夫の年収で住宅ローンを組んだら「控除」が少なかった!共働きなら稼いでいる妻に「名義変更」した方がお得?知っておくべき“名義と税金”の関係
住宅ローン控除は「払っている人」しか受けられない
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、ローンを借りた人が、年末のローン残高に応じて所得税や住民税の一部を控除できる制度です。つまり、「実際に返済している人」しか控除を受けられません。
たとえば、夫が単独でローンを契約し、名義も夫のみである場合、どれだけ妻の年収が高くても、妻は住宅ローン控除の恩恵を受けることはできません。
結果として、「控除額は大きいのに、夫の所得税額が低くて控除しきれない」状態になるケースがあります。これが「控除が少ない」と感じる主な原因です。
名義を妻に変更すればお得? 簡単にはいかない“共有名義”の実際
共働き家庭の場合、妻の方が年収が高いのであれば、住宅の名義を共有にした方が控除効果を最大化できる可能性があります。 しかし、住宅ローンの名義変更は簡単にはできません。特にローン返済中の物件では、金融機関の許可が必要であり、基本的には「一度完済してからの名義変更」となることがほとんどです。
表1に、住宅ローン名義に関する条件を整理した表を示します。
表1
※筆者作成
注意すべきは、出資比率と登記内容が控除に直接影響するという点です。登記時に出資割合を正確に設定しないと、控除の配分や受けられる金額が想定とズレてしまうこともあります。
年収が高い方が控除を受けたほうが得な理由
住宅ローン控除は、所得税と住民税から控除されるため、年収が高く所得税が多く発生する人のほうが控除の恩恵を大きく受けやすいです。たとえば、同じ控除額でも、年収の低い夫では「所得税がそもそも少なくて控除しきれない」ことがあります。
表2は、控除効果の例を比較したシミュレーションです。
表2
(満額控除不可) 妻:700万円 約20万円 最大21万円 約20万円
(ほぼ満額控除)
※筆者作成
このように、控除枠が同じでも、年収が高い人の方が多くの税額から引けるため、「妻が控除を受けた方が得だった」という結果になるケースがあるのです。
名義・ローン設定で失敗しないための事前チェックリスト
今後住宅を購入する場合や、まだ登記前・契約前であれば、以下のポイントを意識することで、住宅ローン控除を最大限生かせる設計が可能です。
・登記名義と住宅ローンの名義は一致しているか
・共働きなら、共有名義にしてお互いが返済できるようにする
・出資割合は正確に設定し、登記簿にも反映させる
・控除の適用期間や金額を事前にシミュレーションする
・銀行に「連帯債務」または「ペアローン」の相談をする
こうした事前準備によって、「せっかくローンを組んだのに控除が少なかった」という失敗を防ぐことができます。
まとめ
夫の名義だけで住宅ローンを組んだ場合、年収が低ければ住宅ローン控除を十分に活用できないケースがあります。共働き世帯で妻の方が高収入であるなら、名義やローン返済を分担し、控除額を最大限に生かす設計にすることが節税の鍵です。
とはいえ、ローン返済中に名義を変更するのは難しいため、購入前の段階での設計が非常に重要です。今後住宅を購入予定の方は、ぜひ名義と税金の関係をよく理解したうえで、後悔のない選択をしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
