ビッグローブがいま目指している安全の提供とは? IoTデバイスからサービスまで展開するBIGLOBE biz.

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BIGLOBE(ビッグローブ)は、かつてはインターネットサービスプロバイダーと認識されていたが、最近では格安SIMやスマートフォンなどのMVNO(仮想移動体通信事業者)としての「BIGLOBEモバイル」として周知されている。

ビッグローブは、2014年にNECグループから離脱、2017年にKDDIの完全子会社となった。

現在のビッグローブがどのような未来を目指し、どのような事業を展開してくのか?

法人向けサービス「BIGLOBE biz.(ビズドット)」の今を通して迫ってみたい。


■NECからKDDIの子会社へ、アドオンでビジネスを広げるビッグローブ

ビッグローブ株式会社 法人事業本部 営業部 Webマーケティンググループ主任 柴野澄子氏。


今回取材させていただいたのは、
ビッグローブ株式会社 法人事業本部 営業部 Webマーケティンググループ主任 柴野澄子氏。
日本電気株式会社(NEC)入社後、パーソナルコンピュータ販売推進本部でノートパソコン「Lavie」のカタログや販促ツールの制作を担当。
ビッグローブでは、法人向けサービスの広報として、BIGLOBEモバイルやIoTソリューション、クラウドサービスの販促業務を担当。


ビッグローブ株式会社 法人事業本部 第2企画部 ソリューションサービスグループ 主任 森崎泰弘氏。


ビッグローブ株式会社 法人事業本部 第2企画部 ソリューションサービスグループ 主任 森崎泰弘氏。
ベンチャー企業でのコンテンツ企画や新規事業ビジネスを立ち上げた後、デザイン会社Webプロデューサーを経て、2008年よりビッグローブの法人企業モバイルサイト構築・運営業務に従事。
2018年よりAndroid搭載の名刺サイズ IoTデバイス「BL-02」サービス立ち上げチームに参画。現在では「BL-02」を利用したIoTシステム構築のプロジェクトマネージメントを担当。

ビッグローブは法人向けサービスとして、インターネット回線をはじめとする接続サービスや格安SIM、クラウドサービス、CMSなど、ビジネスに必要なサービスを提供している。

シニア世代ならビッグローブと聞くと、インターネット接続サービスや、ポータルサイトを提供している企業のイメージが強い。

柴野澄子氏
「私も森崎もNEC時代には、クラウドサービスを担当していました。当時、担当していたサービスは『BIGLOBEクラウドホスティング』というサービス名で、今でも多くの方にご利用いただいております。
当時はIaaS(クラウドサーバ)がだんだん全盛期になってきて『国産クラウドサービスも提供してほしい』というお客様の声があり、BIGLOBEとしてIaaS型のクラウドサービスをリリースさせていただきました。」

現在では当たり前のクラウドサービスも、10年前はまだ国産のサービスがない時代だった。

柴野澄子氏
「現在、BIGLOBEクラウドホスティングは、オービックビジネスコンサルタント社の業務パッケージ『奉行』シリーズと組み合わせて使われることが多くなっています。中小企業向けの基幹業務パッケージのインフラとしてご利用いただいているサービスになります。

IaaSなので、さまざまな用途に使えます。しかし、用途を中小企業向けの基幹業務パッケージに絞り込んで、基幹業務パッケージ利用には必ず必要となるOfficeやSQLライセンスをクラウドサーバに組み込んで、ライセンスも含めてセットにして販売していることがお客様から好評をいただいております。」

森崎泰弘氏
「『今使っているサービスと一緒に、これを使ってみてはどうですか』というようなアドオンビジネスのご提案をさせていただいております。
ビッグローブの既存のお客様からすれば、ビッグローブはずっと使っているベンダでもあり、アドオンするのであれば、新規で契約を交わすというような取引の煩雑さがありません。」

BIGLOBEクラウドホスティングには、いろいろな使い方があるわけだが、Webサイトの管理だけでなく、ビジネスに必要なライセンスやアプリまでセットにしたサービスで他社との差別化を図っているという。


■格安SIMからIoT事業 ビッグローブは安心安全を提供する

柴野澄子氏(左)と森崎泰弘氏(右)


ビッグローブは現在、格安SIM「BIGLOBEモバイル」を展開している。
BIGLOBEモバイルの強みは、
・ドコモのエリアで使えるタイプD(ドコモ回線)
・au 4G LTEエリアで使えるタイプA(au回線)
2種類の回線を選べることだ。

森崎泰弘氏
「au回線だけでなくドコモ回線もサービスとして提供するというのは、お客様のご要望に合わせてサービスをラインアップしたいというビッグローブの思いの現れです。ひとつの回線だけでなく、2社の回線から選択したいとか。あるいは両方買って、何かあったときに2回線目を予備としてご利用いただくことを、お客様の要望に合わせてご提案させていただいております。

『常にお客様のニーズがあるところにサービスを提供していきたい』
『ニーズがなければ、お客様が購入したいと思うくらい改善していかなければならない』
と、お客様からみた視点を常に意識しています」

ビッグローブは最近、格安SIMと一緒にIoT機器の販売に乗り出した。代表的なIoT機器としては、Android6.0を搭載した業務用IoTデバイス「BL-02」があげられる。


Android6.0を搭載した業務用IoTデバイス「BL-02」


BL-02はLTEで単独通信ができ、無線LANやBluetooth通信、GPS、加速度センサーなどの10軸センサーを内蔵する。専用アプリを開発することによって、BLEビーコンやIoTなどのゲートウェイ、歩行者自律航行法、屋外測位などの位置測位をはじめ、様々な分野や用途で業務専用機として利用することができる。

