ピレラ選手(写真:AP/アフロ)

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プロ野球広島の元助っ人で韓国プロ野球サムスン・ライオンズでプレーするホセ・ピレラ(32)のチームへの献身的姿勢を、韓国メディアが驚きをもって報じている。

韓国スポーツメディア「スポーツソウル」(WEB版)は2022年10月6日にピレラの特集記事を公開。記事によると、ピレラは5日時点で108打点100得点を記録。100打点100得点はKBOリーグ唯一で100得点はリーグトップ。打率、本塁打、打点、出塁率、長打率でそれぞれ2位につけている。

「チームがポストシーズンに進出できなかったのが残念だ」

同メディアが注目したのは5日の試合後のピレラのコメントだ。この日の試合で100得点を記録し、タイトル争いにも参加しているピレラは同メディアの取材に対して次のようにコメントしたという。

「100打点、100得点を達成したというが大きな意味はない。タイトルも同じだ。私の目標はチームがポストシーズンに進出して韓国シリーズで優勝することだった。今年の個人成績だけを見るとキャリアの中で一番良い。それ自体は満足だが、チームがポストシーズンに進出できなかったのが残念だ」

そして今季は打撃よりも守備で満足するプレーができたと明かした。昨季は足の痛みによりほとんど指名打者としての出場だったが、今季はレフトで出場し続けており、昨季よりも守備イニング数が3倍になったという。

同メディアによると、サムスン・ライオンズの朴鎮萬(パク・チンマン)監督代行は「外国人打者は打つことに多く集中する。それによって守備や走塁で楽をしようとする選手もいるがピレラはそうではない」とし、「こんな選手を初めて見た。技量もトップだ。私が見てきた外国人打者の中で最高の選手だろう」と手放しで絶賛した。

広島時代は打率.266、11本塁打34打点

記事ではピレラは多数の打撃部門でタイトル争いをする選手でチーム内では最高の打者であると評し、加えて守備と走塁まで情熱的だとしている。そして何より個人よりもチームを優先すると指摘し「かつてこのような外国人選手がいただろうか」と驚きを隠さなかった。

ピレラは大リーグ・ヤンキース、パドレスなどでプレーし19年オフに広島に入団。来日1年目に打率.266、11本塁打34打点2盗塁をマークするも20年シーズン限りで退団。翌21年にKBOリーグのサムスン・ライオンズに移籍した。

21年シーズンはチームの主力として140試合に出場して158安打、打率.286、29本塁打、97打点、OPS 0.854を記録。2年目となる今季は昨季を大きく上回る打撃成績を残しており、「スポーツソウル」は今季MVPの可能性に言及している。