動画および音声ファイルを記録・変換・再生するためのフリーソフトウェアである「FFmpeg」が、2001年に中国で設立された半導体企業・RockchipのGitHubリポジトリに対してデジタルミレニアム著作権法(DMCA)削除通知を出し、当該リポジトリが無効化されたことが明らかになりました。

GitHub · Where software is built

https://github.com/rockchip-linux/mpp

2024年2月末、FFmpegはRockchipが開発しているMPPというドライバーにFFmpegのコードをあからさまにコピー&ペーストした部分が存在するとして、公式X(旧Twitter)アカウントからRockchipに警告を発しました。FFmpegはフリーソフトウェアで、ライセンスもLGPLを採用していますが、RockchipによるFFmpegの使い方はライセンス違反であると指摘しています。





これに対して、RockchipのMPPの開発者であるという人物が、「私はRockchipのMPP開発者です。ApacheとLGPLの間の競合について理解不足のため、FFmpegのコードを使用してしまったことをお詫び申し上げます。将来のアップデートでこれらのコードを置き換えます。そしてオープンソースライセンスについてより多くの予習すると誓います」と述べ、問題のコードを置き換えると約束していました。





このポストから1年10カ月が経過した2025年12月末、FFmpegは「RockchipがFFmpegの著作権侵害を修正するのをほぼ2年間待ちましたが、ついにFFmpegの開発者の1人が行動を起こしました。数千行のコードがFFmpegからコピーされていました」と投稿し、RockchipのGitHubリポジトリに対してDMCA削除通知を送信したことを明らかにしました。





DMCA削除通知により無効化されたRockchipのGitHubリポジトリが以下。ページを開くと「DMCA削除通知によりリポジトリは利用できません」と表示されています。

GitHub · Where software is built

https://github.com/rockchip-linux/mpp



ソーシャル掲示板のHacker Newsでは、「問題はRockchipがMPPをApache 2.0ライセンスであると主張しながら、FFmpegのコードを組み込んでいたことにあります。これはLGPLでは許可されておらず、ライブラリへの動的リンクが義務付けられています」という意見や、「LGPLは動的リンクを要求しているわけではなく、配布された成果物がLGPLの派生バージョンとして使用できることだけを求めています。Apache 2.0でビルド可能なソースコードを配布することも、間違いなくLGPLの要件を満たします。ここで問題となるのは、LGPLの技術的な違反ではなく、RockchipがFFmpegの著作権を所有しておらず、LGPL以外のライセンスでリリースする法的権限がないことです。Rockchipがすべきだったのは、改変したコードをフォークしたプロジェクトに組み込み、LGPLライセンスで明確にラベル付けし、リンクを貼ることです」といった指摘が飛び交っていました。

なお、インターネットユーザーからの「(FFmpeg)への寄付は開発者をサポートするためのものであって、弁護士に弁護費用を支払うためのものではありません」という指摘に対して、FFmpegは「このDMCA削除通知にFFmpegの資金は一切使用されていません。この削除通知はFFmpegのコントリビューターによる個人的な行動です」と回答しており、今回の削除通知があくまでひとりの開発者により行なわれたものであることを強調しています。