女子200mバタフライ・三井愛梨【写真:文化工房】

写真拡大

世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと5日―女子200mバタフライ・三井愛梨

 水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)が7月14日に開幕した。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施してきた。

 その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。7月18日の第29回は、女子200メートルバタフライに出場する三井愛梨(横浜サクラ)が登場。この春、高校を卒業したばかり、成長著しい大学1年生は「今は夢じゃなく目標」という来年パリ五輪へ、福岡から羽ばたく。

 ◇ ◇ ◇

 この夏、日本競泳界にニューヒロインが生まれるなら、それはこの19歳になるかもしれない。「またベストタイムを更新して、決勝の舞台でメダルも狙って頑張りたい」と言ったのは、三井愛梨。おだやかでおっとりした口調ながら、初めての世界水泳に決意が滲む。

 4月の日本選手権は、鮮烈なインパクトを残した。3月に高校を卒業したばかり、法大の入学式からわずか3日後。女子200メートルバタフライ決勝で自己ベストの2分6秒77で初優勝し、夢に見た代表切符を掴み取った。

「6秒台は前からずっと狙っていて、代表も前から狙っていたので、すごく良い結果。直前の合宿からずっと調子が良くて、6秒台は絶対出る自信がありました」

 自負する持ち味は後半。日本選手権も前半は1分1秒76で入り、残り100メートルで勝負強さを発揮した。「前半はこれまでベストの時でも2秒台。なかなか1秒台で入れなかったけど、ちゃんと目標にしていた1秒台で入ることができて良かった」と手応えを隠さない。

 笑顔で語る裏には涙で滲む記憶がある。昨年のブダペスト大会は選考会で派遣標準を切りながら3位。2枠の切符を逃した。「去年は『(世界水泳に)行ければいいな』くらいの気持ちだったけど、やっぱりいざ派遣タイムを切って3位になってみると、すごく悔しくて……」

 悔しさを練習の一本一本にぶつけ、キャプテンを務めた8月のジュニアパンパシ(ホノルル)で2分7秒82で優勝。「2分7秒台を出すことができて、ちょっと自信になったし、火がついた。次の代表は絶対に入るぞと」。12月の世界短水路で6位入賞を果たし、一気に頭角を現した。

写真をカメラロールに保存するほど憧れの存在とは

 日本の女子200メートルバタフライといえば、歴史を紐解いてもアテネ五輪銅メダリスト・中西悠子、リオ五輪とロンドン五輪の銅メダリスト・星奈津美ら多くの名スイマーが生まれた。特に、2015年の世界水泳で日本女子初の金メダルを獲得した星とは縁がある。

 小さい時に会場で写真を撮ってもらい、今もカメラロールに大切に保存している憧れの存在。その星が持つ日本記録2分4秒69も狙えるレベルに来ているが、本人は「まだまだ全然及ばないですが、星選手の記録に少しでも近づけるように頑張りたい」と謙虚に意気込みを語る。

 世界に目を向けると、この種目に君臨するのはカナダの16歳の天才サマー・マッキントッシュ。14歳にして21年東京五輪に出場し、15歳だった前回ブダペスト大会で200メートルバタフライと400メートル個人メドレーの2冠を達成。大会史上最年少で女王となった逸材が、今大会も大
本命だ。

「ぜひ、一緒に泳げればいいなと思います」と三井。「とにかく、バタフライ以外もすごく速く、すごくタフ。マッキントッシュ選手は前半を58秒とかで入っているので、そこは今の自分の実力では追いつけない部分がある。でも、後半で強さを見せられれば」と食らいつく覚悟を示す。

 昨年8月のジュニアパンパシ前、コーチに宣言した「2分7秒で泳ぎます、自己ベストを更新して優勝します」の言葉を実現。日本選手権も2分6秒台を目標にして、有言実行してきた。では、今大会は――。「2分5秒台で決勝で戦えるようにします」。そのタイムなら表彰台も見えてくる。

 そして、その先にあるのは来年のパリ五輪。「五輪は小さい頃からの夢の舞台。今は夢ではなくて、目標というところまで近づいている。それをしっかり達成して、来年パリ五輪の代表になって、その舞台でも活躍したい」。福岡はパリへの出発点になる。

(19日の第30回は今井月が登場)

世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。

(THE ANSWER編集部)