思い続けていれば、きっと叶う――有村架純と考える「夢」の追いかけ方
撮影／倉橋マキ 取材・文／新田理恵 制作／iD inc.
カメラって重い！ 力仕事だと実感しました。
――もともと原作小説『夏美のホタル』のファンだとうかがいました。
原作を読んだときから、作品全体の雰囲気がすごく好きでした。主人公が日常の小さな幸せに気づけるようになっていく物語でもあり、そういったヒューマンドラマの部分が魅力だと思います。登場する人やモノをイメージしながら読むことができ、幸せな気持ちにしてもらえる作品です。
――夏美はカメラマンの卵という設定で、フィルムカメラを愛用しています。ここにフィルムカメラがあるのですが（取材当日カメラマンが持参）、すごく重いんですね！
重いですね。だからずっと首にぶらさげているのがけっこう大変で。でも、カメラマンさんはそういった重いものをずっと持って動いてらっしゃるので、力仕事でもあるんだなって実感しました。
――カメラを構えたり、バイクにまたがったりする有村さん、カッコよかったです！
ありがとうございます。夏美が男前な性格の人だったので、ちょっと足を開き気味にするとか、そういうところを意識していました。
――これまでにあまりなかったタイプの役ですよね？
そうですね。でも、自分ではそういう役柄になってることに、（完成した映画を）観て気づきました。
――そうなんですか!?
廣木（隆一）監督に「何も考えないで現場に来て」と言われたので、「この子はこういうタイプだから」と考えないようにしていました。何も考えないで現場に行くって、すごく勇気のいることなんです、私からすると。ですから、その言葉を信じて現場に入って、現場の空気に作り上げてもらったキャラクターだったと思います。
――昨年大ヒットした『ビルギャル』などメジャーな映画にも出演を重ねられて、今年は月9のヒロインも経験された。そのあとで今回の映画の有村さんを観ると、ありのままの姿が映っているような感じがしました。この映画にはどういう気持ちで向き合ったのでしょう？
作品の大きさによって、向き合うスタンスが変わることはないです。この映画を撮影していたときは、配給会社も決まっていなかったですし、無事に公開されるのかな…？ とは思っていましたけど（笑）、そういった状況でも取り組み方は変わりません。
子どもたちとスイカ割り。楽しかった夏の思い出。
――千葉県大多喜町で約2週間ロケされたそうですが、お芝居する上で場所に助けられる部分もありすか？
あります。やっぱり地方に行きっぱなしというのは、すっごく大きいです。毎日家に帰ると、自分の生活があるので気持ちが切り替わってしまうのですが、ホテルだとその空間のままいられる。地方で撮るなら、私はできれば行きっぱなしがいいです。
――真夏のロケということで、かなり暑かったのでは…？
暑かったです…。バイクに乗るから長袖長ズボンじゃないといけなくて、ライダースを着ている日はもう、サウナみたいで地獄でした（笑）。
――ロケ中の楽しかった思い出を教えてください。
撮影が終わったあと、廣木監督がよく「飲みに行こうよ」「ご飯行く？」と声をかけてくださったので、みんなで飲みに行ったり。あとは、子役の子どもたちもいたので、「夏の思い出が欲しい！」とマネージャーさんにお願いして、スイカを持ってきてもらい、みんなでスイカ割りをしたりしました。
――有村さんのリクエストで？
はい、「この夏は絶対スイカ割りするんだ！」と決めていたんです。だからもう現場でやるしかない！ と思って。結局割ったのは子どもたちで、私が子どもたちに遊んでもらっていたっていうだけなんですが（笑）、みんなでスイカを食べたのが楽しかったです。
