住宅リフォームの優良なリフォーム会社と消費者に紹介するマッチングサイトの利用が増えている。一時期は、「悪徳リフォーム業者」が社会問題となった反省を踏まえ、優れたサービスを実施しているマッチングサイトには国土交通省が「リフォーム事業者選択支援サイト」として“お墨付き”を与え、その利用普及を図っている。

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 住宅リフォームの優良なリフォーム会社と消費者に紹介するマッチングサイトの利用が増えている。一時期は、「悪徳リフォーム業者」が社会問題となった反省を踏まえ、優れたサービスを実施しているマッチングサイトには国土交通省が「リフォーム事業者選択支援サイト」として“お墨付き”を与え、その利用普及を図っている。国交省は2010年6月に閣議決定した新成長戦略「中古住宅・リフォーム市場の倍増」を推進しているが、マッチングサイトの利用促進は、リフォーム市場の環境整備の重要な取り組みの一つ。4つの認定サイトの1つである「リフォームコンタクト」を運営するLIXIL(リクシル)の担当者に、リフォーム市場の現状と課題について聞いた。

 国交省が2011年から優良マッチングサイトの認定を開始した背景は、住宅のメンテナンスが継続的に実行されていないという日本独自の問題がある。メンテナンスやリフォームが不十分な結果、外国の住宅の平均寿命が米国で約44年、英国が約75年に対し、日本の平均寿命は約26年(国交省の建設白書の試算)と短い。「リフォームが適切に行われていないのは、リフォームをどこに頼めばよいかわからないという状況が一般的だったためです。LIXIL(リクシル)のショールームでも、リフォーム会社様を紹介してほしいという声を聞くことが多かったので、優良なリフォーム会社様を紹介してほしいというニーズは潜在的に大きいと感じていました」(同社 リフォーム企画部 新規事業企画グループ グループリーダー 藤原正行氏)という状況だった。

 一般的な住宅においては、新築して10年程度でボイラー関係の入れ替え、次に外壁、屋根についての防水を含めた塗装のやり直し、20年で水まわり関係の設備の入れ替えが必要になる。「理想的には、かかりつけの医者のように、住居のホーム・ドクターが各家庭に存在し、何かあれば、そこに頼めばよいという環境がほしいところです。マッチングサイトの活用によって、優良なホーム・ドクターに出会えることを期待しています」(藤原氏)という。

 国交省が認定した4つのマッチングサイトは、全国規模で600〜700社のリフォーム会社を登録し、地域ごとにリフォーム内容に応じたリフォーム会社を紹介する仕組みで運営している。各サイトともに、リフォーム会社への問い合わせや概算見積もりは匿名・無料で行うことが可能になり、各リフォーム会社の評判は「クチコミ情報」として閲覧ができるようになっている。消費者としては、電話帳やWEB検索でリフォーム会社を探すよりも、リフォーム会社の業務内容や施工事例、さらに、評判までもが横並びで比較できるので利便性が高い。

 「リフォームコンタクト」は、「住宅設備機器・建材のメーカーが運営している唯一のサイトです。ご紹介する加盟店様(リフォーム会社)は弊社が設ける要件をクリアーしたリフォーム会社だけです。また、サイトの中で加盟店を募集することがなく、全国各地のリフォーム会社様と日常的に身近に接するなか、施工実績や仕事ぶりを見た上で推薦できるリフォーム会社様に対して加盟活動を実施しています。」(同社 リフォーム企画部 新規事業企画グループ 主査 石川貴浩氏)という特徴がある。加盟店のサービス品質が最も重要との考え方で、厳選したリフォーム会社のみを登録する仕組みをとっている。LIXIL(リクシル)は、トステム・INAX・新日軽・サンウエーブ工業・東洋エクステリアが統合して誕生した住宅関連設備機器・建材のメーカーであり、長年にわたって全国各地のリフォーム会社との取引を重ねている。

 さらに、マッチングサイトの利用で、より効果的なリフォームのプランが策定できるメリットがあるという。「リフォーム会社様には、和風の数寄屋造りが得意なところ、鉄筋コンクリート専門など、得意分野があります。また、ローコストキッチンが得意、手作りの作り付けが得意、構造に強い、デザインに強いなどの違いもあります。たとえば、壁の穴をふさぐという依頼についても、必要最低限に穴をふさぐところから、プラスαの提案をするところまで様々な提案が寄せられます。多くのお客さまが、リフォームは初めてなので、様々な提案を見比べることによって、リフォームのアイデアも膨らみ、結果的に、納得感の高い工事を実施することができます」(石川氏)という。

 国交省のサイト認定制度が動き始めて1年が経過し、サイトの利用が一般的になりつつある。「リフォームコンタクト」は月間訪問者数を23万人に乗せたが、「よりサイトのコンテンツ充実を図って、月間100万人が利用していただけるようなサイトにしていきたい」(石川氏)と、一層の内容充実を図る。「各地域における選択肢を広げる点からも、加盟店数を早期に1000社以上にし、次のステップとしては、リフォームコンタクトのパンフレットを置いていただいている全国約1700市町村に少なくとも1件の登録があるような、皆さまに身近なサイトにしていきたい」(藤原氏)という。

 また、「住宅設備機器・建材のメーカーならではの商品に対する思い入れがあります。たとえば、キッチンについては、長年にわたってキッチンを作ってきているサンウエーブのノウハウをWEB上で公開しているのですが、これがキッチン・リフォームのヒントになると好評です。商品へのこだわりなどを丁寧に説明することが、消費者の皆さまには、リフォームを考える時のヒントになるようです。このような当社にしかできないようなコンテンツを充実していきます」(石川氏)と、総合情報サイトとしての情報拡充に意欲的に取り組んでいくとしている。

写真左は石川氏、右は藤原氏。(編集担当:風間浩)