トヨタの米国生産モデル「タンドラ」(右)と「ハイランダー」(左)の発売から1ヶ月…気になる「販売状況」「納期」「世間の声」とは?

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米国生産モデル「タンドラ」「ハイランダー」日本導入

 トヨタは2026年4月2日より、米国工場で生産しているピックアップトラック「タンドラ」とSUV「ハイランダー」を、日本国内でトヨタモビリティ東京を通じて正式に販売開始。これは、2026年2月に施行された「米国製乗用車の認定制度」が活用されています。

 この制度により、日本国内で追加試験を実施しなくても、米国の安全基準に適合した車両を日本で販売できるようになりました。

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 今回は、タンドラとハイランダーを展開するトヨタやトヨタモビリティ東京に取材し、販売動向などを解説していきます。

 トヨタ自動車 日本商品・需給部長の水藤崇司氏は、日本導入の背景について次のように説明します。

「もともとアメリカ側の対日貿易赤字という事情があり、トヨタとしてもアメリカで生産したクルマを日本へ導入する形で協力していく考えがありました」

 さらに水藤氏は、「以前から『日本でも販売してほしい』という声は一定数ありました。ただ、ビジネスとして考えると、需要や販売効率の面で簡単ではありませんでした」と振り返ります。

 そのうえで、「今回、新しい制度ができたことが大きな後押しになりました。結果として、お客様の多様なニーズに応えられるラインナップが広がったと思っています」とコメントしました。

タンドラは、アメリカ市場で高い人気を誇るフルサイズピックアップトラックです。今回導入されたのは上級仕様の「1794 Edition」です。

 名称の由来について水藤氏は、「タンドラを生産している工場の敷地は、もともと牧場だったそうです。その牧場が始まった年が1794年で、そこへの敬意を込めた名前だと聞いています」と説明しています。

 ボディサイズは全長5930mm×全幅2030mm×全高1980mm、ホイールベース3700mmという圧倒的な大きさを誇り、日本の道路でも強い存在感を放ちます。

 搭載されるのは、最高出力394PS、最大トルク649Nmを発生する3.4リッターV型6気筒ツインターボエンジン。10速ATとパートタイム4WDを組み合わせています。

 さらに、14インチディスプレイオーディオや本革シート、パノラマムーンルーフなどを標準装備するなど、快適装備を充実させた上級グレードらしいパッケージとなっています。

 一方のハイランダーは、3列シートを備えた大型SUVです。北米では2001年の登場以来、2025年までに累計約360万台以上を販売してきた人気モデルで、日本ではかつて販売されていた「クルーガー」の系譜にあたります。

 今回日本へ導入されたのは「Limited ZR Hybrid」。ボディサイズは全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mmで、3列7人乗りの広い室内空間を備えています。

 3列目シートを収納すれば約870リットルの荷室容量を確保でき、ファミリー用途からアウトドアまで幅広く対応します。

 パワートレインには2.5リッターのハイブリッドシステムを採用し、システム最高出力は184kW。駆動方式はE-Fourです。

 さらに、12.3インチディスプレイオーディオやJBLプレミアムサウンドシステム、パノラマルーフなど、装備面も充実しています。

 なお、価格(消費税込み)はタンドラが1200万円、ハイランダーが860万円となっています。

販売は好調な立ち上がり−世間の声や今後の展望とは

 販売状況についてトヨタモビリティ東京 リージョン統括部の新井氏は、「発売以降、多くのお問い合わせをいただいています。4月末時点で、タンドラが約20台、ハイランダーが約5台の受注となっており、立ち上がりとしては好調です」とコメントしています。

 納期については、「タンドラが4ヵ月から6ヵ月程度、ハイランダーが7ヵ月前後になる見込みです」と説明しました。

トヨタ「タンドラ」(左)と「ハイランダー」(右)

 現在はトヨタモビリティ東京のみで取り扱われていますが、2026年夏以降には全国展開に向けた準備も進められています。

 大型車両に対応できる整備設備を持つ店舗を中心に展開する方針で、今後は全国の販売店へ順次拡大していく見込みです。

 また、購入方法については、一括支払いのほかローンや残価設定型クレジットにも対応しているといい、全国から問い合わせが集まっているといいます。その背景には、既存の国産SUVやピックアップにはない独特の存在感があるようです。

 販売現場の声として、特にタンドラは、以前からアメリカ車文化や大型ピックアップに憧れを持っていた層から高い関心を集めているとのことで、新井氏によれば、「日本車の代替として比較検討されるというより、“このクルマだから欲しい”というお客様が多いです」とコメントしていました。

 一方でハイランダーは、日本のラインナップにちょうど存在しなかったサイズ感の3列SUVとして、国内で展開されているトヨタ「ハリアー」や「RAV4」からの乗り換え案として、ユーザーから関心を集めているようです。

 なお、両モデルとも海外仕様ベースとなるため、マルチメディア表示が英語表記である点や、一部ソフトウェア機能が国内仕様と異なる点には注意が必要です。

 ただ、その点も含めて“海外モデルらしさ”として受け止めるユーザーも少なくないといいます。

トヨタ「カムリ」(イベント:スーパー耐久シリーズ2025最終戦 富士スピードウェイ)

 さらにトヨタでは、北米生産車として「カムリ」の日本導入も予定しています。

 現時点で次なる輸入モデルは未定とされていますが、水藤氏は「まずは今回の2車種の販売状況を見ながら、今後を検討していきたい」と話しています。

 これまで日本では限られたユーザー向けの存在だった北米トヨタ車ですが、今回の制度変更によって状況は大きく変わり始めています。

 タンドラとハイランダーの導入は、単なる新型車追加にとどまらず、日本市場におけるトヨタの新たな挑戦としても注目を集めそうです。