バレンタイン「手作りチョコを贈る」のはハラスメント? 衛生面に抵抗あり「こっそり捨てた」の声も…「おにハラ」時代のアリナシ事情
今年もバレンタインの季節がやってきた。菓子メーカー「ロッテ」の調査によると、最近は「好きな人へ気持ちを伝える」よりも、家族や友人への感謝、あるいは、「自分へのご褒美」としてチョコを楽しむ人が圧倒的だという。バレンタインは今や、「告白の日」から「感謝を伝える日」や「スイーツを楽しむ日」へと変化しているようだ。
また、世代によってスタイルの差も明らか。20代以下では約6割が「手作り派」なのに対し、40代以上は約9割が「購入派」。若年層ほど、根強い友チョコ文化や手作りのプロセスを楽しむ傾向が強いのだそう。
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気持ち悪くてムリ!? 潔癖派たちの残酷な本音
そんな背景もあって、大人になるにつれて「手作りチョコ」を贈られる機会はグッと減少。そこで今回、全国の10代以上の男女300人を対象に、手作りチョコにまつわる思い出をアンケートで調査。甘〜い成功体験から、ちょっとほろ苦い失敗談まで、「悲喜こもごも」なエピソードをご紹介。

ちなみに今回の調査で、「家族やパートナー、身近な人から手作りチョコをもらったことがある」と回答したのは全体の約3割。現代において、手作りチョコのやり取りは意外にもレアな体験になりつつあるのかもしれない。
というのも、そもそも「手作りチョコはNG」という人が一定数存在しているから。昨年には人気ドラマの作中で「握ったおにぎりを職場の後輩にあげる行為」がパワハラだと扱われ「おにぎりハラスメント=おにハラ」というワードも話題になった。そんな時代には手作りチョコもハラスメントに……? 「家族やパートナー以外からの手作りチョコをどう思うか」を聞いてみた。まず目立ったのは、“衛生面”を気にする層からの辛口な声だ。
「汚いのでいらない」(18歳・群馬県・男性)
「気持ち悪いからいらない」(44歳・北海道・女性)
「職場で若い子が手作りを配ってくれたが、こっそり捨てた」(50歳・秋田県・女性)
「義母のみそ汁もギリギリなのに、妻以外の手料理はいらない」(46歳・東京都・男性)
と、なんともけんもほろろなコメントが寄せられた。
チョコ作り現場に犬のアレが
家族ならまだしも、関係性の深くない相手からの手作りは受けつけないという人は意外にも多かった。特に、製作の「裏側」を知ってしまうと拒否感はさらにアップ。
「料理上手の友達が作るチョコは、味も見た目も完璧。でも、一度彼女の家に遊びに行ったら、ペットの犬のフンが床にボトボト平然と落ちていて……。それを見て以来、彼女の手作りチョコを見ると気持ちがざわつきます」(51歳・東京都・女性)
せっかくの好意も衛生環境への不信感ひとつで台無しになりかねない。そのため、「手作りより市販品のほうがうれしい!」という声もチラホラ。
「女友達からもらったことがあるが、正直あまり美味しくなかった。いただけるなら市販で十分と感じてしまった」(27歳・北海道・男性)
さらに、「NGではないけれど、手作りチョコは気持ちのうえで負担になる」という声も目立った。
「職場の女性からすごく凝ったチョコをもらった。『え、俺に気があるの!?』って、ちょっと重く感じてしまった」(47歳・神奈川県・男性)
「わざわざ作ってくれたのはうれしかったけど、親に見られたら恥ずかしいからヒヤヒヤした」(17歳・男性・東京都)
贈る側の「思惑」と「ほしい配慮」
手作りのものは敬遠されがちな風潮もある中で、あえて「手作り」を選択するのはなぜか。贈る側のコメントを見てみると、その理由はさまざま。
