家族家族全員を被保険者にした「自転車保険」に加入した場合の年間保険料は、大手損害保険会社A社で1万5000円。一方、既存の大手損害保険会社B社の自動車保険に特約として「個人賠償責任保険」を加えると、年間保険料は1550円で済む。

写真拡大

今年6月に道路交通法が改正され、自転車のルール違反に対する取り締まりが厳しくなりました。背景には、信号無視やスマホを操作しながらの運転など、無謀な運転による事故増加があります。近年では、自転車事故の賠償金も高額化しており、数年前には少年が乗ったマウンテンバイクが正面衝突した当時62歳の女性が植物状態になった事故に対して、少年の親に9500万円という高額賠償が命じられて話題になりました。

子供が起こした事故でも、「子供だから、自転車だから」といって免責されずに親が訴えられるケースが多いので、「自転車は凶器である」という認識を持って、保険に加入することをおすすめしたいと思います。

そこでまず思い浮かぶのは、「自転車保険」です。たとえば、ある大手損害保険会社の自転車保険の保険料は、年間約1万5000円ですが、実は必ずしもこれに加入する必要はありません。私がおすすめしたいのは、すでに加入している自動車保険や火災保険に「個人賠償責任保険」を特約で付け加える方法です。これなら、月額100〜200円程度の保険料アップで、単体の自転車保険と同レベルの高額の賠償金支払いに備えることができます。少し説明してみましょう。

まず、一般的な自転車保険の仕組みを見てみると、「傷害保険」と「個人賠償責任保険」の組み合わせであることがわかります。傷害保険は自分が死亡したりけがをした場合に保険金が支払われるもので、あくまでも自分のためのもの。健康保険や生命保険に入っていれば、特別必要ありません。

一方の個人賠償責任保険は、別名、「日常生活賠償」と呼ばれ、日々の暮らしの中で発生した賠償責任をカバーしてくれるものです。自転車事故だけでなく、たとえば、飼い犬が人をかんでしまったり、子供がお店の商品を破損した場合などに保険金が支払われます。実際、私の知り合いに、子供が蹴ったボールが高級車に当たって高額の賠償金を請求された人がいましたが、この保険に入っていたために助かったケースがありました。

このように、個人賠償責任保険は非常に役に立つ保険なのですが、一般的に保険料が安いため単体では加入できません。何かの保険に特約としてセットして加入します。この特徴を逆手にとって考えれば、わざわざ自転車保険に入る必要がないことがわかります。

特におすすめしたいのが自動車保険に「示談交渉付きの個人賠償責任保険」をセットする方法です。そうすれば、示談交渉も保険会社がやってくれますから、事故の相手と直接お金の交渉をする必要がありません。自動車に乗らないなら、コープ共済がいいでしょう。共済に月額わずか170円をプラスするだけで、1億円の個人賠償責任保険をセットできます。

(ファイナンシャルプランナー 藤川 太 構成=山田清機)