舌が絡む濃厚なキス、男性の上になって自ら求める衝撃シーンも…宝塚の娘役から“最強の不倫女優”に変身した黒木瞳(65)の前代未聞キャリア
3月28日に始まった『D-day〜罪が消える日〜』(BUMPで配信)に出演し、SNS等で「美魔女」「女神」「永遠の美女」と大絶賛された黒木瞳(65)。年齢を思わせない若々しいビジュアルと演技力、朗らかな物腰で根強い人気を誇る。
【写真】宝塚退団から間もない26歳にして、火照った汗ばむ身体で上になり男性を求める激しい絡みを披露

黒木瞳 ©時事通信社
黒木は1960年10月5日、福岡県八女市(旧黒木町)生まれ。地元の高校を卒業後、18歳で宝塚歌劇団に入団。演技経験は高校での演劇部だけだったが月組ではトップ娘役として活躍し、人気絶頂の25歳で退団。
宝塚を退団後、はじめて出演した映画で大胆なヌードを披露
黒木は宝塚の退団理由を、こう語っている。
「(大地)真央さんが『退団しようと思う』と言われたので、『私も辞めてもいいですか?』となりました」
30歳までに映画の世界で成功できなかったら福岡に帰ろうと思っていたといい、次の仕事が何も決まっていない状態で「とにかく東京に行きます」と上京した。
翌86年、26歳で『化身』で映画に主演デビューしたが、『化身』の原作は『失楽園』『愛の流刑地』などの激しい性描写で知られる渡辺淳一。当時としては珍しいR-15指定がなされ、元宝塚の女優が映画第1作でヌードを披露することが話題に。
『化身』への出演を決めた理由について黒木は後年のインタビューでこう語る。
「『宝塚しか知らないから』という周囲の指摘を受け、本格的な女優として新しい世界に飛び込む必要を感じたからです。東映の岡田茂社長から『ホステス役を演るなら、実際に働いてこい』との厳しい指示があり、銀座の高級クラブで1週間のアルバイトを経験しました」
原作者の渡辺はホステスとしての源氏名「カスミ」を命名し、毎日店に通っていたという。
作中の黒木は田舎から上京して銀座で働く素朴なホステス役だが、年上の男性に見いだされ超一流の銀座の夜の蝶に変貌していく。
「宝塚から演技派女優への華麗なる変身」という彼女のプライベート・イメージがシンクロし、映画を通じて黒木のこれまでの人生を観ているような錯覚に陥り、より観客たちの心を揺さぶることに。いま見ると昭和のパワハラ・モラハラ感も強いが、当時は男性の夢を体現した黒木の体当たり演技が「衝撃的」「新鮮」と絶賛された。興行収入も5億円を超え、当時としては大きなヒットとなった。
男性の上になり、体を赤く火照らせて汗ばみながら…
最大の話題になったのは、26歳の黒木が全裸を披露した濡れ場の数々。
最初のラブシーンは出会った後のホテルで、19歳年上の藤竜也との濃厚なキスから始まり、黒木のきめ細やかな体、やや小ぶりの胸が美しくクローズアップされる。正常位で互いの肉体を求め合う静かで激しい絡みが長回しで展開され、あまりにリアルなあえぎ声に“本番疑惑”が出たこともある。1年前まで宝塚の舞台に上がっていたこともあいまって、大きな衝撃を与えた。
さらに映画後半では、求められるだけでなく次第に黒木側がリードする立場になっていく変化が描かれる。黒木が男性の上になり、体を赤く火照らせて汗ばみながら男性を求める様子が実にリアルだ。
『化身』への出演で演技派女優としての地位を得た黒木は一気に仕事を増やし人気女優に。テレビドラマにも多数出演。31歳で『真夜中は別の顔』(92年)に連ドラ初主演。39歳で『魔女の条件』(99年)、43歳で『GOOD LUCK!!』(03年)などの大ヒット作に主演クラスでレギュラー出演し、トップ女優の座をほしいままにした。
女優としては数多くの恋や性愛を乗りこなしてきた黒木だが、意外にもプライベートでは熱愛報道などをほとんど体験していない。18歳で宝塚に入団して以降のスキャンダルはほとんどなく、高校生時代のほのかな初恋エピソードを披露した程度。
結婚は人気絶頂の30歳の時で、同い年の電通社員・伊知地俊夫氏との結婚は当時「格差婚」と呼ばれた。しかし夫の伊知地は今や電通のエリート幹部となり、見る目の確かさを証明した。
