「うつ病の人」によくみられる「表情の特徴」はご存知ですか?【医師監修】

うつ病になると、「顔つきが変わった気がする」「以前より疲れてみえるといわれるようになった」と感じる方が少なくありません。周囲からの何気ない指摘をきっかけに、自身の外見の変化に不安を抱くケースもみられます。

うつ病では、顔の骨格や造形そのものが変化するわけではありませんが、気分の落ち込みや意欲低下、睡眠や体調の乱れといった心身の不調が重なることで、表情や全体の雰囲気に影響が現れることがあります。

本記事では、うつ病が顔つきや表情に与える影響について解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「うつ病」を発症すると「顔つき」に変化はあるの?表情の特徴も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
前田 佳宏(医師)

・和クリニック 院長
・精神科/心療内科医
・精神保健指定医
「泣きたくなったら壁を押せ」著者
大人と子どもの双方で、トラウマや愛着障害に心理療法的アプローチを用いる医師。これまでのべ3,000人以上の臨床に携わる。
島根大学医学部卒業。その後、東京大学医学部附属病院精神神経科に入局、東京警察病院や国立精神神経医療研究センター等を経て、児童精神科外来を3年間、トラウマ専門外来を2年間担当。著書『泣きたくなったら壁を押せ』(サンマーク出版、2026年)では、心理療法のプロセスを物語として描き、私たちの感情の奥にある“適応の物語”をたどった。その視点をともに探る場として、オンラインコミュニティ「しなここメイト」を主宰。cotree顧問医。産業医。日本小児精神神経学会所属。

うつ病が顔つきや表情に与える影響

うつ病になると顔つきはどのように変化しますか?

うつ病になると、顔つきが変わるというよりは、表情に変化がみられます。継続する気分の落ち込みや、何をしても楽しめないといった抑うつ症状によって、笑顔が減ったり、目に力がなくなったりすることで、全体的に暗く疲れた印象になります。

うつ病の人によくみられる表情の特徴を教えてください

うつ病の方は、表情の動きが全体的に乏しくなる傾向がみられます。笑顔が減り、会話中であっても表情の変化が少なくなるため、周囲からは無表情に見えたり、感情が読み取りにくい印象を与えたりします。

背景には、気分の落ち込みや意欲低下、物事に対する興味や喜びを感じにくくなるといった抑うつ症状があります。

また、思考や反応のスピードが低下し、相手の話に対して即座に反応できなくなることも理由です。

進行したうつ病の人はどのような顔つき、表情になりますか?

うつ病が進行すると、強い気分の落ち込みや意欲の低下、精神的エネルギーの消耗が長期間続いている影響で、顔つきや表情の変化がより目立つ場合があります。

ただし、顔つきや表情の変化は個人差が大きく、すべての方に当てはまるわけではありません。また、外見だけで重症度の判断はできないため、1つの傾向として認識することが大切です。

うつ病による顔つきの変化を自分でチェックする方法はありますか?

表情の変化は、疲労や睡眠不足、体調不良、加齢などでもみられます。そのため、表情の変化のみでうつ病かどうかは判断できません。しかし、顔が疲れて見える、表情が乏しくなったなどの変化から、うつ病の可能性を疑うことはできます。

表情の変化に加えて、気分の落ち込みが続く、楽しめない状態が長引く、生活に支障が出ているといった状態がみられる場合は、早めに医師に相談しましょう。

なお、うつ病の可能性を知る手段として、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)を利用する方法があります。QIDS-Jは、睡眠や気分、興味・意欲、エネルギーなどに関する質問から、抑うつ症状の程度を確認できる自己記入式の評価尺度です。

参照:『うつ病チェック』(厚生労働省)

編集部まとめ


うつ病によって「顔つきが変わった」「表情が乏しくなった」と感じられることがありますが、顔の形が変化したわけではなく、気分の落ち込みや疲労、意欲低下といった症状によるものです。

うつ病による顔つきや表情の変化は、適切な治療と十分な休養を継続することで、改善が期待できます。外見上の変化のみを切り取って判断するのではなく、背景にある心身の不調に目を向けることが重要です。

顔つきや表情の変化は、心の健康状態を示すサインの可能性があります。気になる変化が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。

参考文献

うつ病』(厚生労働省)

『2 うつ病の主な症状と原因』(厚生労働省)

『3 うつ病の治療と予後』(厚生労働省)

『4 うつ病を防ぐ』(厚生労働省)

うつ病チェック』(厚生労働省)