マーロン・タパレスに勝利した小國以載【写真:山口比佐夫】

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小國以載VSマーロン・タパレス

 ボクシング興行「TREASURE BOXING PROMOTION」が3日、東京・後楽園ホールで行われた。123.5ポンド(約56.02キロ)契約10回戦では、元IBF世界スーパーバンタム級王者・小國以載(角海老宝石)が元WBA、IBF世界同級統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)に3-0判定勝ちを収めた。“負けたら引退&即入社式”が懸かっていた一戦。歴戦の猛者を相手に大金星を上げた。戦績は37歳の小國が24勝(9KO)4敗3分、34歳のタパレスが41勝(22KO)5敗。

「喋るでぇ〜! 何でも聞いてや!」。大金星直後の選手控室。傷で目元を赤く腫らした小國は、軽くも爽やかな口調で取材に応じ、熱戦を振り返った。

 試合は2回、一瞬で詰め寄るサウスポーのタパレスに攻め込まれ、左ストレートを浴びた。3回もロープを背負い、ワンツーを食らった。耐えの時間が続いたが「作戦はいかにボディーを打たずに相手を上手く迎えるか。最初から行くと、来てくれなくなってしまう」。中盤からボディー攻撃を解放。重い右拳がタパレスの腹を捉えた。

 顔をしかめる相手。「フェイントやな。わざと効いたフリをしている」。百戦錬磨のタパレスの右フックを警戒し、はやる気持ちを押し殺して無理に攻め込まなかった。最終10回まで冷静かつ着実にダメージを与え続けた。試合終了のゴング。小國は両手を高く突き上げた。結果は3-0の判定勝ちだった。

 サウスポーを苦手と公言する小國。プロで喫した4敗のうち3敗が左構えの相手だった。直近1〜2か月の練習を振り返り「サウスポーの大学生にも倒されて。めっちゃ恥かいてきました」と笑う。「ボコボコにされましたが、それは練習なんで。試合とは違う」と胸を張った。

ターゲットは「弱い人」

 小國は2016年にIBF同級王座についたが、翌17年の初防衛戦で敗れ、王座から陥落。世界戦から約8年半離れている。この試合で世界ランキングを押し上げ、世界戦線へ復帰することを目指していた。

「ここまで来たら世界チャンピオンになりたい」。力強く意気込んだが、ターゲットを聞かれると「弱い人。右で、僕が得意な人」と冗談めかして話した。

 同級王座には4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が君臨している。再度「井上とは言わない?」と問われると「そんなもの口が裂けても言えない! おこがましくて!」。5月2日に井上―中谷潤人(M.T)とのビッグマッチが計画されているが「2人とも(ベルトを)返上してほしい」と笑わせた。

“負けたら引退”を覚悟する37歳。週明けの6日にはジムの親会社でもある「角海老グループ」の入社式の計画があったという。小國は「ちょっと延びたんで、また好きにボクシングをさせてもらう」と笑顔。再び頂点を目指す道のりが始まった。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)