木曜劇場『わたしの宝物』©フジテレビ

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 ついに点と点が繋がってしまった『わたしの宝物』(フジテレビ系)第8話。

参考:『西園寺さん』『わたしの宝物』『はたらく細胞』 “松本若菜イヤー”となった2024年

 宏樹(田中圭)も水木(さとうほなみ)も刺繍の栞から、冬月(深澤辰哉)が美羽(松本若菜)を誘い参加したフリーマーケット情報までに行き着く。

 喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)は、美羽が相手の男を庇ったことにモヤモヤを抱えているという宏樹に、相手の男のことが知りたいのではなく「かみさんのことが知りたいんじゃねぇのか? かみさんが何を守ろうとしているのか、なんで守ろうとしているのか」と指摘していた。確かにそこが見えてこないと、離婚を切り出してはみたものの、どう話し合いを進めていけばいいのか見えないようだ。

 宏樹は、血縁関係がないからこそ、離婚すれば栞との親子関係も自然と消滅してしまうものだと思い込んでいたが、ここでもまた浅岡が力強い言葉を放つ。

 「栞ちゃんの顔見て、お前は俺の子じゃないんだよって言えんのか?」「栞ちゃん、お前の顔見たら笑うんじゃねぇの? お前が抱っこするとお前の匂い嗅いで落ち着いて寝ちゃったりすんじゃねぇの? お前だって栞ちゃんの匂いで心が落ち着いちゃったりするんじゃねぇの?」と問いかけ「それが親子ってもんじゃねぇの?」と、宏樹と栞のこれまでを全肯定するような発言をする。血縁や理屈など関係なく、その人を心から愛した分だけ、人はどんどん気が付かぬうちに親になっていくようだ。

 しかし、美羽の不倫相手で栞の実の父親が冬月だと気づいた際の宏樹の心情は、さぞ複雑だったことだろう。フリーマーケットで自分には見せたことのないような弾けんばかりの笑顔を妻から引き出していたのも冬月。そして「俺にも冬月さんのような優しさがあればまた違う結果になったのかな」というような感想を以前漏らしていた宏樹だったが、いざ自分にはない素質ばかりを詰め込んだ冬月が本当に美羽の相手だったとわかった際には、なかなか受け入れ難いものがあっただろう。

 一方、水木は、冬月の心に居着いて離れない“大切な人”がどんな人物なのか、一目見たいと思ってしまう。フリーマーケットの出展者に感想を聞くという口実のもと、宏樹を通して美羽に接触する水木。しかし、冬月が傷つきながらなんとか前に進もうとしている様子を間近で見てきた水木からすれば、夫も子どももいる美羽の受け答えはかなり割り切っているように映ったのだろう。

 アフリカに行った後も、帰国後必ず美羽を迎えに行くという約束のために何とか生き永らえてきた冬月と比べて、人妻の出来心による気まぐれ、お遊びのような気の迷いと受け取られてしまったのかもしれない。また、大切な仲間を失い、事業もなかなか思うようにスケールせずという状況にある冬月と比べて、美羽は何一つ失っていないかのように見える。その対比もまた、水木にとっては許し難いものだったのかもしれない。

 冬月は自分が栞の父親である可能性に現時点では全く思い至ってなさそうだが、その事実を知った際にまず何を思うのだろうか。ついに全ての真実が白日の下に晒されそうな中、神崎夫婦はどんな選択をするのだろうか。

(文=佳香(かこ))