“充実しまくり”10年ぶりの出生数増↑ 果たした東京都の子育て&出産支援…地方に恩恵拡大するには?「東京に住む人だけの特権という考え方は違う」弁護士が語る“地域格差”の課題

厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2025年に国内で生まれた日本人は67万1236人で過去最少となった。その一方で、東京の2025年の出生数は8万5064人で、前年から857人増えて10年ぶりに増加に転じたという。
ニュース番組『わたしとニュース』では、東京都の出生数増加とその背景にある手厚い支援について、弁護士の三輪記子氏とともに考えた。
■東京都が10年ぶりに出生数増、その背景にある支援事業
10年ぶりに出生数が増加した東京都はこれまで、「018サポート」や「赤ちゃんファースト」、医療費や無痛分娩の費用の助成、保育料や公立小中学校の給食費の無償化など、出産や子育てへの様々な支援事業を進めてきた。
東京都の支援の一つである「赤ちゃんファースト」は、10万〜15万円相当の育児用品やサービスが支給される仕組みだ。自身も2022年に2人目を出産し、この支援を受けたという三輪氏は、当時の体験を次のように語る。
「『赤ちゃんファースト』はすごく助かったし、実際ほとんど全部使った。これはクーポンのようなものでポイントをもらって、そのポイントの範囲でカタログギフトのような感じで選べる」(三輪氏、以下同)
助かったと振り返る一方で、サービスの仕組みについての課題も指摘する。
「その時期に欲しいもの、例えばオムツであったり、自分のケア用品などが選べるものの、選択肢がかなり多いとはいえ、限られてはいる。また、お金を配らずにモノにすることで、そこに事業者として入り込みたい人も絶対に出てきてしまうし、サービスの受け手としても『本当はもうちょっと違うものが欲しい』と思う部分もある。いいのかな、って思いながら使わせてもらった」
■潤沢な財政が生む格差…「東京の人だけが支援を受けられる方針は反対」
「赤ちゃんファースト」の他にも、「018サポート」では所得制限なく0歳〜18歳までの子ども1人につき毎月5000円(年額6万円)が支給されるなど、東京都には様々な手厚い支援がある。
しかし、こうした施策に対しては「東京都は財政が潤沢だからできる」という声も聞かれる。三輪氏もその点に同意しつつ、強い懸念を示す。
「東京に住んでいる人が特権だと考えるのは違うと思っている。教育も医療も、どこにいても同じサービスが受けられて当然だと思う。東京は資金が潤沢だから、東京に住める人だけがそういったサービスを受けられるんだっていう考え方になっていくのは反対」
良いサービスであるからこそ、その恩恵が地方にも還元されるような仕組みを国全体で考えていかなければ、どうしても地域間の格差が生まれてしまう。こうした支援を全国に広げていくためにはどうすべきなのか。
「例えば、手厚い子育て支援で有名な兵庫県明石市のように、頑張っている地域もある。こうした支援を全国に広げるために、国の政治家や首長がもっとやっていってほしいと思う」
教育や医療など、どこにいても同じサービスを受けられるのが本来の姿だ。一部の自治体の先進的な取り組みが全国へ波及し、どこに住んでいても安心して子育てができる社会の実現が求められている。
(『わたしとニュース』より)
