芸人YouTube再生回数ランキング 1位は中田でも江頭でもなくあのコンビ! - 放送作家の徹夜は2日まで
※この記事は2021年11月05日にBLOGOSで公開されたものです
放送作家の大竹まさよしです。
「2019年末までに登録者数100万人に到達できなければ芸人を引退する」
2018年にカジサック名義でYouTuberデビューを果たしたキングコング梶原雄太の発言は、当時芸能界に賛否を巻き起こしました。
当時のメディアの空気感では、テレビで活躍する芸人がYouTubeに取り組むことは都落ちのように捉えられていたように思います。私も放送業界に身を置くなかで、そのような空気を感じていました。YouTuber=素人芸といった見方が当時は一般的だったように記憶しています。
わずか数年後、その考え方は180度変わり、芸人がYouTubeチャンネルを持つことは珍しくなくなりました。霜降り明星のようにテレビで大活躍する芸人の登場や、カジサックのように芸能界での活動よりもYouTubeを優先する芸人も現れています。
ただ人気芸人だからといって、YouTubeチャンネルの登録者数や再生数が伸びるとは限らないのが面白いところ。テレビにおける芸人の「格」と、YouTubeの人気は比例しません。
YouTube・YouTuberに特化したニュースサイト『ユーチュラ』によると、芸人YouTuberの登録者数トップ10はこちらです。(2021年10月10日時点)
1位 中田敦彦のYouTube大学 -NAKATA UNIVERSITY-(415万人)
2位 エガちゃんねる EGA-CHANNEL(255万人)
3位 カジサック KAJISAC(227万人)
4位 貴ちゃんねるず(168万人)※とんねるず石橋貴明
5位 チョコレートプラネットチャンネル(144万人)
6位 しもふりチューブ(143万人)
7位 宮迫ですッ!(142万人)
かまいたちチャンネル(〃)
9位 ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】(135万人)※なかやまきんに君
10位 ジャルジャルタワー JARUJARU TOWER(123万人)
失礼は承知の上で書きますが、上位4名はテレビへの露出は一時期よりも減っています。
トップ3に関しては、登録者数200万人超え。テレビのゴールデンタイムで活躍する芸人でも100万人超えが難しいなか、驚異的な数字です。
芸人YouTube再生回数ランキング 10位~6位
YouTubeの面白いところは、登録者数や再生回数が可視化されるところ。ビデオリサーチの視聴率調査と違い、リアルな数字が反映されています。(のはずです)
チャンネル登録者数と、動画の再生回数が比例するとは限らないところも興味深い話。登録者数が少なくても、再生回数が爆発的に増える動画もあります。
そこで今回は、芸人YouTube再生回数ランキングを作成しました。厳密にいえば、登録者数を考慮してランキングを作成すべきですが、今回は純粋に再生回数だけでトップ10を作成。純粋にネタ勝負といったところでしょうか。
登録者数も記載したので、それを見ながら読者の方に判断いただければ幸いです。
それではいきましょう! まずはトップ10からトップ6まではこちらです。(チャンネル登録者数、再生回数は2021年10月13日時点)※上記の芸人YouTuber登録者数ランキングトップ10の芸人を中心に調査を実施。
10位 香水/瑛人 アカペラカバー【四千頭身×よかろうもん】
チャンネル名:YonTube(四千頭身公式チャンネル)
登録者数:69.1万人
再生回数:9,414,000
お笑い第7世代から人気トリオ・四千頭身が10位にランクイン。瑛人の『香水』カバーということで時代を感じますが、動画を見ると四千頭身以外の顔ぶれが。タイトルを見直すと「よかろうもん」とあり、調べたところ、『青春アカペラ甲子園 全国ハモネプリーグ2008夏』に出場経験のあるグループでした。コラボ動画だったのですね。
拝見したところ、『香水』をよかろうもんのメロディに合わせて四千頭身が歌うという内容。四千頭身やよかろうもんを知らなくても、瑛人の『香水』カバーシリーズの1つとして楽しめます。
9位 東京03 - 「余裕」 / 『第14回東京03単独公演「後手中の後手」』より [English subtitles/中文字幕]
チャンネル名:東京03 Official YouTube Channel
登録者数:63.1万人
再生回数:9,508,640
キングオブコント2009の王者・東京03の動画が9位にランクイン。単独公演のチケットは毎回入手困難の実力派トリオですが、YouTubeで貴重なライブ映像を惜しみなく見ることができます。四千頭身と同じく、チャンネル登録者数を大幅に超えた再生回数。東京03のネタに対する期待値がみてとれます。
飯塚扮する洋菓子店の店主の元へ、角田扮する菓子の商品化を求める先輩営業マンと、豊本扮する後輩営業マンが訪れるという内容。舞台の映像化ですが、俯瞰から撮影したカメラ映像だけではないため大変見やすくなっています。
8位 【登録者90万人記念】キングコング西野さんが部屋に来てくれました
チャンネル名:カジサック KAJISAC
