楽しく節約できる方法とは?

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 止まらない物価上昇で家計の見直しは必須。しかし、節約で生活水準を下げ、せせこましく生きるのはシンドイ……。そこで、節約しながら日々の生活を豊かにするコツを賢人たちが伝授! 今回は、豊かな生活と節約の両立を実現するには、どのような思考から出発すればいいのか。『0円で生きる』の著者でフリーライターの鶴見済氏と、経済アナリストの森永康平氏に伺った。

◆能動的で人と共有できる節約なら生活が豊かに

鶴見:かつて節約と言えば、一人黙々と切り詰めるストイックな生活でしたが、ITインフラが普及したことで、節約の在り方がずいぶんと変わってきたと実感しています。僕は仲間と10年前から毎月1回、国立駅近くの歩道で、不要品をタダで譲渡する「くにたち0円ショップ」を開催しています。節約のために参加している人もいるでしょうが、必ずしもそれだけが目的ではなく、参加者同士の交流も楽しみのひとつなんです。

森永:Twitterで開催の告知をされていますよね。

鶴見:開催日当日は、自分の不要品をどんな人が貰ってくれるのか。その出会いを想像するだけでドキドキします。いい意味で平坦な日常のスパイスにもなっています(笑)。

森永:節約には大きく分けて2つの種類がある。生活費を捻出するために支出を切り詰めるというように仕方なく行う“受動的な節約”と、衣食住を賄える稼ぎがあるなかで支出をしっかりと管理する“能動的な節約”、これらを分けて考えることが大事だと思います。

鶴見:能動的のほうは、節約が目的化していないですね。

◆結果的に節約になっているのが理想

森永:そうなんです。例えば僕は、今年の頭からダイエットを始めて20キロの減量に成功しています。ダイエットを進めていくなかで、食事の栄養にも気を遣うようになったら自炊の回数が増えました。結果的に、健康的な体を手に入れつつ、食費の節約にも繋がったわけです。節約以外に目的や目標があって、それを達成するために動いていたら副産物として節約もできたというのが能動的な節約。それは豊かさと両立がしやすい。

鶴見:あとは、これまでお金を使って合理的に省略してきた一部分を自分でやってみるだけでも、大きな節約になります。僕は、共同運営の畑で何種類も野菜を作っていますが、食べきれないので隣の畑の人にお裾分けします。そうすると、いつかお返しが届く。で、またお裾分け。“返礼の連鎖”が生まれるので、お互いに感謝し、されるし、節約にもなります。

森永:父親(経済アナリストの森永卓郎氏)もずっと家庭農園をやっていて、食べきれない分は収録現場に持っていってます。この30年、資本主義社会の下で過度な合理化が推し進められた結果、極端な格差が生じてしまった。人を分断する社会に疑問を持ち始めた人たちの多くが今、豊かさを独り占めするのではなく、人との繋がりを通して喜びを共有できる従来の日本型社会に回帰しようという大きな揺り戻しが起きています。“ゼロ円ショップ”や“お裾分けの関係”は、そうした社会の縮図だと言えるでしょうね。

◆情報を共有すれば楽しく節約できる

森永:能動的な節約とは対照的に“受動的な節約”は、節約そのものが目的となりがち。頑張って切り詰めても、その結果として“ただ生活を送ること”だけが報酬なのであれば、モチベーションは落ちてしまいます。例えば、SNSで節約生活を発信するなどして、“いいねの数”で承認欲求を満たすなど、何かしら報酬があると続けやすいですよね。

鶴見:そうですね。SNSもそうですが、ネットを使えば、お金をかけずに節約術にリーチできるし、節約コミュニティにもアクセスできます。誰かと情報を共有するという意識を持てば、楽しみながら節約を実践できると思います。

森永:節約もジャンルや手段はさまざま。当然、節約を実践している人たちのなかでも価値観は千差万別です。自分の節約に対する価値観に近いコミュニティに属して、それ以外とは距離を置くようにすれば、心地よい節約ライフが送れそうですね。

鶴見:とはいえ、ネットでも節約界隈の人たちは基本的にはモチベーションが似ているので、変な派閥争いや対立は少ないような気がします。

 孤独に切り詰めるより、共有して楽しく節約したい。

◆<プロフィール>

【経済アナリスト 森永 康平氏】
株式会社マネネCEO。著書に『小学生から知っておきたい 使い方 貯め方 増やし方 守り方 マンガでわかる お金の本』(大和書房)

【フリーライター 鶴見 済氏】
自身の体験から生きづらさから逃れ楽に生きる方法を提案。著書に『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』(筑摩書房)

取材・文/週刊SPA!編集部
※週刊SPA!7月26日発売号の特集「[物価高も怖くない!]バカでもできる家計革命」より

―[[物価高も怖くない!]バカでもできる家計革命]―