バッジをつけた店員についてツイッターで報告が相次いでいる(写真はイメージ)

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スターバックスコーヒーの店舗で、「耳が不自由です」と書かれたバッジをつけた店員から接客を受けた、という報告がツイッター上であがった。

その店員は聴覚障害を持っているようだが、ツイートを見るとサービスを受けて「まったく違和感がなかった」と書かれていた。他のユーザーも同様の経験談を発信している。

バッジ着用を義務付けてはいない

ツイッターで注目されたのは2016年11月28日の投稿だ。「店員さんの胸に『耳が不自由です』のバッジ」がついていたが、「最初は気づかず普通に『ドリップをショートで』って頼んだ」という。投稿者はその注文が伝わっていなかったのに感づいてバッジの存在に気付き、改めて「サイズとかブレンドの種類とかマグか否かとか指差しで注文」した。その結果、「客のこちらには何の不都合もなかった」「まったく1mmも違和感のないまま全てのオペレーションが進んでて、すごく嬉しかった」という。

1万回以上リツイートされて注目を集めたが、これ以前もツイッターでは同様の投稿がいくつもあった。

「スタバで耳の不自由の人が一生懸命働いてた。すごいよね!なんか勇気もらえる。頑張ろうって思える」
「耳の不自由な店員さんが、優しく接してくれ。手話で『ありがとう』って何回もやってくれたし、ドラえもんと木も描いてくれた。すごい嬉しいし、心暖まるね」
「スタバに行ったら耳がちょっと不自由なお兄さんが対応してくれたよ。一生懸命な感じも可愛かった。とても癒されました」

J-CASTヘルスケアがスターバックスコーヒージャパンに取材したところ、広報担当者は「『耳が不自由です』と表記したバッジをつける店員がいるのは事実です。バッジは会社として用意しています」とした上で、こう説明した。

「耳が聞こえない店員に対し、バッジを着用するよう義務付けてはおりません。お客様に快適なサービスを提供したり、スムーズにコミュニケーションを取ったりするために必要だと本人が思えば、任意でつけてもらうようにしています」

特別な教育や研修メニューは用意していない

スターバックスコーヒージャパンでは、従業員が障害者だというだけで特別な対応はとらないとの方針だ。「大事なのはスタバ文化に同調してくれること。問題なく働けそうだと判断できれば店頭に立ってもらいます。業務内容のレベルを落とすことも基本的にはありません」と話す。

会社として、聴覚障害を持つ店員に特別な教育や研修メニューを用意してはいない。「店舗ごとに、その現場のベストな方法で接客に関する指導をしています」という。場合によっては、手話を覚えた別の店員がサポートして対応する。

ツイッターを見る限り、耳が不自由な店員の接客は概ね好評だが、接客中にトラブルが起きたことはないのだろうか。広報担当者によると「何かあればまず現場レベルで議論して解決するようにしています。必要があれば会社として対応しますが、これまでのところ耳が聞こえないからという理由で特に大きな問題は起こっておりません」。