学生の窓口編集部

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お正月に実家へ帰り、親戚や家族で久しぶりに百人一首をしたという人も多いのでは? ただこの百人一首、よくよく想像すると「恋」の歌もたくさんあり、家族の前で読むのが恥ずかしいことも! 今回は百人一首に詠まれた「恋心」についてご紹介します。現代の恋愛にも通ずるところがあるかも……?


■筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる

これは10歳で天皇に即位し、17歳で病気のために譲位した陽成院と言う人の詠んだ歌。みなの川は「男女川」または「水無乃川」と書き、筑波山の峰から落ちる、最初は細い川が流れる内にどんどん大きくなり淵となるように、恋もまた時間がたつにつれて大きく深くなっていくものだ、ということが歌われています。

■陸奥のしのぶもぢずりたれゆえに 乱れそめにしわれならなくに

これは河原左大臣の詠んだ歌で、陸奥で作られる乱れ染の布「しのぶもぢずり(しのぶもぢ摺り)」の模様のように、私の心も乱れてしまいましたという意味の歌。これは恋の恨み事を詠んだ句なのだそう。子どもの頃にはよくわからなかった、まさに「大人の恋」をほうふつする句かも?

■わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ

これは元良親王の詠んだ歌で、このままずっと会えないことを思い患っている今は、もう死んだのも同じこと。難波のみおつくし(航路を示す杭)のように、身を尽くしてもあなたに会いたいという意味です。この歌は不倫関係にあった天皇のおきさきに対して詠んだ歌とか。子どもの頃は意味も知らず、なんとなく詠んでいた歌にこんなエピソードがあったとは!?

■忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで

平兼盛の歌で、誰にも恋をしていると知られないように必死に隠していたけれど、「何を思ってるの?」「恋について悩んでいるの?」と人から聞かれるまで、顔色にあらわれるようになってしまった、という歌。恋した時の不安定な心の内が想像できてしまう歌ですよね。恋をすると周囲の人に不審がられるくらい、様子がおかしくなってしまうことありますよね。

子どもの頃に何気なく遊んでいた百人一首には、実は人の深い思いや切ない恋心がたくさん込められているよう。恋に疲れたらひとやすみ、百人一首の歌の中に込められた古代の人々の切ないラブストーリーに思いをはせてみてはいかが?

(ファナティック)