【中東情勢】米大統領は停戦合意へ「最終段階」と述べるも…エネルギー問題の要・ホルムズ海峡の開放に道筋は?専門家に聞く
家計への負担が増加する要因ともなっているイラン情勢について、アメリカ・トランプ大統領は停戦合意が「最終段階」と述べました。ホルムズ海峡の開放に道筋は立っているのか…専門家に聞きました。
(アメリカ トランプ大統領)
『イランについては最終段階に入っている。どうなるか見てみよう。合意に至るか、あるいは、そうならないことを願うが少し手荒なことをすることになるか、どちらかだ』
これについて、イランのタスニム通信は20日、イランがパキスタンの仲介で、アメリカから戦闘終結に向けた新たな文書を受け取ったと報じました。具体的な内容は明らかにされていませんが、イラン側が検討しているということです。
一方、タスニム通信によりますと、ホルムズ海峡を巡りイランの革命防衛隊は20日の声明で、過去24時間に石油タンカーなど26隻の船舶を通過させたと発表しました。ホルムズ海峡の船舶の通過は革命防衛隊の管理下にあることを改めて示した形です。
アメリカとイラン、戦闘終結に向けた交渉はどのように進んでいるのでしょうか?イラン政治やエネルギー事情の専門家日本エネルギー経済研究所の坂梨 祥さんに聞きました。
(日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 坂梨 祥 センター長)
「パキスタンがこれまで仲介をしていたわけですけれども、パキスタンだけではなくてですね、例えばエジプトですとか、それ以外のカタールですとか、それ以外の国々が、その両者のメッセージを、そのやり取りを仲介しているという報道が出ておりましたので、色々な協議…協議といいますか、その両者の意向の確認といったものは続いていると考えております。実は、周辺諸国もトランプ大統領に対して、再攻撃は思いとどまってほしいと、やめてほしいと訴えているようなんですね。ですので、アメリカがイランを再攻撃する可能性はまだ残っていると考えておりますが、ただ、そのような攻撃は誰の利益にもならないという訴えかけは、むしろ増加していると考えられますので。(再攻撃の)可能性自体は少しずつ下がっていると思っていいのではないかと考えております」
一方で、互いに譲れない核開発の問題が、交渉の最大のネックになっていると指摘します。
(日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 坂梨 祥 センター長)
「トランプ大統領としては、核兵器を持たせないためには、イランが持っている高濃縮ウランも取り上げなければいけないと考えているわけですけれども、イランが、これを拒否しているということで、それが大きな問題になっているのではないかと思います」
イランは、ホルムズ海峡を支配下に置くことで譲歩を引き出したい考えですが、対立が続けば、アメリカが再攻撃に踏み切る可能性も残っていると話します。
(日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 坂梨 祥 センター長)
「少なくともイラン側は、アメリカがいつでも再攻撃をしてきかねないと考えていると思います。なぜかといいますと、去年の6月も、そして、ことしの2月も、イランはアメリカと交渉している最中に突然攻撃を受けたわけですね。トランプ大統領の側もですね、あともう一撃でイランが屈服するだろうと、イランを屈服させられるだろうと考えている可能性があります。やはりイランから最大限の譲歩を引き出すために、あと一撃を加えなければいけないと考えて、再攻撃に踏み切ってしまう…そういう可能性もあると考えております」
再攻撃があれば、エネルギー問題のさらなる長期化は避けられない事態に…。両国の歩み寄りはあるのか、緊迫した状況が続いています。
