元iPhoneデザイナー、フェラーリ初EVの発表に「不安」 エンブレムの重みと課題を語る 5月正式発表予定
一線を画す独自のエクステリア
フェラーリ初のEV『ルーチェ』のデザインを担当しているジョニー・アイブ氏は、このモデルが「大きな」プロポーションを持ち、インテリア同様に大胆なエクステリアデザインを備えていると語った。しかし、iPhoneのデザインで有名なアイブ氏は、AUTOCARの取材に対し、新型車を世に公開することに「不安」を感じていると認めた。
【画像】フェラーリの伝統的要素も取り入れた革新的デザイン【新型ルーチェのインテリアを詳しく見る】 全22枚
新型ルーチェは5月にマラネロで完全公開される予定だ。その外観は、元アップルのデザイン責任者アイブ氏とオーストラリア人デザイナー、マーク・ニューソン氏が設立したデザイン会社ラブフロム(LoveFrom)が手掛けた。4モーターのパワートレインと、革新的なインテリアの詳細はすでに明らかになっている。

フェラーリ・ルーチェは、プロサングエ(画像)と同等の車高を持つと見られている。
現時点で、マラネロ初のEVが4ドアの4人乗りGTであり、『プロサングエ』と同等の車高を持つことも分かっている。しかし、エクステリアデザインに関する情報はほとんど公開されていない。欧州ではテスト用のプロトタイプが目撃されたものの、カモフラージュで覆われていた。
AUTOCARの取材に対し、アイブ氏はエクステリアについて口を閉ざしながらも、「エクステリアとインテリアの間に断絶はありません」と述べた。さらにニューソン氏は、キャビンとボディシェルが「同時に、すべて一度に」デザインされたと付け加えた。これにより車両全体のパッケージに「一貫性と独自性」を持たせているという。
インテリアと同様、エクステリアはレトロな要素も取り入れた革新的なデザインとなり、他のモデルとは一線を画す独自性を備えているようだ。
デザイナーに与えられた重い課題
今月初めにサンフランシスコで行われたインテリア発表会で、アイブ氏は次のように述べた。
「難しいのは、全体のほんの一部しかお話しできないことです。全体像をお話しできればもっと楽でしょう。(インテリアに関しては)多くの問題を解決できたと思っています。全体像をご覧いただければ、きっと説得力があるはずです。そこには一貫した視点と、明確な主張があります」

ジョニー・アイブ氏(左)とマーク・ニューソン氏(右)は2019年にデザイン会社ラブフロムを設立した。
アイブ氏は、フェラーリらしい外観になっていることを認めつつ、「シンプルさや物事の持つ本質的な美しさといった信念に基づく、新しい表現形態です」と述べた。
また、「委員会によるデザインではない」とし、「複数の部門が別々の側面を担当することで、しばしば大きな断絶が生じる」と指摘。それが最終的に、各パーツのつながりが感じられなくなる原因だと語った。
ルーチェに関しては一貫性のあるデザインを目指しており、「(エンツォの息子でフェラーリの株主である)ピエロ氏は、わたし達が追求した純粋さとシンプルさを強く支持してくれた」という。
ピエロ氏から支持を得たにもかかわらず、アイブ氏はデザインを世に公開することに「不安」を感じていると認めた。その主な理由は、フェラーリのエンブレムが持つ重みと、そこに注がれる数多くの視線、そして寄せられるであろう幅広い意見にある。
EVだからこそ得られた自由
フェラーリ初のEVのデザインを任されたことについて、ニューソン氏は「独特の課題」があったが、それと同時に多くの「自由」も与えられたと述べた。
「素晴らしい幸運の1つは、これがEV、つまり初の電動フェラーリだということです。だからこそ、他の方法では望めなかった自由を得られたのです。物理的な自由も、創造的な自由も、さまざまなレベルで得ることができました」

フェラーリ・ルーチェのインテリア フェラーリ
ニューソン氏は、デザインを一貫性のあるものにすることの重要性について、「インテリアからエクステリアまで解決すべき問題は多いですが、一貫性と独自性があれば最終目標に到達できます」と述べた。
「残念ながら、外装に関する部分については多くは話せませんが、もしお話しできれば、すべてを結びつける共通の糸のようなものが見えると思います」
