食通が熱視線を送るビストロなど、注目の12店〈大木淳夫の10月の新店アドレス〉

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グルメ本編集長として数々の名店を訪れる大木淳夫さん。毎月たくさんの飲食店がオープンする中で、大木さんが「これは!」と思った新店をずらりと紹介します。

有名店出身、若手シェフのビストロと、アラカルトも楽しめるフレンチ

あの「レカン」と「渡辺料理店」出身

9月10日、人形町にアラカルトのビストロ「Bistro tercera」がオープンしました。料理長は「銀座レカン」出身で「渡辺料理店」元スーシェフの田島優己さんです。

木場のワインショップ「Modern liquor」が経営していて、1階は壁向きカウンターとテーブル席。2階にもテーブル席があります。メインには大好きだけれどボリューミーなため、オーダーを躊躇するカスレが。しかしこちら、トマトの風味が利いていて思いのほか軽やかでした。気になった真フグのフリットやハギの昆布締めとイチジク、茸類のマリネも期待以上の味でしたし、シャルキュトリーやスープ・ド・ポワソンなどのビストロの定番は安定のおいしさ。まだ27歳とのことですが、名門と大人気店で鍛えられただけに、この先もますます注目です。

カスレ

<店舗情報>
◆Bistro tercera
住所 : 東京都中央区日本橋人形町2-11-8
TEL : 不明の為情報お待ちしております

レストランの楽しさを思い出せる店

10月3日、白金高輪にはフレンチ「Sillage(シヤージュ)」がオープンしました。シェフはフランスの一つ星店でスーシェフを務め、帰国後は「L’ARGENT」で加藤順一シェフに師事した宗定和輝さん。

コースは7,700円からで、うれしいことにアラカルトも用意されています。最近の本格フレンチはおまかせ中心なだけに貴重な存在です。加藤シェフゆずりでしょうか、発酵でうまみを出した舞茸、パプリカ、トマトなどの野菜を効果的に使った料理は秀逸。メイン後には同じ素材をアレンジしたサプライズの小皿も登場し、レストランの楽しさを思い出させてくれます。

発酵舞茸/じゃがいも/卵黄

<店舗情報>
◆Sillage
住所 : 東京都港区白金1-27-6 白金高輪ステーションビル 1F
TEL : 050-5597-0554

大人に活用してほしい、人気エリアの和洋2店

大人のためのフレンチ&イタリアン

9月10日、代々木上原にフレンチ&イタリアン「ALUDRA」がオープンしました。オーナーシェフは鎌倉「DRAQUIRE」も手がける山田尚立さん。幼少期はイタリアで育ち、この世界に入ったのは27歳。そこから「イル・テアトリーノ・ダ・サローネ」や「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」「INUA」などの有名店で修業し、「オレキス」ではシェフとして活躍しました。

メニューにはフランス、イタリアの料理が混在しますが、パスタが充実していて、シェフが柔軟に対応してくれるので、カウンターに座ると気分はイタリアンです。歩道からも見える半地下で、元駐車場という面白い造り。6,500円からのコースもありますが、相談をしながらのアラカルトがおすすめ。大人が活用したい一軒です。

ボンゴレビアンコ

<店舗情報>
◆ALUDRA
住所 : 東京都渋谷区上原1-30-12 UEHARA TERRACE B1F
TEL : 050-5596-7676

高級業態ながら、肩肘張らずに楽しめる

9月16日、麻布十番にオープンしたのは居酒屋「しおかげん」です。西麻布の会員制居酒屋で十数年活躍した宮上祐介さんの独立店で、コースは8,000円〜、アラカルトも可。カウンターメインで高級業態ながらハードルが低く、肩肘張らずに楽しめます。

メニューは定番に一工夫を凝らしていて、酒盗にマヨネーズをのせて炙る「酒盗玉子」、カレー・いぶりがっこ・タルタルのペーストで味変できる「ぽてとさらだ」、小さなボール状のコロッケを積み上げ、さらにサンドイッチのパンも付いてくる「コロッケピラミッド」などがあり、盛り上がります。酒も同エリアの相場より良心的でした。

