「大損になってしまった大型移籍、ワースト10」

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昨季、マンチェスター・ユナイテッドがクラブ史上最高額となる5970万ポンド(現レートで115.4億円)で獲得したアンヘル・ディ・マリア

だが、この夏にも4440万ポンド(約85.8億円)でPSGへと移籍するのではないかと言われている。もしそうなれば、移籍金の差額を単純計算すると、1530万ポンド(29.5億円)の損失となる。

むろんこれは在籍期間中のプレーについて全く考慮していないわけだが、『daily mail』が近年における大型移籍で大損となったケース(worst value transfers)について取り上げていたので紹介する。

なお、日本円換算はすべて現行レートによるもの。

ディミータル・ベルバトフ/トッテナム→マンチェスター・ユナイテッド→フラム/

獲得額:3075万ポンド(59.4億円)2008年
売却額:500万ポンド(9.6億円)2012年
損益:2575万ポンド(49.5億円)

ユナイテッドでの4年間は激しい波があり、その評価は分かれている。2010-11シーズンにはリーグ32試合で印象的な20ゴールを決めゴールデンブーツを獲得したほか、チームもタイトルを勝ち取り、素晴らしいシーズンを過ごした。2009年のタイトルや2010年のリーグカップ制覇時の一員でもあった。

だが、ユナイテッドでの後年は序列が下がり、うまくいかなくなった。ベルバトフは不当な扱いを受けたと感じていて、当時の監督アレックス・ファーガソンについて人として相当に失望したと主張している。フラムへの移籍で、ユナイテッドは移籍金のうち2575万ポンドは損失となった。だが、この大損リストの他のメンバーと比べれば、ベルバトフは普通以上のことを成し遂げた。

カルロス・テベス/マンチェスター・U→マンチェスター・C→ユヴェントス

獲得額:2550万ポンド(49.3億円)2009年
売却額:1200万ポンド(23.2億円)2013年
損益:1350万ポンド(26.1億円)

2009年に宿敵シティに移籍したことで、ユナイテッド側(サポーター?)に多くの敵を作った。シティにおいてはクラブ史上2番目に早く50ゴールを達成(73試合で)、プレミアで59ゴールを決めて、ユヴェントスへと移籍した。テベスはシティにおいてファンのお気に入りであったが、様々な点において監督やクラブと衝突する傾向にあった。

ベルバトフのようにテベスは在籍中の大部分おいていいものを生み出したが、売却によって1300万ポンド以上の損を出したという事実はこのアルゼンチン人FWがとても高くついた買い物だったといえる。

フアン・セバスティアン・ベロン/ラツィオ→マンチェスター・U→チェルシー

獲得額:2810万ポンド(54.3億円)2001年
売却額:1500万ポンド(29億円)2003年
損益:1310万ポンド(25.3億円)

ユナイテッドがベロン獲得に費やした2810万ポンドという額は、それまでに英国クラブが支払った移籍金最高額*を1300万ポンド(25.1億円)も上回るものだった。*1996年、ニューカッスルがFWアラン・シアラー獲得のためにブラックバーンに支払った1500万ポンド(現レートで29億円)。

ベロンはライバルであるチェルシーへ移籍するまで2シーズンに渡りオールド・トラッフォードでプレーし、2003年にはプレミアリーグを勝ち取った。ユナイテッドファンたちの記憶に長く残る加入選手ではないことは確かである。

エマニュエル・アデバヨール/アーセナル→マンチェスター・シティ→トッテナム

獲得額:2500万ポンド(48.3億円)2009年
売却額:500万ポンド(9.6億円)2012年
損益:2000万ポンド(38.6億円)

アーセナルで印象的なプレーを見せた後、立派な経歴とともに5年契約でシティ入りしたアデバヨール。だが、このトーゴ人FWはすぐに支持を失い、シティ在籍中まったく生産的ではなかった。結局、2012年夏に500万ポンドでトッテナム入りし、シティは2000万ポンドの損をこうむることになった。

ロビーニョ/レアル・マドリー→マンチェスター・シティ→ミラン

獲得額:3250万ポンド(62.8億円)2008年
売却額:1500万ポンド(29億円)2010年
損益:1750万ポンド(33.8億円)

シティはこのブラジル人FW獲得のために当時の英国史上最高額を支払い、チェルシーとの競争に打ち勝った。だが、ロビーニョは誇大に喧伝されたほどの期待には応えられず、マンチェスターでの暮らしにも馴染めず、たった2年でミラノへと旅立った。

アンヘル・ディ・マリア/レアル・マドリー→マンチェスター・ユナイテッド→PSG?

