渋谷と代々木上原のイズムがミックスされたお洒落でイマドキな街。

それが、本日ご紹介する「富ヶ谷」である。

いわゆる“奥渋”といわれるエリアで、食通を満足させる名店が多いことでも知られる。

なぜ、大人はこぞってこの街に魅了され住まうのか?その理由を徹底解剖する!

東京の街の個性を徹底調査する連載「東京ご近所探訪」。過去にご紹介した街も、要チェック!


今月のエリア【富ヶ谷】


今回取り上げるのは、渋谷区の富ヶ谷エリア。近年、お洒落で話題のお店が増えており、若い人を中心に賑わいを見せている。

住所としては山手通りを挟んで、代々木公園側の1丁目と、上原側の2丁目のみ。神山町にも隣接する1丁目は、“奥渋”としても語られるエリアだ。



このエリアの象徴ともいえる井ノ頭通りの「渋谷区富ヶ谷一丁目」交差点。近くには、台湾料理の名店“麗郷”もある


富ヶ谷在住15年の藤田のえさんは「街の雰囲気を変えたのは『アヒルストア』じゃないですか。富ヶ谷のカルチャーをけん引してきた存在だと思います」と話す。

一方で、当の店主、齊藤輝彦さんは「昔から、日常に溶け込む“大人の色気”がありました。大きく変わったのは、ノルウェー発のカフェ『フグレン・トウキョウ』ができてから。外国人が増えて、一気にお洒落になりましたね」と振り返る。

曰く、昔から大人が集うバーなどが点在していたそう。

1年半前に引っ越してきたというコピーライターの竹田芳幸さんは「スーツの人がいない街。お洒落な人が多いですね」と語り、界隈の食の豊さにも満足しているとか。


富ヶ谷の日常に寄り添うビストロ&ワインバー『アヒルストア』


15時の開店前から並ぶことも少なくない、人気のビストロ&ワインバー。

「外食慣れしている人たちに、日常の店として使ってほしい」と、2008年6月、富ヶ谷の東端、東急本店通りから路地に入った場所にオープン。




「豚肉のパテ」、「フランスパン」。



井ノ頭通りを挟んだ北側には、商店街が続く。人気のビストロ『パス』やベーカリー『365日』があるのがこのエリアだ。

ポルトガル料理店『クリスチアノ』をはじめ、界隈で複数店舗を営む佐藤幸二さんはこう語る。

「店を始めたときは、地元の方から“1年持てばいいね”と言われたぐらい新店が定着しないエリアでした。今は個性的な店が増えて“奥渋”と言われたりもするけど、長く住んでいる人や古くからのお店も多くて下町的。渋谷や原宿、新宿も近いのに“中心”な感じがしない、ローカル感が魅力です」

確かに新店も多いが、路面のスーパーで買い物をする人や、老舗の蕎麦店の存在など、下町風情もある。


連日行列をなす実力派のポルトガル料理店『クリスチアノ』


代々木公園駅から徒歩3分。2010年にオープンして以来、常に満席のポルトガル料理店。

遠方から足を運ぶ客も多いが「近所の老夫婦が、普段着でワインを飲みに来てくれるのがうれしい」と、オーナーの佐藤さん。




写真は「カマンベーコン」。


新店と老舗がひしめき合う、グルメな大人を魅了する街


昨秋、駅前にオープンした『宝味八萬』の目黒文夫店長は、「食にこだわりを持つ人が多く、彼らが立ち寄れる店が充実していますね。平日夜は、ひとりでサッと食べて帰る20代、30代のリピーターも多いです」とも。

一方で、2丁目は閑静な住宅街。富ヶ谷の南西には“フレッシュネスバーガー”の1号店がある。

「落ち着きがあってホッとするエリア。長年通ってくださるご近所の方も多くいらっしゃいます」と、広報の青木美華さんは話す。


近所に住む家族連れも多く訪れる点心専門店『宝味八萬』


都内に9店舗を展開する味坊グループ初の点心専門店。店頭にテイクアウト専用の窓口も備えている。

地元の人たちにも愛されていて、土日は子連れのファミリーも多い。




写真は「ラムのスペアリブ」。


風情漂うアメリカンな佇まいが目を引く『フレッシュネスバーガー 富ヶ谷店』


東大駒場キャンパス裏で30年前に創業した『フレッシュネスバーガー 富ヶ谷店』。

アメリカンな雰囲気を漂わせる1号店は今も健在。




お洒落な店が増えるにつれて富ヶ谷に広がっていった「奥渋」エリアだが、もともとは隣の神山町商店会の愛称だったそう。



ノスタルジーを感じさせる良店と新店が程よく混在する。

お洒落感度の高い人たちに支持されているポイントも、そんなところにありそうだ。

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