【最新・中東情勢】戦闘開始後1か月余り…交渉期限直前に米・イラン双方“停戦”発表で原油価格・株価・為替波及
アメリカとイランの戦闘が始まってから1か月余り。イランが、原油を輸送する重要なルートであるホルムズ海峡を事実上、封鎖したことで、世界中にその影響が広がり、早期の戦闘停止や、海峡の開放が求められてきましたが…、4月に入りトランプ大統領は…。
(アメリカ ランプ大統領)
「我々は今後2~3週間でイランに激しい攻撃を加える。彼らのあるべき姿である石器時代に戻してやる」
そして、前日はSNSに…。
(アメリカ ランプ大統領)
『今夜、イランの全ての文明が滅び、二度とよみがえることはないだろう』
過激な発言を強め実際、アメリカ軍がイランの石油の輸出拠点であるカーグ島で「軍事目標」数十か所を攻撃したと報じられるなどさらなる戦闘激化が心配されていました。
しかし、交渉期限目前の8日朝、トランプ大統領はSNSで、イランとの交渉の仲介役を務めるパキスタンのシャリフ首相からイランに対する攻撃を控えるよう要請を受けたことを明らかにした上で、イランが『ホルムズ海峡の完全かつ即時、そして安全な開放』に同意することを条件に、「2週間、イランへの爆撃および攻撃を一時停止することに合意する」と表明しました。
「これは双方による停戦だ」だとしていますが、停戦の理由については、全ての軍事目標を達成したこととイランとの交渉に「非常に大きな進展があった」ことを挙げていて、「イランから10項目の提案を受け取りそれが交渉の現実的な基盤になると確信している」と強調しました。
一方のイランは…。
「犯罪国家であるアメリカに10項目の計画を受け入れさせることで、歴史的な勝利を収めた」などと声明を発表。イランがホルムズ海峡を管理する権利や、ウラン濃縮を行う権利、さらに全ての制裁解除や損害賠償の支払いもアメリカが受け入れたと主張しています。イランのアラグチ外相は、イラン軍との調整や技術的な制約を考慮した上で「今後2週間にわたってホルムズ海峡の安全な航行が可能になるだろうと」述べています。
この動きに日本政府は…。
(木原 稔 官房長官)
「今般の米国イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎をしております」
さらに原油の先物価格も停戦合意の発表を受けて急落。一時は1バレル=117ドルまで上昇していましたが、発表後は1バレル=100ドルを下回り、一時、91ドル台まで下げる場面もありました。
一方、東京株式市場では日経平均株価が大幅に上昇し、上げ幅は一時、2800円を超えました。
また、為替相場は「有事のドル買い」で1ドル=160円近い円安水準が続いていましたが、一気に1円以上、円高方向に動き、158円台半ばをつけています。
そして、気になるのは今後の燃料価格について。原油の安定的な確保に向けホルムズ海峡の安全が継続的に実現されるのか…アメリカやイランの動向が今後も注目されます。
(スタジオ)
(伊藤 薫平 キャスター)
まずは一つの転換点を迎えたということになります。アメリカとイランが停戦合意ということになりましたけども、津川さん、こちらは、我々はどう受け止めたらいいでしょうか?
(津川 祥吾 アンカー)
まずは歓迎ですよね。これによって戦闘が一時的であれ止まるということは本当に多くの方が喜んでいることだと思います。ただこれあくまでも停戦であって、最終的な戦闘終結とはちょっと違うんですよね。このまま戦闘終結に協議が進んでいく可能性もありますが、逆に一旦中断をして、また再開をしてしまって長期化をしていくということもあり得るので、今後、どのような協議・合意がなされていくのかというのに、まず注目したいと思います。ただ、ここまで持ってくるだけでも、ものすごく大変だったと思いますので、この両国の仲介をしたといわれるパキスタンですから、そういった方々、関係者の皆さんの努力に本当にまず頭を下げたいと思います。
(伊藤 薫平 キャスター)
国際的な尽力が合わさった結果だと思いますけども、白井さん視聴者の皆さんもひとまず安心だと思う方もいらっしゃると思うんですが、実際はどうお感じになっていますか?
(コメンテーター 社会起業家 白井 智子 氏)
そうですね、やっぱり、前の日のトランプ大統領の過激なSNSへの投稿などを考えると、本当にほっとひと安心っていきたいところなんですが、…やっぱりちょっとした挑発だったりとか、双方の言い分の違いとかで…、また一触即発的な状況にならないとも限らないなと思っていまして、まだまだ予断は許さないかなというふうには思っています。歴史的な積み重ねから見ても、この中東の地域が急に一件落着とかはやっぱりならないというところで、引き続きやっぱり丁寧な外交努力の積み重ねというのが、まだまだ必要とされているというタイミングかなと思います。
(伊藤 薫平 キャスター)
そうですね、そしてその渦中にいるのがこちらのですね…ホルムズ海峡は開放とありますが、今、取り残されている日本関係の船というのが、まだ42隻もあるんですね、津川さん、今後に関してはこの42隻…どうでしょう?
(津川 祥吾 アンカー)
まずはこれスムーズにですね、順調にこの海峡を通るような手続きをどんどん取ってもらいたいと思います。船って…実はずっと止まっているとですね、貝殻が船の底について、すごく燃費が悪くなるという傾向もあるそうなんです。
(伊藤 薫平 キャスター)
ちょっと重たくなったりとかするんでしょうかね。
(津川 祥吾 アンカー)
すごく進みにくくなるそうなんです。…そういったコストの部分を含めてもですね、なるべく早めに通るようにしてもらいたいなというふうに思いますが、これは日本だけじゃなくて他の船もたくさんありますので、安全に通れるような協議をぜひ進めてもらいたいですね。
(伊藤 薫平 キャスター)
そして戦闘完全終結もそうですが…白井さん、日本国民としては安定的にこの原油石油が供給されることを願いたいですよね。
(コメンテーター 社会起業家 白井 智子 氏)
そうですね、それこそ備蓄しなきゃいけないんじゃないかみたいな状況になっていた中で、少しポジティブな流れかなと思います。これで安定してほしいなということを願うのと、でも、同時にやはり石油依存の産業構造というのも見直さないと、やっぱりこういう危機というのは、またまた起こってくるということは、やっぱりどっかに念頭に置きながら備えをしていかなきゃいけないということも同時に思います。
(伊藤 薫平 キャスター)
エネルギー全体について考えるきっかけになったと思いますが、津川さん、今後、我々が注目すべきポイントをまとめていただいています?
(津川 祥吾 アンカー)
まずは、先ほども触れさせていただきましたが、今回あくまでも停戦ですから、これが最終的な戦闘終結につながるかどうか注目ですよね。それから、海峡が安全に通れるかどうかは、戦闘が集結しても、ひょっとしたら不安定な状態が続くかもしれない。そこも注目です。また、それに裏返しですが…原油価格がどうなるか、私たちの生活にも直結する部分ですので、そこは注目したいと思いますね。
(伊藤 薫平 キャスター)
はい、停戦合意は一つの安心材料ではありますが、完全に楽観視できる状況ではまだなさそうです。