コロッケピラミッド

<店舗情報>
◆しおかげん
住所 : 東京都港区麻布十番3-3-9 VORT麻布十番? 4F
TEL : 050-5597-0466

ナチュラルワインの立ち飲みバーと、醸造準備中のビアバー

幡ケ谷のナチュラルワイン酒場

10月6日、幡ケ谷にワインバー「tout」がオープンしました。六本木のナチュラルワインビストロ「喃喃」で店長を務めていた方の独立店です。

5.5坪と狭小ですが、立ち飲みで厨房も機能的にしているので、圧迫感はありません。フランスが好きで、旅先でよく見かけたワインバーをモデルにしたそうで、六号通り商店街から路地を入った立地とも相まって、いい雰囲気を出しています。幡ケ谷はナチュラルワインの人気店が多く、需要も十分。ウフマヨやゼッポリーニ、パテ・ド・カンパーニュなど定番も揃い、グラッパといった食後酒もあるので2軒目使いにも最適です。

青のりの揚げパン

<店舗情報>
◆tout
住所 : 東京都渋谷区幡ケ谷2-48-2英ビル 1F B
TEL : 不明の為情報お待ちしております

年内にはブルワリーも

9月5日、学芸大学にオープンした「RIKRI BREWING」はビアバーです。今は国内外のゲストビールを8タップで提供していますが、年内には隣で醸造をスタート。4タンクで40種を提供する、目黒区で2カ所目のブルワリーとなります。

店主は都内のブルワリーで5年修業。食べ物は持ち込み自由ですが、船堀「リヨンコッペル」の明太フランスやスナックは用意されています。さらに、駒沢通りをはさんで向かいにある「trattoria MicoMico」からフリットやキッシュの注文も可能になりました。平日は15時、休日は12時から開店していて、立ち飲みなので、ふらっと一杯にも最適。12月のブルワリー始動が待ち遠しいですね。

ビール  出典:★*さん

<店舗情報>
◆RIKRI BREWING
住所 : 東京都目黒区鷹番3-19-20
TEL : 不明の為情報お待ちしております

渋谷には、復活したそば店と人気グループの立ち食い炉端焼きが

ファン歓喜、渋谷のそばが復活

9月14日、渋谷に「本家しぶそば 渋谷道玄坂店」がオープンしました。2020年に惜しまれつつ閉店した東急東横店2階の味が、道玄坂の路面店で復活です。

かつてよく利用した店頭でのおにぎりの販売はありませんでしたが、レジからマイクで注文を厨房へ読み上げる名物のオペレーションは継承されています。6種の具がのった「オールスター」や南蛮漬けにしたさばと北海道産じゃがいもを使った「さばコロッケそば」、“賞味期限3分”の「究極おかか飯」などの渋谷限定のそそられるメニューも。早速さばコロッケそばをオーダーして、かつてマッキー牧元さんに教えていただいた方法を実践しました。コロッケを丼の底に沈め、熟成させるのです。濃いめの出汁を思い切り吸ってふやけたコロッケは、素晴らしい満足感でした。

さばコロッケそば

<店舗情報>
◆本家しぶそば 渋谷道玄坂店
住所 : 東京都渋谷区道玄坂2-9-10
TEL : 03-6455-1231

早くも人気になりそうな、渋谷の炉端焼き

10月6日、渋谷ストリーム1階にオープンしたのは立ち飲み店「ONDO」です。同エリアで人気の「カメラ」「テンキ」の姉妹店で、こちらのテーマは“囲炉裏料理と日本のお酒”。日本酒や焼酎はもちろん、ワインも日本産にこだわっています。

スタッフのコミュニケーション力も高く、目の前の渋谷川を眺めながら一杯もできます。名物と銘打たれた「ポルケッタ ジンジャーポークソース」は濃いめのソースに柔らかな肉とコールスローが添えられていて、ご飯が欲しくなる味わい。〆の焼きおにぎりと合わせたくなりました。炭火焼きは他に「海老 ガーリックシュリンプソース」がありましたが、今後種類を増やしていくとのこと。駅からも近く、立ち飲みと炉端焼きが大好きなインバウンド客の人気も集めそうです。

ルケッタ ジンジャーポークソース  写真:お店から

<店舗情報>
◆ONDO
住所 : 東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム 1F
TEL : 050-5597-0719

