【解説】日銀が金融政策決定会合“利上げ見送る方向”のワケ
日本銀行では27日から2日間、金融政策決定会合を開催します。今回の会合では、利上げは見送る方向です。
――今回の会合で利上げかという観測もありましたが、なぜ見送るんでしょうか?
中東情勢の悪化による原油価格の高騰などが日本経済にどう影響するのか、見極めに時間がかかっているのが大きな要因です。
ある日銀関係者は、中東情勢の混迷が長期化する可能性を念頭に「焦って利上げする状況ではない」と話しています。
――日銀は利上げを続けていく方針だったと思いますが、この方針自体には変化はないんでしょうか?
いまの物価の状況などを踏まえると、利上げを続けていく方針自体に変わりはありません。ただ、そのペースをめぐっては意見が分かれていて、慎重に行うべきとの声がある一方、利上げが遅れると円安が加速しかねないとの懸念も出ているんです。
1つの目安として、1ドル160円を大きく超えてくると、日銀も行き過ぎた円安の是正に迅速に動かざるを得なくなってきそうです。
――なぜ利上げが遅れると円安が加速する懸念が出てくるんでしょうか?
これには2つポイントがあります。
1つ目は、他国との金利差が依然として大きいことです。日銀が仮に1%まで金利を上げても、アメリカとは2%以上の差があります。一般に金利の高い通貨の方が買われるため、この金利差が続けば円安基調は変わりづらいということになります。
さらに2つ目は実際、金利がどこまで上げられるのかという点です。市場では、日銀が他国との金利差を埋めるほどの大幅な利上げはできないのではないかと受け止められていて、小幅の利上げをしただけでは円安基調を変えるまでに至らないとの見方が強いんです。
日銀の植田総裁は、現状を踏まえて「政策判断は非常に難しい」とこぼしていまして、まさにいま、難しい判断を迫られているといえます。