「クラインガルテン」で田舎に“ゆる移住”! 滞在型市民農園の魅力

写真拡大

小林聡美×もたいまさこ×群ようこの“ゆるふわ”な世界観がこの冬復活。

移住者も高評価! 「日本の住みやすい田舎ランキング」

映画『かもめ食堂』やドラマ『パンとスープとネコ日和』などで人気を集める3人組が、今年12月スタート『ドラマW 山のトムさん』(WOWOW)に出演することが明らかになりました。

同作は、東京で暮らすハナ(小林)が友人トキ(市川実日子)らと共に始めた、田舎生活の姿を追うもの。毎日、畑仕事にはげむ彼女たちが悩むのはネズミ被害。そこで、新しい家族としてネコのトムを迎えるのですが、なかなかやんちゃなトムに右往左往。そんな田舎での慌ただしくも楽しい生活を描いています。

このドラマのように、いつかは“田舎暮らし”と考えている女性にとっては、友人らと楽しそうに過ごす同作は見応えあるのではないでしょうか。数十年後の自分たちの姿を重ねて鑑賞するのも良いかもしれません。何せ、最近、都会的で人工的なものから一定の距離をおき、田舎的で自然的なものに関心を示す人が増えつつあるのですから。

TOKIOが田舎暮らしを体験するテレビ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』のダッシュ村の人気は言わずもがな。また、タレントの高木美保さんは実際に田舎暮らしをしながら仕事を続けており、ギャル社長藤田志穂さんは、農業をするギャルとして「ノギャルプロジェクト」を立ち上げました。

実際の生活者からすると、田舎での生活はそう簡単ではないといった声もありますが、それでも、田舎に関心を示す人は多くなる傾向があります。今回は、書籍『多縁社会―自分で選んだ縁で生きていく。』を参考に、昨今の田舎ブームをみていきましょう。

まず、いま注目されているのが「2地域居住」。2005年に国土交通省の研究会が発表した言葉で、観光客などの「交流人口」と居住者の「定住人口」の中間的なものとしています。

「都市住民が、本人や家族のニーズに応じて、多様なライフスタイルを実現するための手段の一つとして、農山漁村などの同一地域において、中間期(1〜3カ月程度)、定期的・反復的に滞在することなどにより、当該地域社会と一定の関係を持ちつつ、都市の住居に加えた生活拠点を持つこと」とされています。

また、同研究会の都市住民へのアンケートと将来推計人口をもとにした大胆な仮定によると、この「2地域居住」を実行している人は、2005年の時点で約100万人(都市人口比:2.5%)おり、5年後の2020年には約680万人(同17%)に増えるとされています。また、2030年には、約1080万人(同29%)になると予測。それなりの人数がいることがわかりますね。

田舎暮らしは今後も注目を集め、実際にそこで生活をする人(2地域居住含む)も増加しそうな気がします。定年退職を迎えたあかつきには、ゆっくり自然に囲まれて過ごしたいものですね。

ところで皆さん、こういった2地域居住や田舎暮らしは、ある一部のお金持ちでしかできないと思っていませんか? 確かに田舎に居住地を用意しなければいけませんし、往復の交通費・光熱費もかかってきます。年間の出費で考えるとそれなりの負担になることは想像がつきますね。

でも、もし、年間40万円で“田舎の生活”を手に入れることができたら?

そんなワクワクするシステムがあるのです。19世紀半ばにドイツをはじめ欧州で庭が持てない都市生活者のために、郊外に市民農園をつくる動きがありました。それをクラインガルテン、日本語で「小さな庭」と呼んだのです。

本場欧州では、菜園だけでなくコミュニティ形成の場として重宝され、クラインガルテンを利用することで、生活の質が向上したり、健康的に過ごすことができたのです。

クラインガルテンと市民農園の大きな違いは、ラウベ(簡易宿泊施設)が併設されているかどうか。クラインガルテンでは、ラウベに滞在して自分の時間を堪能し、菜園づくりを楽しみながら地域住民とも交流するのです。つまり、都心に家を持ちながらも地方に“ジモト”を作ることができるのです。

同書では、茨城県にある笠間クラインガルテンを詳しく紹介。同施設は、全体で4ヘクタールあり、宿泊施設つきと日帰りの2タイプが用意されています。

ラウベのついたタイプは1区画300平方メートルもあり、その中に約30平方メートルのラウベ1と約100平方メートルの菜園、芝生を用意。ラウベにはキッチンを始め、風呂、トイレ、ロフトがあります。利用期間は1年単位(4月〜翌3月)となっており、最長5年間の更新が可能となっています。

なにこれ、すごく楽しそう。広々としたスペースにロフト付きの家。悠々自適に過ごすには申し分の無い環境です。で、この宿泊施設付きタイプの料金は、年間で41万1120円。日帰りタイプは、区画30平方メートルとなり、年間の利用料金は1万280円となります。

笠間市の農政課の深澤さんは「基本的な料金は40万円ですが、ここと居住地を往復する交通費や光熱費などがかかります。聞いてみると年間120万円程度はかかっているようですね」と語っているので、利用料金+αがあるようです。ただ、田舎生まれ、田舎育ちの都会生活者の私にとって、これはなかなかそそるシステム。

思い切った田舎生活が難しく、中期的に滞在する2地域居住にも手が届かない私としては、素直にクラインガルテンを利用してみたいと思いました。実際に自分が田舎暮らしにマッチするのかどうかを試すにも絶好の機会かと。まずはゆるく田舎暮らしを体験。

調べてみると全国にこのクラインガルテンがあるようですので、気になった方はお近くの施設に問い合わせてみては。『ドラマW 山のトムさん』のハナ(小林)とトキ(市川実日子)のように友人と一緒にクラインガルテンを利用してみても良いですね。田舎暮らしを考える皆さん、いかがでしょうか。

<参考書籍>
『多縁社会―自分で選んだ縁で生きていく。』篠原聡子著(東洋経済新報社)