後の夫が送った「最初のFAX」はまさかのアンケート方式
なれそめは黒木が出演した大阪ガスのCMで、電通の担当だった伊知地氏からのアプローチだった。
黒木は夫の第一印象は決して良好ではなかったが、ことあるごとに話しかけられる中で「もしかして私のこと好きなのかな…と思ったりしたんです」と回想している。
携帯もインターネットも普及していない時代、2人はFAXをやりとりするようになったが、伊知地氏が最初に送ったのは、自分について「1. 全く興味ない 2. 少しは興味ある 3. ○○○…どれですか?」というアンケート形式だったという。
黒木は「ゆっくりおやすみなさい」と返したが、以後もやり取りは続き、「1回食事しましょうか?」で食事に発展。黒木は当初結婚はまったく考えていなかったが、伊知地氏が会うたびに「結婚したい」と繰り返す姿に次第に心が揺さぶられていく。
「『バカじゃないの?』って思ったけど、人生で『結婚したい』って言われたのが初めてで、同じ世代というところで、話が合ったり。そういうところでポイントがたまっていった」
宝塚から芸能界に転身した黒木が一般男性を伴侶に選んだのは、「素直さと支えてくれる姿勢に惹かれたから」だった。
現在も「隣にいてくれないと困る存在」と語る一方で「同じ部屋で寝ることさえ嫌」と寝室が別なことを明らかに。それでいて結婚から35年強経った今でも一緒に入浴すると話して周囲を驚かせたこともある。
「不倫しそうもない清潔なイメージの人」から「失楽園」での転身
人妻になった黒木が37歳で再び大胆な濡れ場に挑戦したのが映画『失楽園』だ。原作は『化身』と同じ渡辺淳一。テレビドラマでは川島なお美が主演して高視聴率を獲得したが、黒木が出演した映画はテレビを遥かに超える過激なラブシーンの連続で、やはりR-15指定となり社会現象にまでなった。
黒木をキャスティングした理由について監督の森田芳光は「不倫しそうもない清潔なイメージの人」と語っている。
黒木自身は当初「自分のようなスレンダーなボディでいいのか?」と悩んだというが、脚本に魅了され出演を決意。撮影で強烈なラブシーンを演じた後は「家に戻ると『私、何やってるんだろう?』と思った」と素直な心情を明かしている。
実際に結婚し、37歳を迎えた黒木が不倫に溺れ、激しい性愛に身を焦がす熱演は主婦層の共感を得ることに成功し、演技は「気品あるエロス」と高評価。年齢指定があるにもかかわらず興行収入は40億円を超え、1997年の5位に入る大ヒットを記録した。
とにかく本編映像の70%以上がラブシーンという映画なので見せ場だらけだが、 中でも印象的なのが、マンションでの場面。なまめかしく舌が絡み、黒木側が役所の乳首を舐めたり、「私がしてあげる」とリードする場面もあるなど、女性の主体性が強調されている。
腰の揺れや肌の質感に至るまできめ細かく撮影され、過激さだけが突出せぬよう心がけられている印象だ。クライマックスは雪深い温泉旅館で、ふたりは結合したまま服毒心中。まさに“絶頂のまま逝く”という究極の愛を象徴し、物議をかもした。
「失楽園」の1年後には、38歳で長女を出産したことも世間をざわつかせた。しかもプライベートではかなりの「良妻賢母」として知られている。
仕事復帰は産後1カ月半と早かったが、撮影所のトイレで母乳を搾るなど多忙な日々を送り、その日々を後にこう振り返っている。
「結論から言うと仕事とプライベートは両立はできません。はっきり言ってしまって身も蓋もないけれど、できないです。では、どうするかというと、とにかく完璧主義にならないこと。そして優先順位を決めること。自分ができることを、できるだけのパワーでやる。無理をしないことを心がけていくと、うまく物事が回っていきました」
大人になった娘とは美容トークで盛り上がりつつも常に「私はあなたの母親です」という距離感は保っているという。
黒木はキャリアの中で不倫役を含め多くのヌードや濡れ場を経験してきながら、「理想の妻」や「理想の母親」に何度も選ばれている。それも、彼女の地に足のついたスタンスゆえなのかもしれない。
(岩佐 陽一)
