ダイキン工業は4月6日、「夏前のエアコン試運転の実施方法等に関する調査」の結果を発表した。調査は2026年2月16日〜2月17日、全国の20代〜60代の男女3,000人を対象に行われた。

○エアコン試運転認知者は約7割も、経験者は約4割

今回の調査では、全体の約7割がエアコン試運転を知っていると回答したものの、試運転経験者は全体の約4割にとどまり、エアコン試運転を知っていても未経験の人は全体の約3割を占める結果となった。エアコン試運転をしない理由の上位には「面倒くさいから」、「必要だと思うが忘れてしまうから」などが挙げられ、試運転をしない人の多くが手間に感じたりタイミングを逃したりしていることがうかがえる。

全国のエアコンの試運転の認知率と経験率

エアコンの試運転を知っているが実施しない理由

○試運転経験者の約9割は「したつもり試運転」の可能性

一方で、試運転を実施している人でも、その約9割が適切に試運転できていない可能性があることもわかった。メーカーや業界団体は、エアコン試運転の方法として「最低設定温度で10分以上の冷房運転」を推奨しているが、今回の調査では、試運転経験者の約7割が「自分流」や「夏場に冷房を使うときと同じ運転」で試運転していることに加え、推奨方法をきちんと把握しながら実施したはずなのに、「実は推奨どおりに実施できていなかった人」がいることも浮き彫りとなった。

メーカー等が推奨する「最低設定温度で10分以上冷房運転」ができている人の割合

エアコン試運転経験者の試運転方法

○夏のエアコン試運転指数・夏のエアコン試運転前線を公開

このような結果から、同社は昨年に引き続き、計画的なエアコン試運転のサポートを目的に考案した「夏のエアコン試運転指数」と2026年版の「夏のエアコン試運転前線」を公開した。

夏のエアコン試運転指数

エアコン試運転指数を天気予報で報じられる気温と照らし合わせれば、試運転に適した日が一目で分かる。気温23〜25℃を「最適な時期」として、21〜22℃を最適に次ぐ「適した時期」、20℃以下を「不向き」としている。また、気温が26℃を超えた場合は熱中症の心配も出てくることから、早めの実施が求められる。

例年、夏になるとエアコンの修理や設置工事が急増し、特に7月〜8月は修理や工事までに通常以上の時間を要する場合があり、真夏にエアコンが使えない状況となる可能性もある。このため、本格的に暑くなる前の4月〜6月前半を目安に、エアコン試運転指数の高い日を選んで試運転を実施することが推奨される。

夏のエアコン試運転前線

夏のエアコン試運転前線は、全国の各地域でエアコン試運転指数が高まると思われる予想日を表すもの。エアコン試運転指数が高く、より効果的な試運転ができると考えられる気温25℃の日がいつ頃やってくるのかを前もって把握できるため、計画的な試運転の実施に役立てられる。

本前線に記載の予想日は、全国計の各地域の過去5年間において、各年の最高気温が25℃に達した最初の日を調査し、それらを平均した日としている。こうした考え方で各地の予想日を見ていくと、今年の試運転前線は、すでに4月上旬に東京に上陸し、4月中旬頃から新潟、仙台を北上し、5月中旬に札幌へ到達すると予想される。

試運転前線の予想日は、過去5年間で最初に気温が25℃に達した日の平均

○エアコン試運転の手順・チェックポイント

エアコンの試運転は、エアコンを本格的に使いはじめる前に、不具合が無いことを確認する作業となる。冷房運転の際に冷風が出ることや、異常を示すランプが点灯しないことを確認することが基本。また、より念入りに確認することで、室内機からの水漏れや、異臭や異音の有無も確認できる。

○お手軽コースの手順

まず、試運転前に電源プラグがコンセントに差し込まれていることや、リモコンの電池が切れていないかを確認する。続いて、冷房の設定温度を最低(16〜18℃)に設定し、10分程度運転する。エアコンの異常を検知するまでには約10分間の冷房運転が必要となる。また、エアコンは室温が設定温度に到達すると室内を冷やす動作を停止するため、最低温度に設定しておくことで、室温が設定温度に早期に到達することを防ぐ。なお、最低温度は機種によって異なる。

次に、冷風が出ているか、異常を示すランプが点滅していないか確認する。ランプが点滅した場合、異常停止している可能性がある。リモコンでエラーコードを確認のうえ、販売店またはお客様相談窓口に連絡できる。

○念入りコースの手順

「念入りコース」では、上記に加えて30分程度の冷房運転を行い、室内機から水漏れがないか確認する。

エアコンは冷房運転時、室内機の中にある熱交換器が冷やされて結露水が発生する。発生した結露水はドレン配管とよばれるホースで屋外に排水される。30分程度の冷房運転で結露水を十分に発生させ、屋外のドレン配管から水が出てくるところまで確認できれば正常と判断できる。30分も待っていられない場合は、切タイマーを活用できる。なお、その場を離れる場合には、万が一の水漏れに備え、エアコンの下には物を置かないよう注意する必要がある。

さらに、不快なニオイや聞き慣れない音の有無に加え、フィルターや熱交換器の汚れ、振動についても確認する。

○エアコンの節電につながるお手入れ

エアコンは、室内機が周囲の空気を取り込み、室内機の中で温めたり冷やしたりして室内に戻すことで室温をコントロールしている。室内機の中にあるフィルターは、室内機が取り込む空気の中に漂うホコリを止める役割をしている。フィルターにホコリが堆積すると、室内機を通る空気の量が減り、室温が設定温度に到達するまでに時間がかかり、無駄な電力の消費につながる。そのため、2週間に1回のフィルター掃除が推奨される。

お手入れ(フィルター掃除)

エアコンの冷房運転は、室内の空気中の熱を減らすことで部屋を涼しくしている。室内機が室内の熱を集めて、冷媒と呼ばれるガスが熱だけを室外機に運び、室外機は、背面や側面から吸い込んだ空気に熱を乗せて正面に吹き出す。

室外機の吸込口や吹出口がふさがれると、室内から運ばれてきた熱を効率的に放出できなくなり、エアコンに負荷がかかってしまう。エアコンの運転効率が下がることで、消費電力が上がり、電気代も上がる。このため、室外機にカバーをかけたり周辺に物を置いたりせず、空気の流れを妨げない状態を保つことが重要とされている。

お手入れ(室外機周辺)

また、室外機周辺が高温になった場合も、エアコンの運転効率が下がることがある。夏場、直射日光で室外機の周辺が熱くなってしまう場合は、日影が作れて風通しも良い「よしず」などを、室外機から1メートルほど離れたところに立て掛けることも効果的だという。