【ACL帯同記2022】待望の連載復活! 「すべてはアジアを獲るために」横浜FMがラウンド16へ、日本でのセントラル開催の裏側
【短期連載〜ラウンド16編│第1回】宣言どおりの復活! 日本でのセントラル開催の裏側をお届け
横浜F・マリノスがAFCチャンピオンズリーグ2022(以下ACL)ノックアウトステージへの進出を決め、約3か月半ぶりに短期連載でACLの裏側をお伝えすることになりました、横浜マリノス株式会社マーケティング&コミュニケーション部マーケティング担当の矢野隼平と申します。
明日から始まるノックアウトステージは1発勝負。そしてグループステージはベトナムでの開催でしたが、今回は日本(埼玉)での開催となります。ACLでは初めてとなる日本でのセントラル開催ということで、どのような時間を過ごしているのか、今回も私なりの目線で裏側をお届けしていきます!
改めてとなりますが、ACLではチームマネージャーというポジションを担当しております。このチームマネージャーという役割は、選手・スタッフの移動や滞在するホテル、練習、試合といった滞在中に訪れるさまざまなセクションを管理・調整します。
ACL2022ノックアウトステージは、まずラウンド16が明日18日、明後日19日に実施され、その後、勝ち進んだチームが22日の準々決勝、そして25日の準決勝へと進みます。ラウンド16のヴィッセル神戸戦を明日に控えるなか、今回は昨日と今日の裏側をお伝えします。
昨日の敵は今日の友? 川崎フロンターレに感謝!
今回のラウンド16は、日本でのセントラル開催ですが、勝ち進んでいくことを見据え、チームはホテルに連泊。昨日、横浜から移動してきました。私はチームスタッフとともに新横浜にある会社から埼玉への移動でしたが、その道中で川崎フロンターレ本社にお邪魔してきました。ACLの準備をするにあたり、備品が不足してしまったところ、川崎のチームマネージャーである米田さんから「余っているので渡せます!」とありがたいご連絡をいただいたためです。
今年のACLに日本から出場しているのは川崎、浦和レッズ、ヴィッセル神戸、F・マリノスの4チーム。普段は熱い戦いを繰り広げる敵同士ですが、グループステージからチームマネージャー同士でさまざまな情報交換をLINEで行っています。残念ながら川崎はグループステージ敗退となり、心の中では悔しい思いを持たれているにもかかわらず、このようなサポートをいただいて心から感謝しています。先日のリーグ戦では“等々力劇場”と称される劇的な敗戦を喫しましたが、その試合を互いに笑顔で振り返りながら米田さんと話す時間は非常に有意義でした。「ACLノックアウトステージ頑張ってください! DAZNで観戦させていただきます」という言葉をいただき、一層身が引き締まる思いでした。
これぞACL! スタッフみんなで模様替え!
我々は昼過ぎに無事に宿泊先のホテルへ到着。用具を積んだトラックも同時に到着し、ホテルのスタッフの方々に手伝っていただきながら荷物を降ろします。そしてここから、選手たちが快適にホテルでの時間を過ごせるように、早入りをしたスタッフ総出で数部屋のルーム内を模様替えしていきます。遠征中にどのような部屋を準備するかは各チームによって異なるかと思いますが、F・マリノスではメディカルルーム、マッサージルーム、リラックスルーム、用具ルーム等々、数部屋を元の状態から変更します。
さまざまなセッティングをするには人手と体力が必要不可欠です。それぞれ本来の業務とは異なるこの作業を、多くのスタッフ同士、声を掛け合いながら行っていると、自然と「ACLが再開するぞ!」という思いになります。この業務に最も慣れているホペイロの緒方(圭介)くんに「これ違う!」「あれ違う!」「正解!」と言われながら、皆で笑い合う時間はチームワークにも繋がっているのでしょう。想定よりも早い時間で準備を終えた一同の顔には、早くも達成感がありました(笑)。そして、事前にベッドを部屋から外へ移動してくれていたり多くのテーブルを準備してくださっていたりしたホテルスタッフの方々、本当にありがとうございました。
ACL恒例行事。ペットボトルのラベル剥がし!
