異色の大作「kiDnap GAME」で「ドラマのフジ」復活の狼煙は上がるか? 目標は「イカゲーム」のような世界的ヒットも…すでに囁かれる不安要素
初の海外共同制作ドラマ
フジテレビが4月、都内で「FUJI FUTURE UPDATE 海外共同製作プロジェクト発表会&10月期連続ドラマ制作発表」を行い、新作ドラマ「kiDnap GAME(キッドナップ・ゲーム)」を制作していることを発表した。同ドラマはいずれも映像プロダクションである香港のMakerVille、韓国のSimStoryとの共同製作。同局の連続ドラマでは、初の海外との共同作品となる。
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東京、ソウル、台北、シンガポール、バンコク、那覇、マニラのアジア7都市で同時多発誘拐事件が発生し、被害者の親族が愛する人を救うため、犯人が課すサバイバルゲーム「kiDnap GAME」に挑む物語。

3年前から企画が始動し、昨年11月にクランクイン。この5月にクランクアップ予定だというが、現地プロダクションのスタッフが携わり、キャストも現地のスターを起用したという。地上波では全11話で10月期に放送し、18の国と地域で、放送・配信予定。
「早くもテレビCMを放送するなど、プロモーションにも力を入れています。kiDnapは日本語で『誘拐する』という意味なので、直訳すると『誘拐ゲーム』といったところでしょうか。CMでは、『HOW FAR ARE YOU WILLING TO GO TO SAVE HER(HIM)? ONLY ONE CAN BE SAVED.(彼女(彼)を救うために、あなたはどこまで行けるのか? 救えるのはただ1人だけ。)』というメッセージが送られ、ゲームに招待されること、被害者は男女どちらもいることが推察されます」(放送担当記者)
演出・プロデュースを担当する加藤裕将氏(51)は会見で、Netflixで配信され世界的にヒットした韓国ドラマ、「イカゲーム」のような作品を生み出したかったことを明かした。そのうえで、「規模の大きい話。クランクイン前に脚本を作り上げて、アジアのスターを集めて半年撮影している。スケール感も自信を持ってお送りする」とし、予算について聞かれると、「かなりあります。フジテレビだけでなく、海外のパートナーと協力してやっている」と、潤沢であることをうかがわせた。
世界に目を向けた戦略
「続々と優秀なクリエイターが退社しているフジですが、現在は、国内視聴率に主眼を置いた番組制作から、世界に通用するコンテンツを作ることを推し進めています。そんな戦略下で抜てきされたのが、米の名門・コロンビア大学卒業という、異色の経歴の加藤氏です。加藤氏は演出を手がけたドラマ『最高の離婚』(13年)で第50回ギャラクシー賞など複数のテレビ賞を受賞。ほかにも『西遊記』(06年)、『続・最後から二番目の恋』(14年)などを手がけ、最近はフジの動画配信サービス・FODのドラマを手がけていました。昨年は米のエンタメ企業・Skybound Entertainmentとタッグを組んだ、近未来を舞台にしたドラマ『Heart Attack』をプロデュース。旧体制下のフジなら、埋もれてしまっていたかもしれない優秀なクリエイターです」(フジテレビ関係者)
今年6月で清水賢治社長(65)の体制発足から2年が経つが、今年は特に、世界に目を向けている戦略が明確になっている。
CSチャンネル・フジテレビNEXTとFODでは、かつて地上波で視聴者を熱狂させた世界最高峰のモータースポーツレース・F1を全戦生中継。バラエティー番組「新しいカギ」は、昨年10月にフランス・カンヌで開催された国際コンテンツ見本市「MIPCOM」で、人気コーナー「学校かくれんぼ」の海外版フォーマットのオプション契約を締結し、ここに来て同番組のNetflixでの配信がスタートしている。
4月29日には、シンガポールの格闘技プロモーション「ONE Championship」の日本大会をディレイ放送。さらに、「kiDnap GAME」でタッグを組む「MakerVille」が、1996年の大ヒットドラマ「ロングバケーション」をリメイクし、各プラットフォームで放送・配信予定であることが発表された。
「フジの親会社『フジ・メディア・ホールディングス』の中核企業である『サンケイビル』の売却はほぼ確定と言われています。清水社長としては、その売却資金なども元手に、グローバルなコンテンツビジネスを展開し、自社の収益だけで安定した経営体制を確立することを目指しているのです」(先の記者)
気になるキャスティング
上層部の多大なる期待を込めて放送されることになるであろう「kiDnap GAME」だが、不安要素がないわけではない。
「加藤氏が目指す『イカゲーム』は、動いた参加者が射殺される『だるまさんが転んだ』、負けたチームが高所から落下する『綱引き』など、配信のNetflixだからこそOKな過酷なデスゲームが繰り返されます。『kiDnap GAME』で誘拐被害者の親族が挑むゲームは、やりすぎれば視聴者がドン引きするでしょうし、ゲームが似ていれば『イカゲーム』のパクリとの声があがるでしょう。潤沢な制作費を生かして、オリジナリティあるデスゲームを見せてくれれば話題になることは必至です」(先の関係者)
そして、気になるのがキャスト陣。韓国でも人気のある坂口健太郎(34)が主演を務めるというネットニュースが4月24日に流れたが……。
「たしかに坂口さんは主演クラスの俳優の1人ですが、フジのドラマの主演オファーを受けてくれる事務所や俳優が減っている中とはいえ、少し弱い気がします。おまけに坂口さんは昨年9月、年上の一般女性と同棲生活を送る傍ら、永野芽郁さん(26)とも親密な関係だったことを一部で報じられました。キャスティングやドラマの中身も含め、制作陣の理想と現実のギャップが生じるようなことがなければいいのですが」(先の記者)
フジの挑戦は吉と出るか?
デイリー新潮編集部