登録者数:227万人
再生回数:9,646,171
YouTuberの定番である登録者数が大台を突破した時に行われる記念動画。カジサックは90万人の突破の時点で相方・西野亮廣とコラボしています。
YouTubeチャンネル『毎週キングコング』で見ることのできるツーショットですが、カジサックとの会話はある意味レア。
『はねるのトびら』時代の裏話、コンビ間で仲が悪かった話、梶原が失踪した時の話から「なぜ解散しなかったのか」という深い話に。2019年の今だから話せるキングコングのエピソードが満載です。
7位 NiziU『Make you happy』四千頭身が本気で M/Vを完全再現!【虹プロ】【GoziU】
チャンネル名:YonTube(四千頭身公式チャンネル)
登録者数:69.1万人
再生回数:9,851,933
四千頭身が再びランクイン。さきほどは瑛人の楽曲『香水』のカバー動画でしたが、こちらはNiziUのパロディ。時代を切り取った動画が巧みなようですね。
6位 【中田敦彦のしくじり武勇伝】人は何者にでもなれる、いつからでも。
チャンネル名:中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY
登録者数:415万人
再生回数:10,370,459
芸人YouTuberチャンネル登録者数No.1を誇るオリエンタルラジオ中田敦彦のYouTube大学。ビジネス本、文学、漫画などあらゆる本を要約し、時には落語のような一人芝居を交えエンタメ化して伝えるYouTubeチャンネルにおいて、自己紹介が1000万回再生超え。約2時間半話し続けるという狂気的な動画です。数度のブレイクを果たしている稀有な芸人・オリエンタルラジオの変遷とYouTube大学の紆余曲折がわかります。
芸人YouTube再生回数ランキング 5位と4位はジャルジャル
5位 1億回記念!本気ネタ!『押しドア、引きドア、間違える奴』【JARUJARUTOWER】
チャンネル名:ジャルジャルタワーJARUJARU TOWER
登録者数:124万人
再生回数:10,389,127
4位 1億回記念!本気ネタ!『ハズレの先生が担任になった奴』【JARUJARUTOWER】
チャンネル名:ジャルジャルタワー JARUJARU TOWER
登録者数:124万人
再生回数:11,003,888
5位、4位はともにお笑いコンビ・ジャルジャルがランクイン。YouTube公式チャンネル「JARUJARU TOWER」の動画合計再生回数が1億回を突破したことを記念して配信されたコントです。
過去にリリースした13本のDVDに収録されているネタから厳選された約30本をYouTubeにアップ。そのなかの2ネタが1000万回超えを記録しています。
企画モノに強い印象のあるYouTuberですが、芸人はやはり本業であるネタの再生回数が強い。3位、2位はそれを裏付ける結果となっています。
芸人YouTube再生回数ランキング 東京03を抑えて1位に輝いたのは…
3位 東京03 - 「修学旅行」 / 『第9回 東京03 単独ライブ 「いらいら」』より [English subtitles/中文字幕]
チャンネル名:東京03 Official YouTube Channel
登録者数:63.1万人
再生回数:11,090,204
2位 東京03 - 「スマイルハウジング」 / 『第5回 東京03単独ライブ 「傘買って雨上がる」』より [English subtitles/中文字幕]
チャンネル名:東京03 Official YouTube Channel
登録者数:63.1万人
再生回数:11,118,857
9位にランクインしていた東京03ですが、2位、3位にもランクイン。こちらも単独ライブからネタを切り取ってアップした動画がどちらも1100万回超えです。テレビのネタ番組では放送時間の関係でネタの完全版を披露できることはまずありません。
放送時間を気にする必要がないYouTubeだからこそ、自身のネタをノーカットでアップできるわけです。
さあ、いよいよ1位の発表です。1位は…
香水/瑛人 MV再現 (covered by 瑛肩)
チャンネル名:チョコレートプラネット チャンネル
登録者数:144万人
再生回数:36,564,111
お笑いコンビ・チョコレートプラネットのYouTubeチャンネルから、瑛人のカバー動画が1位に輝きました。まさかの約3656万回再生という、2位にトリプルスコアをつける驚異的な再生数になっています。
四千頭身もカバーしていた瑛人の『香水』。当時、様々なタレントがカバー動画をアップしましたが、チョコレートプラネットがその先駆けでした。
長田が瑛人に似ていると言われたことから生まれた動画。相方・松尾がオリジナルのPV通り、隣で踊る女性をIKKOで演じています。
あらためてトップ10を見ると、『香水』のカバー動画、NiziUのパロディ動画以外は、YouTuberを意識した企画ものではなく、自分たちの特性を活かした内容になっています。
様々な動画を投稿しても、やはり最大火力を出す動画のヒントはこれまで自身が歩んだ道にあるようです。気になった動画があればぜひご覧になってはいかがでしょうか。