今、パチンコホールは空前の苦境に立たされている。折からの不況でただでさえ客足は遠のいていたのに、コロナ禍のためにさらに客数は減少。かつては20兆円産業なんて言われた時代もあったが、既に国内のパチンコホールの総数は10000軒を割っている。

これは、僕が20年ほど前にパチンコ業界に新卒入社したときには想像もできなかった状態。あの当時ですら「今がどん底。ここからは伸びるだけ」という空気感があったものだけど、今はもう本格的にそんなことは夢物語だ。

ホールの凋落に伴い、今ではホールの華だったコーヒーの売り子のお姉さんたちも契約を切られて姿を見せなくなった。清掃業者を入れるお金も惜しいのか、店員たちがトイレ掃除をするようになったホールもある。

そこまでしてもここ1、2年のうちに、僕が通っていたホールが4軒も潰れている。ここまで色々と切り詰めているのだ。客に勝たせて帰る余裕が、あるはずがない。(文:松本ミゾレ)

不況下ではパチンコは過ぎた娯楽 やってもいいけど自己責任

今、パチンコホールには本当にお客さんが入らなくなっている。コロナ禍で出し渋りを警戒している人もいるだろうし、そもそもコロナのせいで金回りが悪くなり、パチンコどころじゃなくなった元ユーザーも多いみたいだ。

そういう状況なので、今パチンコホールに出向くということは基本的に悪手。よほど強いイベントでもない限りは勝てないよ、としか言いようのない状況である。

もっとも、遊技と言いつつ実情はギャンブルなので、負けて痛い目を見るのはよくある遊びだから、それでも今行く人は基本的に捨て金があるってことなんだろう。僕も今年は散々負けてるけど、実のところホールに財布は持って行かないようにしている。使っているのは会員カードの中に記録されている、貯玉と貯メダルだけ。

なので勝っても負けても現金が減ったり増えることはない。こうでもしないと、今は恐ろしくて遊べやしないのだ。手元に現金がなければ、それ以上遊ぶことはない。なので自然と無難な打ち方をする。同じようなユーザーは多そうだ。

「月末が給料日で残金は733円やな 食料ストックで死にはしない」

さて、ここからが本題だ。具体的に、今のパチンコファンがどんな客層がメインで、どういう遊び方をしているのか。それを知っていただく良いモデルケースがあった。

先般、5ちゃんねるに「ワイ、パチンコで79500円負けて無言の帰宅」というスレッドが立った。スレ主は「ワイの月収の半分消えたんやぞ」と書き込んでいる。

僕が仮にこのぐらい1日で負けたら、絶対にインターネット掲示板に書き込みなんかしないでずっと横になっているだろう。さらに、彼の月収は手取りで「11万ちょい」とも書き込まれているので、「半分どころじゃないじゃん。計算もできんぐらい負けてるやんけ」と戦慄してしまった。

ちなみにスレ主の年齢は31歳ということだ。そして借金しながら打っているという。「月末が給料日で残金は733円やな 食料ストックで死にはしない」とも書いていて、こういうのがまあ、今のパチンコホールを血肉で以て支えているというわけである。そりゃ斜陽になるよね。もちろん、僕も偉そうに言えるほど稼いじゃいない貧乏人のカモ野郎だけど(笑)。

現実問題、パチンコホールを見渡すと結構悲惨なもので、年金生活者の高齢者が貴重な生活費を吸い上げられているという光景は珍しくない。また、作業着のままパチンコにアツくなっている中年の労働者も目に付く場合も。あとはどう見てもニートだろうという風体の人も。

昔はもっと客層が幅広かったけど、今は全国的に大概こんな具合なんじゃないだろうか。これにあわせて、地域によっては打ち子連中や若いハイエナ辺りが加わるのかな? とにかく、客層が特殊なのだ。

「パチンコは庶民の娯楽」という言葉、昔は割と一般にも認知されていた標語みたいなものだったはず。だけど今、これを唱えているのって、業界の人だけになってしまった。本当の庶民は、とっくにパチンコを知らない世代に代替わりしている。