連続出塁記録を伸ばしている大谷翔平

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「4月19日(現地時間、以下同)で大谷選手が娘さんの誕生を発表してからちょうど1年です。4月15日の試合後に愛娘について聞かれて、目を細めながら“ただただかわいいですし、シーズン中はなかなか時間をとれない。今回も遠征に出れば何週間か会えなかったりしますし”と話していました。

大谷選手は娘さんからパパと呼ばれているそうです」(在米ジャーナリスト)

メジャーリーガーとパパの“二刀流”で忙しい日々を送っている大谷翔平選手(31)だが、グラウンドでは卓越したパフォーマンスを見せている。

「投げては、連続イニング自責点ゼロの日本人先発投手記録を樹立。打者としても、ホームランと出塁を積み重ねています」(スポーツ紙記者)

愛娘が生まれたことで、大谷のプレーに変化が生じているようだ。『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2026』の編著者で、スポーツライターの友成那智さんがこう話す。

「今シーズンは、三振を取るというよりも打たせてアウトを取るピッチングに方向を転換している印象です。まだ3試合の登板ですが、そういった傾向は見えてきます。

また打者としては、以前は打席でフルスイングしたり、ときどき力んだりすることがありました。しかし、今シーズンは減っていると思います」

大谷には、幼いころから信条としてきたプレーがある。

「大谷選手はお父さんの徹さんに、小学校時代は監督として、中学時代はコーチとして野球を教わりました。少年野球時代には、父子で“野球ノート”を使い交流し、指導を受けていたそうです。大谷選手がその日の試合などで出てきた自身の課題や反省を書いて、徹さんに渡し、アドバイスや評価をもらっていたそうです。

その際、徹さんはほとんどのぺージに“一生懸命に走る”“キャッチボールを一生懸命に練習する”“大きな声を出して、元気よくプレーする”と記したといいます。大谷選手はこの父との3つの約束を常に心掛けてきました」(前出・スポーツ紙記者)

大谷が15歳のときから取材しているスポーツライターの佐々木亨氏の著書『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』で、大谷は3つの約束についてこう語っていた。

《三つの教えは基本的なものですが、今でも覚えています。それは、いつどのステージに行っても言われ続けることだと思います。特に全力疾走は、そのこと自体に意味がありますけど、その取り組む姿勢にも大きな意味合いがあると思っています》

■栗山監督に出された“全力疾走”禁止令

その言葉どおり、大谷は、全力疾走を大切にしてきた。

日本ハムファイターズ入団前、憧れの人物に元日本ハムファイターズの稲葉篤紀さん(53)をあげ、その理由を「グラウンドに落ちているゴミがあれば拾い、全力疾走もする。選手だけでなく人間として尊敬する」と語っていた。

’17年には、当時監督だった栗山英樹さん(64)に、右足首を痛めていた大谷が、全力疾走を禁止されたことがある。

しかし、大谷は試合で全力疾走。栗山監督は、「足が折れてもセーフになろうという選手」と評したうえで、禁止令を破ったことを説教していた。アメリカに渡ってからも全力疾走していた大谷だが――。

「今シーズンに入って、大谷選手がアウトになる可能性が高い内野ゴロを打った際に、全力疾走しない場面をたびたび見かけるようになりました。

これは数値にも表れていて、打ってから一塁ベースに到達するまでにかかる平均時間が、昨年は4.20秒だったのが、今年は4.51秒(4月18日時点)で、ずいぶんと遅くなっています。

ドジャースには、選手の健康を管理するスタッフがたくさんいて、アドバイスされたのでしょう。大谷選手はもちろん誰よりも勝ちにこだわっているのでしょうが、そのなかで、できるだけ体をいたわりながらプレーしているように思えます」(前出・友成さん)

大谷が父との約束を初めて破ったのには、理由が――。

’26年3月に放映がスタートしたキリンプラズマ乳酸菌のテレビCMで大谷は、「家族ができて、守りたいものができて、もう自分の体調が自分だけのものじゃないっていうか。だから、信じられるものしか選べないなって思います」と述べていた。

大谷の“方向転換”を前出の友成さんは、こう推察する。

「大谷選手は、今シーズンに入ってすでに3度も死球を受けています。家族の心配も相当なものだと思います。メジャーリーガーは、けがや不振などで、いつどうなるかわかりません。そのため、自分の勇姿を、子どもの脳裏に焼き付けたいとみんな言います。こういった思いがあって、子どもたちを球場に連れてくるんです。

大谷選手も、娘さんを球場に連れてきていると報じられています。大谷選手がこれまで以上にけがを避け、選手寿命が延びるようなプレーをしているのは、家族のためでしょう」

大谷の決断を父・徹さんも支持している。’25年11月にドジャースがワールドシリーズ2連覇を果たした際に、「スポニチアネックス」の取材に対して、メッセージを寄せていた。

大谷の連覇を祝福したうえで、さらにこう綴っていたのだ。

《父親としての願いは一つです。ケガなく、健康で、最後まで自分の納得いく野球をやってくれれば、それで十分です。これからも応援しています。頑張れ、翔平!》

愛娘に一日でも長く野球をする姿を見せるために大谷は、自らの信じる道を進む――。