選手たちが無事にホテルに到着して夕食を済ませると、これまたACL遠征では恒例となっているペットボトルのラベル剥がしの作業が始まります。ACLではブランドコントロールで、大会スポンサー以外の企業名や商品名が入っている物については基本的に使用することができないため、前日練習や試合で使用する飲料のラベルを剥がします。選手が到着した後なので作業ができるスタッフの人数は限られますが、みんなで雑談しながら、“いろはす”や”アクエリアス”を片手に作業を進めていきます。
「終わったかな?」と思いきや、後からどんどん飲料が入った段ボールが運ばれてきて、「まだあるのかー!」となるのは、もはやACLの日常。“『いろはす』と『アクエリアス』のラベルはどちらが剥がしやすいのか論争”や”トップチームダイレクター・西澤淳二さんによる昔話”など、居酒屋で話すかのようにゆったりといろいろな話ができるのは、決戦を前に、緊張感がある時間を過ごすなかで一息つける瞬間でした。気付けば1000本近くのラベルを剥がし終わり、この日の仕事はひと段落となりました。
緒方ホペイロの心遣いに感謝……
昨夜寝る前、大切なことを忘れていることに気付きました。翌日(今日)行われるマッチコーディネーションミーティングで必要なユニフォーム一式を準備していなかったのです。このユニフォーム一式は、両チームの配色を決めるために必要な非常に重要なものです。ちなみにマッチコーディネーションミーティングとは、両チームの代表者、マッチコミッショナー、審判アセッサー、大会関係者等が参加して実施されるレギュレーションや注意事項の共有の場です。すぐにユニフォームを管理しているホペイロの緒方くんにLINEを入れましたが、深夜であったために既読にならず。今朝は焦りを感じながら起床しました。
朝の支度を終えて、すぐに緒方くんの元へ行くと「ちゃんと準備していましたよ! いつユニフォームが必要と言ってくるかと待っていたのに、昨日は全然言わないから(笑)」と笑顔で待ってくれていました。しかもケースには僕の名前まで書いてくれて。この時ばかりは、彼が“神様”に見えました。チームマネージャーとしてユニフォームの準備を怠っていたことは恥ずかしいことなのですが、自分の業務ではないのに他者の業務にまで気を配ってくれている彼の存在の大きさに改めて気付かされたのでした。ちなみに、この件があってからずっと「何を食べようかな〜」と彼に言われ続けているので、大会が終わったら大好きな肉を奢ることになりそうです(笑)。
いよいよマッチコーディネーションミーティング!
無事にユニフォームをゲットし、今日の午前中は前述のとおり、マッチコーディネーションミーティングに参加してきました。日本開催ということで、2020年のACLでマリノススタッフの一員として一緒にカタールへ帯同してくれた方、普段Jリーグの日程調整をしてくれている方、J1の運営担当窓口の方など、普段お世話になっているJリーグ関係者の方々が多くいらっしゃって、国際大会のACLなのに不思議な感覚でした。
ミーティングは順調に進んでいき、想定よりも30分ほど早く終了しました。普段はこの場で初めて聞かされる事項も多く、その度に意見交換をすることでミーティングが延長することも多いのですが、大会運営を担うJFA・Jリーグの方々の事前共有等のおかげで円滑な進行のミーティングとなりました。また、ユニフォームの配色も決まり、我々は明日の試合を白・紺・白の2ndユニで戦う予定となりました。
いざクラブ史上初のACLベスト8進出へ
美味しいホテルの昼食を終えてこの記事を執筆しておりますが、いよいよ明日がACLラウンド16の試合となります。対戦相手のヴィッセル神戸は、2020のカタールでもともにACLに出場したクラブ、かつF・マリノスから移籍した選手も在籍しているので「ACLのこのタイミングで神戸と当たっちゃうのか……」と複雑な思いもあるというのが正直なところです。ただ、ACLの日本セントラル開催という初めての状況で日本チームである神戸と対戦することも、何かの運命を感じています。
本日の前日会見でキャプテンの喜田拓也選手が話していたように、クラブ史上初めての景色を見ることができるよう、チーム一同、明日の試合に向けて準備していきます。
今回の記事は以上となります。明日の試合は平日の20時キックオフと夜遅い時間の開催となりますが、ぜひ、多くの方々に普段のJリーグとは違った国際大会ならではの雰囲気を楽しんでいただけたらと思います。次回も記事を執筆予定ですので、ぜひご覧ください!(横浜F・マリノス マーケティング・FRM担当・矢野隼平 / Shumpei Yano)
