誰でもそうなのだが、ハ・ジウォンも決して短くはない無名時代を経験している。世間は彼女が2000年の映画「真実ゲーム」で、映画デビュー作であったにも関わらず主演に抜擢されたことだけを見て、彼女が一夜で一躍スターになったと勘違いをしているが、ハ・ジウォンは高校時代から女優を夢見ていて、17歳のときにドラマ「新世代報告書 大人には分かりません」に脇役として出演したことがある。

その翌年に豪華なキャストで話題となっていた歴史ドラマ「龍の涙」にも脇役として出演し、演技を学んだ。1999年には青少年向けのドラマ「学校2」に出演し、やっとその名を世間に知らしめることとなった。

それから1年後、ハ・ジウォンが映画の主役を手にしたのは決して偶然ではなかった。人より優れたボディーラインを手に入れるため、全身にラップを巻き山を走ったという話は有名だ。美貌も人気も演技力も、一夜で手に入るものではないということを彼女は誰よりもよく知っていた。

ハ・ジウォンと似たような道を歩んできた同い年の親友、そしてライバルでもある女優キム・ハヌルの存在も、彼女には刺激となっただろう。2000年の映画「リメンバー・ミー」で、キム・ハヌルは主演を、ハ・ジウォンは助演を務めた。

その後、2人は似ているような道を歩んではきたが、最初はキム・ハヌルのほうが前進している感じがあった。しかし今現在、ハ・ジウォンは誰も否定できないヒットメーカーとして、韓国映画界で“もっともキャスティングしたい女優”に浮上している。

これが彼女の筋肉と骨を生かしているのではないだろうか。止まれば負けてしまう、人が進まない道を好んで歩んでこそ長くトップでいられるという、平凡でありながらも維持することが簡単ではない現実を、彼女は誰よりも良く知っているのだろう。

アンジェリーナ・ジョリーは、昔からハリウッドでセクシーのシンボルであった。彼女はありきたりな映画でボディーラインを少しアピールするだけで十分スターでいられるような、現代のマリリン・モンローだ。それでも彼女は男性ですらこなせないアクションシーンを好んでこなし、身体を張って演じている。

それは、彼女の熱い情熱からでもあるが、演技や作品への愛情でもあり、現状に満足していては取り残されてしまうということを良く知っているからであろう。女優に残されている時間は、男性俳優よりも少ないものだから。