ドコモの提供する新しいチャンネル機器「dTVターミナル」は荒削りだが映画やドラマ好きは買い
これは、NTTドコモが提供している映像配信（VOD）サービス「dビデオ」が4月22日より「dTV」にリニューアルするのを伝える内容だ。
さらに、それに合わせてドコモ取扱店ではテレビに接続する新しいセット・トップ・ボックス「dTVターミナル」が4月22日（水）に発売されたのだ。
筆者は発売前の「dTVターミナル」を体験できる機会を得られたため、実際に使ってみてわかったのは
「機械に不慣れな人にこそオススメな優しいチャンネル」
だと感じた。
●専用リモコンでテレビのように操作できる
NTTドコモが提供するセット・トップ・ボックスは、実はこれが初めてではない。
2年前の2013年には、スティック型セット・トップ・ボックスとして「dStick」が販売されていた。
しかしながら、当時のモデルは操作にスマホが必要ということもあり、機械に不慣れな人にはやや使いにくい印象があった。
今回発売される「dTVターミナル」は、機械に不慣れな人でも安心して使える設計となっている。
・基本は挿すだけで使えるお手軽設定
dTVターミナルには、無線LANのほかに有線LAN（Wi-Fi）にも対応している。
そのため、本体に対してLANケーブルを差し込むだけで通信できるため、無線LANの設定が不慣れな人はいっそLANケーブルを差し込んでしまおう。
さらに付属のHDMIケーブルでテレビと接続すれば、通信配線はこれで完了なのだ。
MDMI入力もあるため、テレビのHDMI端子を使いきってしまうこともない
また、dTVターミナルはテレビのような専用リモコンが付属し、操作することと言えば、リモコンで「再生・停止」「戻る」「ホームへ」程度なので、テレビのリモコン感覚で問題なく利用できるだろう。
さらに面白いのが、dTVターミナル本体にmicroSDカードスロットが搭載されていること。
スマホで撮影した写真や動画の入ったメモリーカードをdTVターミナルに差し込むことで、手軽に写真や動画再生マシンとなる。
これもスマホに詳しい人であれば、無線経由で写真や動画をテレビに出力することができるだろうが、そうではない場合、物理的にカードを差し込んでしまったほうがわかりやすく、間違いないというメリットがある。
●使い勝手は良いが改善点も見受けられる
セット・トップ・ボックスで大事な点は、使いやすさだ。
いかに簡単に、かつテレビで新しい体験を提供してくれるかにかかっている。
そういう点で、dTVターミナルは及第点と言えよう。
まず、起動すると視聴履歴や世代から判断されたオススメ動画の予告編が流れ始める。
予告編を観て、面白そうであればリモコンの再生ボタンを押すだけで視聴ができるうえ、後で観たいなと思った場合はいっぱつでお気に入り登録できる。
また、リモコンの上下左右キーを使うことで、カテゴリや予告編動画の切り替えが可能となり、動画の新しい発見ができると言えよう。
筆者が感じたのは、映画やドラマのCMが延々と流れている印象だ。文字や写真で判断ではなく、動画で判断できるため非常にわかりやすい。
しかしながら、ホームキーを押したあとの動画一覧では、シリーズもの映画やドラマの並び方がわかりにくいと感じることがままあった。
さすがに12万点以上の動画が集まるdTVで、気になる動画をぼんやり探すのは少々骨が折れる。
見やすさや、探しやすさは改善点があるだろう。
映画だけで約3800コンテンツあるため“なんとなく探す”場合はスクロールが大変だ
さらに気になったのは文字入力だ。
「dTV」や「dアニメストア」を視聴するためにdocomoIDを入力するのだが、そこに出てくるキーボードがAndroidスマホ向けのものとなっており、リモコンで使いやすいとは言えないと感じた。
Nexus Playerのように音声入力を前提にすることは難しいとしても、キーボードはリモコン操作向けに改善したほうがいいと感じる。
現状で対応しているサービスは、
・「dTV」 月額500円（税別）
・「dアニメストア」 月額400円（税別）
・お手軽プレイヤー（For YouTube） 無料
・スマホの映像をテレビに出力できる「Miracast」
・メモリーカードの写真や動画を再生できる「マイメディア」
の5つと、発売時はやや物足りない感じがするため、今後もっと増えて欲しい。
しかしながら、国内最大級の映像配信サービス「dTV」やアニメ専門の「dアニメストア」が簡単な操作のみ、スマホ無しでも手軽に視聴できるのは魅力だろう。
まだまだリニューアルして間もないため、これからのサービス改善に期待したいと思った。
dTVターミナルは7,538円（税込）と、1万円未満で購入できる初心者にオススメのセット・トップ・ボックスだ。
dTVやdアニメストアを契約している人はテレビに新しいチャンネルを追加できるような感覚で導入できる本製品がオススメだ。
・dTVホームページ
布施 繁樹