レジェンドシェフの食べ歩き用ハンバーグと、羽釜炊きのお米もおいしい高級のり弁

レジェンドシェフが作った食べ歩きフード

9月12日、浅草に「レストラン大宮ラボ」がオープンしました。人気洋食店「レストラン大宮」の向かいにあって、テイクアウトをメインにした新業態です。

それだけにメニューは「スティックハンバーグ」「オオミヤメンチ」「浅草フリット」「濃厚ソフトクリーム」と食べ歩き用に特化。インバウンドの観光客であふれかえる浅草のニーズにマッチしていて、親子連れの外国人客などで大盛況でした。牛8:豚2の本店名物のハンバーグを、つくねのように刺したスティックハンバーグは驚くほどジューシーで、一気に頬張ってしまうほど。なにより、75歳にして現役のレジェンド・大宮勝雄シェフに会えるのは魅力です。

スティックハンバーグ

<店舗情報>
◆レストラン大宮 ラボ
住所 : 東京都台東区浅草2-2-1
TEL : 不明の為情報お待ちしております

ご飯も合格! つやつや羽釜ご飯ののり弁

9月2日、赤坂にはのり弁専門店「海苔弁当 茜華」がオープンしました。「茜坂大沼」の姉妹店で、「藁燻銀鮭海苔弁当」(2,200円)、「藁燻鯖海苔弁当」(2,300円)、「銀ダラ西京漬け海苔弁当」(2,500円)を販売しています。

お弁当で一番重要なのはご飯だと思っているのですが、こちらは「つや姫」を羽釜で炊いていて、美味。具材もたっぷり半身の魚に加え、出汁巻きや白身魚の甘辛煮、さつま芋天、肉詰め椎茸天、鶏の山椒照りなど大変充実しています。大口注文も入るそうで、高級ゆえの需要がうかがえます。事前のネット予約がおすすめです。

「藁燻銀鮭海苔弁当」(手前)、「藁燻鯖海苔弁当」(奥)

<店舗情報>
◆海苔弁当 茜華
住所 : 東京都港区赤坂6-4-20 ヴィラージュ赤坂 101
TEL : 070-5366-9772

オールタイム活用できるイタリアンカフェと話題のグルメバーガー

ホットドッグが美味

9月10日、駒場東大前にオープンしたイタリアンカフェ「Lungo」は同エリアの人気店「TOKYO PASTA WORKS」の姉妹店で、朝8時からの営業です。モーニングやランチのほか、ローストチキンやスープ、スイーツなどのテイクアウトも可能で、夜の営業では季節のカクテルなどもオンメニュー。

店内は2人掛けテーブルや窓向きカウンターがあり、気分転換にも仕事や勉強の利用にもぴったりで、知っておくと活用できそうです。ランチのホットドッグはボリューミーな自家製イタリアンソーセージが特徴的で、シンプルながら完成度の高い一品でした。東大キャンパス側ではない西口すぐの立地で、隠れ家的な雰囲気も魅力です。

自家製イタリアンソーセージのホットドッグ サラダ付き

<店舗情報>
◆Lungo
住所 : 東京都目黒区駒場2-1-3 苗場ビル 2F
TEL : 不明の為情報お待ちしております

「I’m donut?」の新業態はハンバーガー

最後は10月11日、渋谷にオープンして大変な話題になっている「ネオナイスバーガー(Neo Nice Burger)」です。あの「I’m donut?」の新業態で、“ネオ・ファストフード”として高級すぎないグルメバーガーを掲げます。

大行列を避けようとオープン2週間後の朝10時半ごろにうかがいましたが、それでも10人待ち。ネーミングに引かれてオーダーした「エッグエッグボロネーゼバーガー」(660円)は肉感の強いパティにボロネーゼ、さらに2枚重ねの目玉焼きという布陣。数種類の穀物をまぶした自家製バンズの食感も印象的でした。2階にはイートインスペースと共に「I’m donut? 渋谷宮益坂」もあります。

エッグエッグボロネーゼバーガー

<店舗情報>
◆Neo Nice Burger
住所 : 東京都渋谷区渋谷1-8-3
TEL : 不明の為情報お待ちしております

教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。最新刊『東京最高のレストラン2025』が発売中。10月7日に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です

文・撮影/大木淳夫

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