中国HiPhi(ハイファイ) 新型「X」欧州価格は約1690万円〜 高級EVブランドとして参入
航続距離650km 高級電動SUV、欧州上陸
中国の高級EVブランドであるHiPhi(ハイファイ)は、クロスオーバーの「X」とグランドツアラーの「Z」の欧州価格を発表した。Xは10万9000ユーロ(約1690万円)から、Zは10万5000ユーロ(約1630万円)からとなる。
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欧州仕様のHiPhi Xは、97kWhのバッテリーを搭載し、中国CLTCテストサイクルでの航続距離は最大650kmとされている。デュアルモーターを搭載し、最高出力535ps、0-100km/h加速は3.9秒を達成するという。

HiPhi X
中国では、航続距離704kmの120kWhバッテリーを選択することができるが、今のところ欧州導入予定はない。しかし、4人乗りと6人乗りの両方が発売されることは間違いない。
設立4年目の新興ブランドであるHiPhiが欧州市場に参入するのは今回が初めて。最初のモデルとなるXは、快適性とテクノロジーに重点を置いたクーペ・クロスオーバーと称される。
Xの最大の特徴はインテリアだ。17スピーカーのオーディオシステム、19.9インチの助手席向けタッチスクリーン・インフォテインメント・システム、カスタマイズ可能なフレグランスシステムが搭載される。また、8.0インチのタッチスクリーンや「旅客機風のシート」も標準装備されている。
インフォテインメント・スクリーンには、角度を調整する「業界初のロボットアーム」が備わっているという。
個性派EVセダン 右ハンドルも
一方、HiPhi Zはやや車高の高い4ドア・セダンだ。豪華な4人乗り仕様も10万7000ユーロ(約1660万円)から発売されるが、これはライバルとされるポルシェ・タイカンと同等の価格設定だ。
この2車種に続いて、SUVの「Y」も発売予定である。全長5.0m級と大型ではあるが、Xよりは価格を低くおさえる予定だ。

HiPhi Z
HiPhiの最高技術責任者であるマーク・スタントン氏(元ジャガー・ランドローバーSVO部門責任者)は今年4月、XとZについて「どちらもハイエンドな最高級車」とし、HiPhiの顧客のほとんどがメルセデス・ベンツから集まるほど、「そのプレミアムレベルでわたし達のブランドを位置づけてきた」と語っている。
HiPhiは、高級車を買う既存の年配顧客よりも「ブランドに敏感ではない」若い購買層に重点を置いているという。他ブランドと同レベルの技術と機能を低価格で提供する、量販向けのEVで製品ラインを多様化することを視野に入れている。
「高価格帯でブランドを確立し、技術力とプレミアム性を確立した上で、比較的安価なクルマや量産車を投入していきます」とスタントン氏は述べた。これらは「安いクルマ」ではなく、「何百万、何千万」という単位で生産されるわけでもないが、XやZよりも小型で、より手頃な価格になるという。
「最初の2台はかなり大型のクルマで、中国にはよく合いますが、世界の他の地域では必ずしもそうではありません」
ジャガー・ランドローバー(JLR)出身のスタントン氏は、レンジローバーのラインナップを引き合いに出し、特にエントリーモデルのイヴォークは「ランドローバーにとってかなり成功した製品」であり、「レンジローバーのトップエンドを中型プレミアムカーに落とし込む方法の良い例」であると述べた
同様に、HiPhiは新しいエントリーモデルに、これまでの製品を特徴づけてきたデザイン、高級志向、先進技術、走行特性を導入していくという。
「この4つの属性をすべて備えているブランドはありません」とスタントン氏は言う。「ほとんどのブランドは、せいぜい3つ、中には1つしか持っていないブランドもあります」
欧州では、当初は左ハンドル車のみだが、「魅力的な市場」である英国向けに右ハンドル車も生産する予定だ。
HiPhi最高技術責任マーク・スタントン氏とのQ&A
――ドライバー監視システムについて、HiPhiの顧客はどう受け止めていますか?
「好きな人もいますし、嫌いだという人もいます。また、中国でもプライバシーを気にする人がいるようです。だから、ちょっとマーマイト的な機能かもしれませんね。しかし、わたし達のカメラシステムは非常に素晴らしいものです。顔認識機能を備えているので、クルマを始動するのにキーは必要ありませんし(実際にキーはない)、血圧をモニターしたり、顔の表情から喜怒哀楽を判断したりすることも可能です。年齢もわかるんですが、それをディスプレイに出すと怒られるかもしれないのでやめました……」

HiPhiの最高技術責任マーク・スタントン氏は、JLRで経験を積んだ人物
――HiPhiは「スマートシティ」向けのクルマをどのようにデザインしているのでしょうか?
「スマートカー、スマートロード、スマートシティという3つの『スマート』をコンセプトにしています。ここ3、4年はスマートカーに重点を置いて市場投入していますが、スマートロードやスマートシティに対応する技術も開発しています。そして、それらを実現するための実証プロジェクトも行ってきました。今、社内にはスマートロードとスマートシティの技術を推進するグループがあります。HiPhiのクルマはV2X、5G通信に対応しているので、そうしたスマート技術に対応する準備がすでに整っているのです」
――HiPhiが中国から生産拠点を移した場合、チャンスはあるのでしょうか?
「この5年間で、世界中で予想不可能な地政学的な出来事を目の当たりにしてきました。製造業としてすべてを1つに賭けるようなことは、おそらく賢明なこととは言えません。わたし達は、絶対にこれ(生産拠点の海外移転)をやるというわけではありません。しかし、もし本当に国際的な企業になりたいと考えているのであれば、すべてを中国に集中させることは、おそらく賢明ではないということはお分かりいただけるでしょう。ですから、他の場所にも目を向け、検討しているところです。しかし、現段階では、そのいずれについても何の決定も下されていません」
