来期は4本の大型新作タイトルを市場投入する予定。ただし、振れ幅が大きい経営課題を解消しきれておらず、難局は続きそう。セガは売上のボラティリティの高さを抑えるため、データアナリティクス専門組織を新設し、データドリブン型の事業構造への転換を検討しているといいます。

 一方、ゲームのヒット作の創出プロセスにおいて、これまで得られたデータを活かせるかどうかは不確定。常識を覆すようなアイデアが求められるためです。ゲーム開発においては、予測しきれない難しさがあります。

◆オンラインカジノの規制強化も逆風に

 減損損失は他の子会社でも計上する見通しです。その子会社がオンラインカジノを運営するステークロジック。セガはカジノ事業を展開していますが、世界的に人気のあるオンラインカジノを成長戦略の柱に位置づけていました。

 しかし、ギャンブル依存の影響を危惧する声が世界的に広がり、特に主要市場であるオランダで規制が強化。ステークロジックの事業環境がセガの想定を上回るペースで悪化しました。今期中に150億円規模の減損損失を計上する見込みです。

 こうした事態を受けて、セガは大型のM&Aを凍結。戦略的投資枠として用意していた資金のうち、200億円を自社株買いに充当する決定を下しました。投資家への配慮を優先したのです。

 セガは長期に渡る構造改革を終え、成長に向けた大型投資を続けていました。その歯車が上手くかみ合わず、踊り場にさしかかった形。難しいかじ取りを迫られています。

<TEXT/不破聡>

【不破聡】
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界