様々な分野に応用できるBL-02だが、注目したいのは、ハードウェアやソフトウェアを自社で開発管理している点だ。

森崎泰弘氏
「ビッグローブはNECのインターネット接続部門が独立して生まれたという背景を持った会社です。そのため以前までは、ガラケーやスマホのデバイス設計していたエンジニアや、パソコン販売サポートの経験のある社員が社内には在籍しています。
通常のIT企業に比べると、かなりハードウェア・製造業に寄った経験を積んでいる人が多く働いているという特徴をもっていると思います。

今、このIoT時代にインターネットやソフトウェアだけでなく、ハードウェア機器も融合させてお客様に適材適所にご提案しなければいけない事が多くなっていることを考えた時に、我々の製造業から生まれた会社背景や社員の経験がすごく活きてくるんじゃないかと考えています。」

BL-02はビッグローブ販売のハードウェアだからこその特徴がある。
ソースコードを自社管理しているため、一般的なスマートフォンとは異なり、本体の電源オン/オフも遠隔から操作ができる。
つまり何か不具合が起こった場合、現地に出向くかなくても、遠隔制御ができるという特徴をもっている。
また下記のような細かい要望にも対応可能だ。
・セキュリティー上、電源を立ち上げたらアプリケーションしか見えなくする
・管理者以外は、管理画面を操作できなくする

よく見ると、BL-02にはスマートフォンで搭載されているカメラがない。

柴野澄子氏
「『カメラがない方がいい』というお客様にご購入いただいています。
製造業で秘密保持のために、工場内へのスマートフォンの持ち込みができない企業は意外と多いのです。
社員がスマホを持ち込むときにはカメラにシールをはったりする現場もあります。

(BL-02は)カメラがないのが良いという理由で、大手製造業メーカーさんの工場でも使い初めていただいています。」


実は BL-02の搭載OSは、Android 6.0固定だ。


BL-02搭載OSは、コストと安定からAndroid 6.0で固定


森崎泰弘氏
「IoT開発運用のあるある話ですが、AndroidやiOSは毎年、新しいメジャーバージョンアップがあり、時には画面の縦横比率が変わることもあります。
『IoTを始めて構築費用はだいたい想定通りだったが、あまりにも新しい端末が毎年出るもので、運用費用が異常に掛かる』
こうおっしゃるお客様が非常に多かったのです。」

企業がスマートフォンなどの端末導入となると、数百台にもなることがよくある。
導入端末のOSバージョンが増えることは、提供するアプリなどの対応やサポートのための開発・運用コストも高くなる。


森崎泰弘氏
「お客様のIoT運用コストを抑えるためのOSのバージョン固定は一例として、お客様が安心できて、安全に使えるサービスを提供するというコンセプトは、ビッグローブのどんなサービスであっても、かなり意識しています。
常に最新の技術を追いかけてはいますが、
『ビッグローブだったら大丈夫だよね』
という安心感を持って採用いただくこと。これがビッグローブとしての大きな誇りで、これからもお客様に選んでいただけるために譲ってはいけない大切な事だと考えています。
少しでもお客様の声に応えられるようにで、サポートであったり品質保持であったり、昨日よりも今日。日々、改善していきたいと思います。」

法人向け格安SIM「BIGLOBEモバイル」では、1カ月間の無料貸出サービスが用意されている。お客様の環境にて、電波が繋がるかどうかを実際に試してもらい、確認した上で安心して導入してもらうサービスだ。

BIGLOBEモバイルは、
「どこよりも安い」を売りとするのではなく、「どこよりもお客様が安心できて、安全に使える」
ことを顧客にアピールしていきたいという。


■タッチカードで新たなビジネスに

スマホにタッチするだけで選手やチームの特別なコンテンツが見られる『スマホ連動のタッチ式販促ツール』


ビッグローブでは「BIGLOBE TOUCHCARD(ビッグローブタッチカード)」という新たなビジネスを開始した。

柴野澄子氏
「BIGLOBE TOUCHCARDは、『スマホ連動のタッチ式販促ツール』です。
カードを持っている人がスマートフォンの特設サイトにタッチすると、動画や音声、クーポンなどの限定コンテンツにアクセスできるというものです。
QRコードだと、やろうと思えばQRコードをコピーしてどんどん広がってしまいます。
このカードは特殊印刷、静電気を利用していますので。このカードを持っていないと、限定コンテンツにアクセスができないという特徴を持っています。
今回、千葉ロッテマリーンズにスタジアム集客ツールとして、採用いただきました。」

森崎泰弘氏
「BIGLOBE TOUCHCARDは、カードに関して特許をとっている企業と、ビッグローブのコラボサービスになります。そのため、他社にはないビッグローブ独自のサービスになります。カードを持っている人だけが、コピーではアクセスができない特別なコンテンツにアクセスできることで、よりレア度の高いコンテンツを求めているファンを獲得するための手段として効果的なサービスだと考えています。」

e-sportsも含め、スポーツビジネスへの関心が高まる中で、インターネットに強いビッグローブとして、BIGLOBE TOUCHCARDのサービスを展開する構えだ。
現在、従来の選手カードに代表されるノベルティカードとデジタルコンテンツを簡単に繋ぐツールとして期待されており、Jリーグやプロ野球球団での採用が決まっている。

「どこよりも安心安全」を目指す会社は、その思想を保ちつつ、これからも新たなビジネスへと挑戦していく。

法人向けサービス「BIGLOBE biz. (ビズドット)」


執筆:ITライフハック 関口哲司
撮影:2106bpm、関口哲司