイことになりかねない日本のマナー
世界の国々には、独自の伝統文化、習慣、風習があります。いうまでもなく、日本では何ら問題のない言動でも、海外では通用しないこともあります。
気を付けなければならないのは、日本では正しいとされているマナーが、海外では逆にマナー違反になってしまう行為があるということ。
それを知らずにいると、相手を気遣う行為でかえって相手を不愉快にさせてしまうという大変残念なことになってしまいます。
●玄関先でコートを脱ぐ⇒アメリカなどではNG
日本では、コートは訪問先のお宅の玄関に入る前に脱ぐのがマナーとなっています。コートに付着している外の汚れやほこりを室内に持ち込まないようにするためですが、アメリカなど欧米では、コートを脱いで玄関に入るのは無礼な行為とみなされます。
コートを脱いだ状態で玄関先に立っているというのは、すすめられてもいないのに室内に入り込もうとしている、いわゆる図々しい人という印象を与えてしまうからです。
玄関先でホストに「どうぞ」と言われてはじめて「ゲスト」としてお宅に入ることができるわけです。
ただし、ここでさっそくコートを脱ぐと「いまから長居します」という印象を与えかねません。相手から「コートを脱ぎますか?」と言われてから脱ぐのがベストです。
●出された料理は残さず食べる⇒中国などではNG
せっかくのおもてなし料理を残してしまってはいけない。きれいに完食するのが礼儀というもの。小さな頃に「ごはんは残さず食べる」よう躾けられた人も多いと思います。
ところが、中国、フィリピン、タイ、マレーシア、スペインでは、おもてなし料理は完食せずに少し残すのがマナー。
もてなす側としては「食べきれないほどの料理をふるまうこと」がマナーとされているので、それに対し、全部食べてしまっては「出された料理が足りなかった」「十分なもてなしをしていない」というふうに受けとめられ、失礼にあたってしまうのです。
とは言え、たくさん残してしまうのも失礼にあたるので、あくまでも少しだけ残すようにしましょう。
●頭をなでて褒める⇒東南アジアでは絶対NG
子供の頭をなでなでして褒めたり、かわいがる光景は、心温まる一コマ。と、思いきや、東南アジアでは逆にタブーになってしまいます。
ネパールでは子供に、インドでは老若男女すべての人に、頭は神が宿る神聖な場所だと考えられています。タイでは精霊が宿る場所とされています。
そのため、頭をなでることはもちろん、触れること一切が厳禁です。万が一触れてしまった場合は、誠意をもって謝罪しましょう。
ところで、日本でも勝手に人の写真を撮ることは快く思われないものですが、通りすがりにチラッと写ったかも、という程度ならさほど気にする人もいないことでしょう。
しかし、南米では注意が必要です。ペルーには、写真を撮られると魂を吸い取られ、寿命が短くなるという迷信があるそうです。
撮った、撮っていないのと、口論の末、事件に発展することもあるそうですから、絶対に見知らぬ人にはカメラを向けないようにしましょう。
これから海外旅行の予定がある人は、相手国の風習やマナーを実体験できるチャンスでもあります。しっかりおさえて安全で楽しい時間を過ごしてくださいね。
文・鈴木ゆかり
※参考
『それマナー違反ですよ!』(岩下宣子・監修/宝島社)
