◆米大リーグ ブルージェイズ2ー8ツインズ(12日、カナダ・トロント=ロジャーズセンター)

 メジャー挑戦1年目のブルージェイズの岡本和真内野手(29)は12日(日本時間13日)の本拠ツインズ戦で4打数無安打に終わり、開幕から5カード15試合を終えた。14試合に出場し、打率2割4厘、2本塁打、3打点。24、25年に巨人野手担当だった宮内孝太記者が開幕直前から現地で取材し、岡本の約3週間を「見た」。

 想像以上に明暗のコントラストが激しい日々だった。3戦連続無安打に終わった試合後のクラブハウス。岡本は静かに言葉を絞り出していた。「日々、いいものを見つけられるように頑張りたい」。声のトーンとは裏腹に表情に焦燥感はない。むしろ未知の難問に挑むプレーヤーとしての鋭さが、目の奥底に宿っているようだった。

 デビューは鮮烈だった。開幕戦でマルチ安打、3戦目には初本塁打。守備でも好プレーを連発し、念願の舞台で輝きを放った。開幕直後の好発進の裏には当然、入念な準備がある。キャンプでは早朝からハンドリングに励み、深い守備位置や滑る球への対応などを徹底した。生活面でも先に渡米したロッキーズ・菅野らの助言を生かし、炊飯器も用意。「(食事は)気にならない」と環境の変化に適応したように映った。

 だが、最高峰の世界は一筋縄ではいかない。4月に入り、下降した。内角に食い込む150キロ超のシンカーに、外角へ逃げるスイーパーもある。弱点の研究も進む。昨季は2戦連続無安打が最長だった。トップレベルが集う場で、Hランプがともらない時間も過ごす。

 立ち止まってはいない。左足の上げ幅や、打席の立ち位置も巨人時代から微調整。アナリストの言葉にも熱心に耳を傾ける。その試行錯誤は、感覚をメジャーの軌道や配球に合致させるために不可避な“産みの苦しみ”なのかもしれない。シュナイダー監督も「今季の前半は調整の時期。根本的な問題はない」と揺るがぬ信頼を口にする。

 思い返せば巨人時代にこう語っていた。「野球は失敗のほうが多いんで、考えてばっか。『良かった』ってなるのは年に10回ない。そのくらい苦労しながら、でもそれが僕らの仕事なのでそれが普通」。新たな壁と戦う日々。それも岡本にとって進化するための“普通”のプロセスと言える。

 休養で出場がなかった11日。取材の輪がほどけた後、まるで自らに言い聞かせるようにぽつりと言った。「シーズンは長いからね」。新たな旅路はまだ序章。岡本は異国でも冷静に、そして熱く、次の一振りに思考を巡らせている。

 〇…岡本は12日(日本時間13日)、本拠でのツインズ戦に「5番・三塁」で2試合ぶりに先発出場し、4打数無安打1四球だった。初回2死三塁で四球を選び、出場試合では3戦ぶりに出塁。しかし、その後は3打席連続で得点圏に走者を置いて凡退した。9回1死一塁で迎えた5打席目は遊ゴロ併殺。メジャー初の3戦連続無安打になった。

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