かつて日本全国に存在していた総合スーパー「ジャスコ」。 2011年3月に同じく各地にあったスーパー「サティ」と統合し、「イオン」へ転換された。

もう11年も前の話だが、「ジャスコ」のことを覚えている人は多く、全国各地に残るその痕跡は、ネットユーザーの注目を浴びることも少なくない。 Jタウンネットではこれまでも、そんな光景を取り上げてきた(「お前らまだ成仏してなかったのか... 三重のイオンに残るサティとジャスコの亡霊が話題に」「これがジャスコの怨念か... とあるイオンで発見された「呪いのメッセージ」がこちら」)。

今回ご紹介するのも「ジャスコの痕跡」。しかし、これまでのものとは一味違う。亡霊や怨念ではなく、はっきりとした形でジャスコが残っているからだ。

こちらは写真家のtoshibo(@JIYUKENKYU_jp)さんが、2022年5月13日に投稿した1枚。

いかがだろうか。シャッターだけではあるが、イオンのマークに隠されることなく、完璧にジャスコとしての形を残している。完全なる「生き残り」なのだ。

買い物カートまであるし、イオンに統合される前の写真では? そう思う人もいるだろう。念のためJタウンネット記者がtoshiboさんに確認したところ、撮影したのは2022年5月4日。まぎれもなく、「現存」するジャスコだった。

なぜ今も残っているの?

今もなおその姿を残すジャスコのシャッターに、にツイッター上では

「これこそがエモいというやつ!!」
「これは廃ジャスコ...ゲームの画面に見えて来た」
「ジャスコは中高年の心の中で生き続けています...」

といった声が寄せられている。

toshiboさんによると、写真を撮影したのは兵庫県姫路市南部にある飾磨(しかま)という地域。この情報を元に調べると、写真に映っていたジャスコは2006年2月に閉店した「ジャスコ飾磨店」だとわかった。

そこで5月18日、Jタウンネット記者は旧ジャスコ飾磨店の前に広がる商店街で営業を続けているヒロセ体育堂の店主に、シャッターが今もなお残り続けている理由を聞いてみると、

「建物はもうなくなっていますが、アーケードは商店街とジャスコの共用のものです。外壁まで壊してしまうと、アーケードも壊さなければならないので残っているんです。
それに商店街は、それぞれのお店が店舗を賃貸ではなくて、買い取り物件で持っています。それもあって、壊すのが難しかった」

と答えてくれた。

ジャスコと商店街が接続する立地だったからこそ、「令和に残るジャスコ」が実現した。これからも商店街とともに飾磨に残り続けていくことだろう。