建設工事が進む新管制塔(手前)と現管制塔=2026年2月19日、成田空港

 滑走路の新設・延伸で将来的に年間発着枠が50万回となる成田空港で、3代目となる新管制塔の建設工事が進んでいる。48年前の開港直前に過激派が占拠事件を起こした初代管制塔の跡地付近で、完成予定は2028年2月末。120メートルの高さは日本一となる。空港関係者は「第2の開港の象徴になってくれれば」と期待を込める。(共同通信=髭敬)

 2月中旬、大型のクレーンが絶え間なく稼働し、骨組みを組み立てていた。国土交通省成田空港事務所によると、管制塔は航空管制官が上空や滑走路上の航空機に指示を出すための施設。高さ87.3メートルの現管制塔では新設するC滑走路(3500メートル)と千メートル延伸するB滑走路(2500メートル)が見えなくなるため、羽田、福岡、那覇空港の管制塔を超える高さに設計され、2024年8月に工事が始まった。

 成田の管制塔は、激動の歴史をたどったことでも有名だ。初代は1970年代初頭に完成。開港予定4日前の1978年3月26日には、地下排水溝を通って空港敷地内に侵入した開港反対の過激派が占拠し、管制室内の通信機器などを破壊する襲撃事件が起きた。

 開港は約2カ月遅れ、長年成田闘争を象徴する存在だった。1993年に現管制塔が供用開始してからも駐機場の誘導業務の拠点として機能していたが、老朽化のため2021年に解体された。

 くしくも新管制塔は、初代の跡地を中心に建てられる。開港当時を知る新東京国際空港公団(現・成田国際空港会社)OBの板橋孝さん(82)は「成田の管制塔が経た歴史や記憶は消えない。その反省と教訓を伝え続ける存在であってほしい」と語った。

 成田空港事務所の担当者は「新管制塔の運用に向け移行準備などを着々と進めたい」と話した。

建設工事が進む新管制塔(手前)と現管制塔(奥)=2026年2月19日、成田空港

成田空港の新管制塔(中央)の完成イメージ図(国交省提供)