医療費未払いのトラブルも…外国人患者増加の病院「常識の大きなギャップ」
医療機関では外国人患者が年々増え続けています。未払いなどのトラブルも増える中、直面する課題とは。現場の“いま”を取材しました。
■病院を訪れたアメリカ人男性 隣には医療通訳の姿も

アメリカ国籍のこちらの男性は、のどの痛みなどを感じ、都内の病院を訪れました。
医師
「すべて正常ですね」
医療通訳
「(男性に通訳して)These all are within normal range. Therefore…」
男性の隣には医療通訳の姿がありました。難しい医療用語も時に辞書を使いながら丁寧に伝えています。
アメリカ国籍の20代
「日本語が話せない人に対しても通訳があり、サポートが充実していました」
この病院では、これまで151の国と地域の患者を受け入れてきました。
院内には多言語の表示があり、中にはめずらしい言語への対応もありました。
■増える外国人患者「常識の大きなギャップ」

いま、日本で外国人患者の数が増え続けています。厚生労働省によると、2024年度に医療機関を受診した外国人はおよそ14万4000人。言語だけでなく、医療制度の違いも“壁”として立ちはだかります。
都立広尾病院 総合救急診療科/城川雅光 部長
「言語に関しても大きな問題になりますが、それ以上に難しいのが、医療の受診の仕方に関する“常識の大きなギャップ”があること」
そのギャップが原因で、頭を悩ませている問題の一つが「医療費の未払い」です。外国人患者にとって混乱しやすいのが、会計が受診後の「後払い」であること。
都立広尾病院 総合救急診療科/城川雅光 部長
「診察・検査・処方は、事前に会計をして、それでなければ診療を受けることができないといったような国もあります」
ただ、病院によると、医療費を踏み倒そうとする悪意のある未払いは、年に2件ほど。
一方で、「説明を受けていない」「思ったより高い」といった誤解がトラブルにつながるケースは数多くあるといいます。
医療制度の違いによるトラブルはほかにも。
医療通訳
「受診時に第三者である中国人で埼玉在住の方の国民健康保険を使用して受診しようとしたという例がございました」
他人の保険証を使おうとする、いわゆる「なりすまし受診」。保険証を“医療費が安くなるクーポン”だと勘違いしているケースもあるといいます。
この病院では、月に一度こうしたトラブルを共有。会議で出た意見をもとに、未払い問題については医療行為の料金表を作成し、患者に提示する対策をしています。
“常識のギャップ”を埋めるための工夫で、未払いは改善し、最近では1万円を下回る月も。
■政府も対策を厳格化

また、政府も対策に乗り出しています。これまで20万円以上の未払いがあった場合、入国を認めないケースがありましたが、今月1日からそれを1万円以上に大きく引き下げ、厳格化したのです。
外国人患者が増え続ける中、早急な対応に追われる現場。誰もが安心して医療を受けられる環境作りに向け、摸索が続いています。