1斤1000円前後する、高級食パンがブームです。せっかく購入した食パンは、味を落とさないように正しく保存をしましょう。
パンを愛し、湘南でパン教室を営む池田愛実さんに食パンの正しい保存法について伺いました。


パンのプロに聞く正しい冷凍法

おいしさ長持ち!プロの食パン保存術



●冷蔵室はNG!食べきれない分は早めに冷凍を

パンは、ライ麦パンなどを除けば基本的には焼いた当日が1番おいしいと感じるもの。しかし、日本では朝ごはんにパンを食べる習慣があるため、買ったパンを翌日以降に食べることが多いですよね。

翌日までに食べきれない分は「早めに」「冷凍」するのがオススメ。3日たって劣化してしまったパンを冷凍するよりも、当日おいしいうちに冷凍する方がいい状態で保存できるからです。

ちなみにもともと冷蔵で売られているパンを除き、冷蔵庫でパンを保存するのはオススメしません! 冷蔵庫の5℃前後の温度帯ではパンのデンプンが劣化しやすくなるとともに、ほかの食品の匂いも移りやすくなるからです。「パンを保存するなら冷凍庫」が鉄則ですよ。

●正しい冷凍庫の保存法は?


ではどのように冷凍庫で保存するのがいいのでしょうか。気をつけるポイントは「パンを空気に触れさせない」ことです。
いわゆる「冷凍焼け」と言って、冷凍庫内でも空気に触れることによって乾燥・酸化し、風味や食感が悪くなります。またパンはにおいを吸収しやすいので、におい移りの心配もあります。
そのため1回に食べる分ずつラップにくるみ、さらにフリージングバッグに入れて保存しましょう!

●冷凍での保存期間は?

パンをこの方法で家庭で冷凍した場合、なるべく2週間以内に食べきるのがオススメです。長くても1か月以内がいいでしょう。

家庭の冷凍庫は業務用と違い、あけ閉めすることで温度が上がりやすく、溶けたり凍ったりを繰り返してしまいます。あけ閉めする回数を減らす、温かい食品を冷凍庫に入れないことも長くおいしく保存する秘訣ですよ。

●おいしく食べる解凍のやり方

解凍するときは常温で自然解凍するか、時間がなければ600wで30秒ほど温めます。その後、予熱をして温まったトースターにパンを入れて好みの焼き色まで焼きましょう。
トースターで焼く際、低い温度で長く焼くとパンから水分が蒸発して乾燥し、ラスクのように硬くなってしまうので、予熱したトースターで高温で短時間で焼くのがポイントです。

●しっとりふわふわが好みならアルミホイルを使って冷凍!

最後に1つ裏技をご紹介します。
パンは焼かないふわふわの食感が好きだという方、朝パンを解凍するのが面倒な方にオススメなのがアルミホイルを使った冷凍法。


やり方は簡単。表面に切り込み(縦横2列、均等に9マスできるように)を入れてからアルミホイルできっちりとパンを包み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。食べるときはアルミホイルを外さずに、そのままトースターに入れてからスイッチを入れて5分以上焼きます。

予熱で自然とパンが解凍され、アルミホイルのおかげで水分が飛ぶことなくしっとりとパンが焼きあがります(焼きすぎると硬くなるので注意)。切り込みが入っているので中だけ冷たいままになる心配もありません。

いかがだったでしょうか。普段何気なく保存していたパンも、冷凍&解凍の仕方に気をつけると格段においしく食べられます! ぜひお試しくださいね。

●教えてくれた人
【池田愛実さん】

ル・コルドンブルー代官山校パン科卒業。同校のアシスタントを務めた後、渡仏。現地のパン屋2軒で経験を積む。帰国後は都内のレストランでパンの商品開発、製造に携わる。現在は湘南でパン教室「crumb―クラム」
を主催。フランスパンや自家製酵母パン、フレンチ惣菜を教えている。