「何度作り直しても上手く作れずに、結局見栄えの悪いチョコレートを贈ることに。それでも、ありがとうと言ってもらえて嬉しかった」(36歳・埼玉県・女性)
「会社の偉い男性に贈ると、(ホワイトデーに)豪華なお返しがもらえるのでそれが楽しみ」(36歳・埼玉県・女性)
「夜の仕事をしている友人は、買ったチョコを100均のラッピングで包み直して、客に“手作りなの”と配って喜ばれているらしい」(29歳・福岡県・女性)
純粋な気持ちや、ちょっぴり打算的な理由まで。相手を想っての「手作り」……とはいえ、一歩間違うと、味のクォリティや想いの「重さ」が裏目に出てしまうこともあるようだ。
手作りチョコが「絶対ムリ」と回答した人は300人中、13人。少数とはいえ存在する。贈る際は、自己満足にならないように、相手との距離感や食の好みをしっかりと把握しておくことが不可欠と言えそうだ。
手作りチョコ、もらう側も作る側も一生の思い出に
とはいえ、やはり「手作りならではの温かさが感じられてうれしかった」と、感動を伝える声もたくさん。
「わざわざ作ってもらえるのはうれしい。それがどんな気持ちであっても」(32歳・東京都・男性)
「単純に嬉しい。たとえ義理でも。ホワイトデーのお返しを何にしようかと考える時間も楽しい」(66歳・東京都・男性)
「父から手作りをもらったことがあります。本当に嬉しかった」(57歳・神奈川県・女性)
「職場で、好きな子にもらったので、もったいなくてずっと食べずにとっておいた」(63歳・佐賀県・男性)
恋愛感情の有り無しに関わらず、気持ちのこもった贈り物は受け取る側の胸を熱くさせる。さらに、贈る側の懸命な姿に心を打たれた、というエピソードも。
「新入社員の女性が炊飯器で作ったチョコレートケーキを持ってきてくれたことがあります。お給料が厳しいのがわかるので、ほほえましくて。ケーキに炊飯器の跡がついていたのが頑張った証だと温かい気持ちになりました」(44歳・大阪府・女性)
若い世代の友チョコは手作りが基本
また、ティーンの間では今も昔も「友チョコ文化」をはじめ「手作りチョコ文化」が健在だ。
「見た目が綺麗だと食べるのが楽しみだし、基本手作りのものは市販品よりおいしく感じるのでうれしい」(15歳・愛知県・女性)
「中学校1年生の頃、女の子同士でチョコの交換が流行。冷蔵庫の中がもらったチョコでいっぱいになって、毎日楽しみに食べていたのが思い出」(22歳・新潟県・女性)
その裏で「実は“親”が大変だった」といったケースも。
「娘が小学生のころは、毎年たくさんの友チョコ作りを夜中まで手伝い、キッチンはチョコまみれ……。でも、今となってはいい思い出です」(53歳・山梨県・女性)
また、中にはほろ苦いどころではない「事件」を経験したという人も……。
「小学校の頃、女子が悪ノリで、気に入らない男子に塩やカラシ入りのチョコをあげ、後日、親や学校を巻き込む問題になった」(37歳・東京都・男性)
こうした苦い経験も含め、学生時代のやり取りは、贈るほうも贈られるほうも、一生ものの思い出になりそう。
「チョコはホワイトデーに返すのが面倒なので、もらえなくても構わない」(18歳・埼玉県・男性)と、やり取りそのものを「煩わしい」と感じている人がいるのも確か。
その一方で、冷めた声と対照的な、思わず応援したくなる切実な声も届いている。
「バレンタインなどは、私にとっては『おとぎ話』」(46歳・埼玉県・男性)
「手作りチョコをもらえるなんて奇跡、一度も起きていません。この先、もらえることがあるんだろうか」(37歳・岡山県・男性)
手作り派も、購入派も。あげる人も、もらう人も。さまざまな想いが交錯する2月14日。それぞれにとって、素敵な記念日になりますように――。
取材・文/荒木睦美
デイリー新潮編集部
