バルサと袂を分かつ決断をしたメッシ。どこへ向かうのか。 (C)Getty Images

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 リオネル・メッシがバルセロナに対し退団の希望を伝えた。しかもブロファックス(スペインで書類を発送するために使用されるファックスサービス。文書や通知を証明する際に有効なツール)を送るという冷淡なやり方でだ。

 メッシの契約に毎シーズン終了後に一方的に契約を解除できる条項が盛り込まれているのは既報のとおり。ただその期限である6月10日が過ぎたため、自動的にもう1年延長していると考えられた。しかしメッシ側は新型コロナウイルの影響で日程が変則的になりシーズンの閉幕が遅れたため、その期限も引き延ばすべきだと主張しているのだ。

 メッシは先週、ロナルド・クーマンと個人面談を行った。新指揮官は去就で揺れるエースに対し説得を試みたが、しかしエースが感じ取ったのは、新たな体制の発足に伴う自らを取り巻く環境の変化だった。さらにルイス・スアレスへの構想外通告も後日明らかになり、不信感は増していった。
 
 もっともこれはきっかけに過ぎず、メッシの不満の根底は、口だけで行動が伴わないジョゼップ・マリア・バルトメウ率いるフロントにある。極度の負けず嫌いの彼はチームがチャンピオンズ・リーグでバイエルン・ミュンヘン相手に屈辱的な大敗を喫した後、沈黙を守り続けている。これは今回の退団通告へのポーズだったと言える。

 バルトメウ政権は今シーズンいっぱいで任期を終える。窮地に陥った際に彼らは、メッシを盾に批判の矛先をかわす算段だったが、その実、やろうとしていたことはクーマンという新たな弾丸を味方にして主役の座を選手たちから取り戻し、チームマネジメントの主導権を握ることだった。

 バルサでは過去にも自分たちの立場をわきまえず、選手を差し置いて主役を張ろうとする幹部はいたが、その多くはいい結果を生まなかった。歴史は繰り返されている。

 ただその一方で、現政権の不安定さがロッカールームの増長を招いたのも事実だ。メッシをはじめとしたベテラン勢は影響力を行使し、それが原因で近年、新戦力は軒並み適応に苦戦し、新監督はマネジメントに苦労した。

 メッシもメッシでチームが弱体化する中で様々な役割をこなすことを余儀なくされ、心身ともにすり減らしていった。そしてそれが限界に達したのがバイエルン戦での敗戦だった。

【動画】退団の要因に…大敗したバイエルン戦のハーフタイムにメッシが茫然自失とする衝撃シーンはこちら
 もちろんここまで輝かしい功績を残したメッシだ。ファンの間にもピリオドを打つタイミングは彼自身が決めるべきと考える者は少なくない。

 実際、アンドレス・イニエスタ、ダニエウ・アウベス、ハビエル・マスチェラーノ、ネイマール、シャビといったかつての戦友たちも自らの意思でクラブを去っていた。ただそれでもこのような一方的に通告することの説明にはならない。

 チームは今週日曜日に新シーズンに向けて始動するが、メッシに練習場に駆けつける考えはない。今後の焦点はバルトメウがどうリアクションをするかだ。このままではメッシを追い出した会長としてのそしりを受けるのは免れないだろう。3月15日以降に実施される予定の会長選挙の前倒しを迫られる可能性も十分にある。

 メッシは明確に意思を示したのだ。現政権のバルサではもうニ度とプレーしたくないということを。

文●ラモン・ベサ&ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

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