獲得額:5970万ポンド(115.4億円)2014年
売却額:4440万ポンド(85.8億円)?
損益:1530万ポンド(29.5億円)?

4440万ポンドでPSG行きが目前となっているディ・マリア。凄まじい移籍金によるとてつもない期待に応えることはできず。プレミアリーグでは4ゴールに終わったが、実は全コンペティションにおいて12アシストをマークしている。とはいえ、たった1シーズンで彼によって多くの資金を失うことはこのリストにおいてワースト5入りを意味する。

アンディ・キャロル/ニューカッスル→リヴァプール→ウェストハム

獲得額:3500万ポンド(67.6億円)2011年
売却額:1550万ポンド(29.9億円)2013年
損益:1950ポンド(約37.7億円)

当時の英国記録となる移籍金で2011年1月のデッドラインに決まったキャロルのリヴァプール移籍は眉をひそめさせるのに十分だった。アンフィールドでは高額な値札に見合う期待に応えられず、2012年夏にローンで放出される前にはフィットネスと調子を整えるのに苦労した。

1年後にウェストハムへ完全移籍、リヴァプールは1550万ポンドで手を打った。最高のレベルでは大きなインパクトを作り出すことに常に苦労することになる選手に対するやたらに高騰した移籍金はめでたい結末になった試しがない。

アンドリー・シェフチェンコ/ミラン→チェルシー→ディナモ・キエフ

獲得額:3080万ポンド(59.5億円)2006年
売却額:なし、2009年
損益:3080万ポンド(59.5億円)

2006年当時クラブレコードとなる移籍金でスタンフォード・ブリッジへやってきた際、このウクライナ人FWは世界最高のストライカーの一人としての評価を得ていた。だが、セリエAで得ていた評価に応えることができず、その後の3年間はシェフチェンコにとって悲惨なものとなった。

トップリーグ48試合において、わずか9ゴールのみ。結果的にプレミアリーグでの1ゴールにつき、340万ポンド(6.5億円)を費やすことになり、3080万ポンドをばら撒いたことに対するリターンは惨めなものだった。

フェルナンド・トーレス/リヴァプール→チェルシー→ミラン

獲得額:5000万ポンド(96.7億円)2011年
売却額:なし、2014年
損益:5000万ポンド(96.7億円)

アンディ・キャロルがリヴァプール入りしたのと同じ日、トーレスは英国レコードとなる5000万ポンドでチェルシーへ移籍した。アンフィールドでの4年間の大成功の後、大きな期待を持ってロンドンにやってきたが、そのほとんどは欺くためのお世辞だった。

トーレスの最もタイムリーな貢献は2012年のCL準決勝バルセロナ戦で後半アディショナルタイムに決めたゴール。チームはその後CL初制覇を遂げることになる。間違いなくチェルシーファンがすぐには思い出したくない選手の一人。

カカ/ミラン→レアル・マドリー→ミラン

獲得額:2009年に5600万ポンド(108.3億円)で獲得
売却額:2013年にフリーで放出
損益:5600万ポンド(108.3億円)

ACミランで素晴らしい時を過ごし、バロンドールとFIFA年間最優秀選手賞を獲得した後、レアル・マドリーはこのブラジル人に相当な期待をかけていた。だが、同じタイミングでチームに加わったクリスティアーノ・ロナウドが中心的な役割を占め、カカのマドリーにおける物事はうまく運ばなかった。120試合で29ゴールを決めたが、マドリーでの4年間においてチームを押し上げることよりも負担をもたらした。