【戸塚啓コラム】いざオーストラリア戦、機先を制する戦いを
想定外の苦境に直面したときこそ、チームとしての芯の強さが問われる。5月30日にブルガリアに敗れた日本は、まさにそういった状況にある。
ブルガリアは弱者ではない。FIFAランキングでは日本が上回るが、ワールドカップ予選ではイタリア、チェコ、デンマークと同居したグループで2位につけている。3か国より消化試合数が多いものの、ブラジル行きも射程圏内だ。
タレントの質も高い。ブレ球のFKで先制点をあげたマノレフは、PSVでの活躍を経て今冬にフルハムへ移籍したディフェンダーである。キャプテンマークを巻いたポポフは、ロシアリーグでヨーロッパリーグ出場権を獲得したクバン・クラスノダルの得点源だ。チームを統べるのは、94年のW杯4強メンバーのペネフである。
彼らの実力を考えれば、「想定外の敗戦」とは言いにくい。首都ソフィアのナショナルスタジアムで対戦すれば、もっと押し込まれたに違いない。
ただ、今回は日本のホームゲームである。前半は3−4−3で臨み、メンバー的にもテストの色合いが濃かったとはいえ、ホームで無得点の敗戦に終わった事実に言い訳の余地はない。
ヨルダン戦に続いて、リスタートから2失点を喫した。開始早々の失点はキッカーを褒めるべきで、降雨のコンディションも川島を悩ませた。70分の失点は、FKがオウンゴールを誘った。守備組織を崩されたものではないが、ザックが求めるインテンシティ──集中力と警戒心に物足りなさを残した。
引き分けか1点差で決着がついている過去数試合を思い起こせば、オーストラリア戦はロースコアのクロスゲームとなるだろう。撃ち合いにはならない。
FKやCKのリスタートは重要なポイントで、オーストラリアは高さを強みとする。ブルガリア戦の失点が、不安材料として浮上しているのもそのためだ。
ゴール前の空中戦で劣勢を強いられるのは、ある程度覚悟しなければならない。大切なのはきっちりと身体を寄せることであり、ロングボールを入れさせないことである。
ボールの出どころにプレッシャーをかける。
競り合ったあとのセカンドボールを支配する。そうした基本的な対応を徹底することで、日本らしいパスワークを発揮する素地──選手同士が連動できる距離感を作り上げていくのだ。
攻めのリスタートにも着目したい。
昨年6月の対戦では、ショートコーナーが効果的だった。65分の栗原の得点はもちろん、前半に岡崎が見舞った決定的なヘッドもショートコーナーからだった。高さを補うためにも、リスタートのバリエーションを求めたい。
昨年6月のアウェイゲームでは、開始直後からロングボールを放り込まれ、いきなり主導権を持っていかれた。川島の冷静な対応がなければ、早い時間帯にスコアを動かされてもおかしくなかった。
先制点を許すようなことがあれば、オーストラリアは自信を深める。09年2月の横浜で0対0と引き分けた記憶が、「日本を無失点に抑えられる」という裏付けとして価値を持ってくる。
ここまで消化した最終予選の5試合で、オーストラリアは前半に1点もあげていない。全6得点が後半で、そのうち5点は70分以降である。序盤に攻勢を仕掛けてくるゲームもあるが、実際には“後半追い込み型”となっている。
ここまで3位と出遅れているものの、オーストラリアは最終予選の対戦相手でもっとも力がある。ピークを過ぎたと思えるベテランが少なくないが、逆説すれば経験は豊富だ。様々な駆け引きをしてくる。
それだけに、オーストラリアを慌てさせるような展開へ持ち込むことが、ホームで歓喜をつかむ前提条件になる。レフェリーをいかに味方につけるのかにも、注意をはらいたい。オーストラリアの機先を制するようなゲームの入り方を、個人的には見てみたいものである。
ブルガリアは弱者ではない。FIFAランキングでは日本が上回るが、ワールドカップ予選ではイタリア、チェコ、デンマークと同居したグループで2位につけている。3か国より消化試合数が多いものの、ブラジル行きも射程圏内だ。
タレントの質も高い。ブレ球のFKで先制点をあげたマノレフは、PSVでの活躍を経て今冬にフルハムへ移籍したディフェンダーである。キャプテンマークを巻いたポポフは、ロシアリーグでヨーロッパリーグ出場権を獲得したクバン・クラスノダルの得点源だ。チームを統べるのは、94年のW杯4強メンバーのペネフである。
ただ、今回は日本のホームゲームである。前半は3−4−3で臨み、メンバー的にもテストの色合いが濃かったとはいえ、ホームで無得点の敗戦に終わった事実に言い訳の余地はない。
ヨルダン戦に続いて、リスタートから2失点を喫した。開始早々の失点はキッカーを褒めるべきで、降雨のコンディションも川島を悩ませた。70分の失点は、FKがオウンゴールを誘った。守備組織を崩されたものではないが、ザックが求めるインテンシティ──集中力と警戒心に物足りなさを残した。
引き分けか1点差で決着がついている過去数試合を思い起こせば、オーストラリア戦はロースコアのクロスゲームとなるだろう。撃ち合いにはならない。
FKやCKのリスタートは重要なポイントで、オーストラリアは高さを強みとする。ブルガリア戦の失点が、不安材料として浮上しているのもそのためだ。
ゴール前の空中戦で劣勢を強いられるのは、ある程度覚悟しなければならない。大切なのはきっちりと身体を寄せることであり、ロングボールを入れさせないことである。
ボールの出どころにプレッシャーをかける。
競り合ったあとのセカンドボールを支配する。そうした基本的な対応を徹底することで、日本らしいパスワークを発揮する素地──選手同士が連動できる距離感を作り上げていくのだ。
攻めのリスタートにも着目したい。
昨年6月の対戦では、ショートコーナーが効果的だった。65分の栗原の得点はもちろん、前半に岡崎が見舞った決定的なヘッドもショートコーナーからだった。高さを補うためにも、リスタートのバリエーションを求めたい。
昨年6月のアウェイゲームでは、開始直後からロングボールを放り込まれ、いきなり主導権を持っていかれた。川島の冷静な対応がなければ、早い時間帯にスコアを動かされてもおかしくなかった。
先制点を許すようなことがあれば、オーストラリアは自信を深める。09年2月の横浜で0対0と引き分けた記憶が、「日本を無失点に抑えられる」という裏付けとして価値を持ってくる。
ここまで消化した最終予選の5試合で、オーストラリアは前半に1点もあげていない。全6得点が後半で、そのうち5点は70分以降である。序盤に攻勢を仕掛けてくるゲームもあるが、実際には“後半追い込み型”となっている。
ここまで3位と出遅れているものの、オーストラリアは最終予選の対戦相手でもっとも力がある。ピークを過ぎたと思えるベテランが少なくないが、逆説すれば経験は豊富だ。様々な駆け引きをしてくる。
それだけに、オーストラリアを慌てさせるような展開へ持ち込むことが、ホームで歓喜をつかむ前提条件になる。レフェリーをいかに味方につけるのかにも、注意をはらいたい。オーストラリアの機先を制するようなゲームの入り方を、個人的には見てみたいものである。
関連情報(BiZ PAGE+)

1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している