【特集】男鹿市の本山に墜落したB29 保全活用に向け詳細調査実施へ 秋田
終戦直後に男鹿市の本山に墜落したアメリカの爆撃機B29をめぐる新たな動きです。
この春、墜落地点などを詳しく検証する共同調査が行われることになりました。
さまざまな角度から分析を行い、より輪郭をはっきりさせたうえで、今後の保全、活用に生かされることになっています。
■地形を3次元でデータ化
共同調査の中心となるのは、秋田市の探検家、髙橋大輔さんです。
「現在の最高のテクノロジーを使った検証ということができることでもあるので、ある意味次につながる1つのデータがとれるんじゃないかなと」
墜落したB29の残骸を去年6月にかけて、複数発見した髙橋さん。
連携するのは、横手市に本社を置き地質調査などを手がける「奥山ボーリング」と、由利本荘市の「あおいドローンサービス」です。
調査ではドローンに取り付けたレーザースキャナーで測量を行い、地形を3次元でデータ化します。
調べる場所は、B29が墜落した男鹿市の本山です。
あおいドローンサービス 佐々木亮社長
「360度ぐるぐるぐるぐる回って、レーザーを照射する別のタイプのレーザースキャナーなんですけども。これを使って。これはもう全体をとるというよりは、局所になるんですよ」
立体的な地形図を作ることや、数センチ単位で地表面を再現することなどを目指す調査。
奥山ボーリング技術部 荻田茂専任部長
「もともとあるであろう地形が、なんかちょっとイレギュラーなような形をしているとすると、それは痕跡として、何か言えることがあるのかなと」
「地面の形がきちんと見えて。ですから木を全部オミット(除外)して。地上だけを見ることができるよっていうそういった技術を用いて」
「戦争遺跡とか平和教育とかっていうものがあるんだとすればそれに向けて『目に見えるものが必要でしょ』っていうところからの今われわれはスタートしてます」
■81年前の痕跡が今も残る本山
先端の技術と解析で迫る、81年前の出来事。
1945年の8月28日、大館にあった捕虜収容所に物資を運んでいたB29が標高715メートルの本山の中腹に墜落。
乗組員11人が死亡しました。
ノーマン・H・マーチンさんがただ1人生き残り、ふもとの加茂青砂の住民が救出。
マーチンさんは、その後、加茂青砂を訪れ住民たちに感謝を伝えるなどして交流を深めました。
マーチンさん
「孫や子どもたち、将来の世界中の子どもたちのために。日本もアメリカも戦争をせず、世界の平和が続くように一緒に歩み続けなければならない」
マーチンさんが乗っていたB29の残骸は今も本山に残っています。
探検家 髙橋大輔さん
「戦争の遺産というのがまだ、80年を超えても、まだ埋もれているんだという現実をみなさんが知ること…みなさんに知ってもらうことで、なんか戦争というのは遠い過去の話なんですけど、まだ山にはこうやって“モノ”が存在していて、やっぱ語りかけてくるんだなと」
■得られたデータを活用して次世代へ
当時の出来事を今に伝えるこうした痕跡はどのように保全、活用されるのか、まだ決まっていません。
今回の調査は奥山ボーリングの担当者が髙橋さんに講演を依頼し、その後、B29墜落の記憶の継承に関する話を聞いて理解を深めたことなどがきっかけで始まりました。
今、ともに計画を具体化しています。
奥山ボーリング 荻田茂専任部長
「危険な山に足を踏み入れることなく学校の教室や展示室にいながら安全かつリアルに歴史を学べる次世代のデジタル教材を提供することは多分できるんだろうと」
探検家 髙橋大輔さん
「痕跡っていうか、それがはっきりできるので、それはその実際に80年前に何があったっていうことだけではなくて、次今県庁で動こうとしている、戦争遺跡をどういうふうに守っていくか、指定をして守っていくかっていうところの俎上にあげる、あげて、とても有益なデータにはなる」
調査は林野庁など各方面の許可を得ていて、今月、天気が安定した日にドローンを飛ばします。
得られたデータは飛行経路や墜落地点の特定、それに遺跡としての保全などに活用されることになっています。
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