神戸港埠頭・犬伏氏:中国との連携・交流が神戸港の発展にも不可欠
【張文芝の国際人探訪】
こんにちは、神戸市上海事務所の張文芝です。今回の国際人探訪は、経営者としての手腕が買われ、2011年4月に発足した神戸港埠頭株式会社の初代社長に就任した犬伏泰夫社長です!
張文芝: 先日は「第4回日本神戸物流美食文化節神戸ルネッサンス2012」にご参加いただきありがとうございます。会場には、700名を越える方々が来場されました!
犬伏さん: 現在、神戸港の外貿コンテナ取扱量の約4割が中国の貨物です。さらなる発展が期待できる中国との連携・交流が、神戸港の発展にも不可欠だと考えています。今回のイベントを通じ、中国における神戸への関心の高まりを感じてとてもうれしく思いました。神戸港は、関西圏はもとより、西日本経済を支える港湾であるとともに、アジア経済にも強い結びつきを持つ国際港湾です。まずは港を利用するお客様が何を求めているのかを考え、数ある港の中から神戸港を選択していただくためにはどうしたら良いか、さまざまな角度から神戸港利用の利点を提案しなければなりません。上海と神戸はこれまでビジネス交流や文化交流を盛んに行なっており、良い関係を築いてきました。今回のイベントのように、食や文化、観光など複合的に神戸をアピールすることで神戸に対する関心を高め、迂遠ですが、港の利用にもつながればと思っています。
――神戸製鋼所相談役、神戸港埠頭株式会社社長と、「神戸」にゆかりある犬伏社長ですが、神戸にはどのような思い入れがありますか?
出身は徳島、大学は大阪だったもので、神戸とのご縁は神戸製鋼所に入社してから。入社して最初の勤務地は神戸でしたが、実は神戸製鋼所の社長になって神戸へ戻るまで、神戸を離れて生活をすることの方が多かったんです。社長として神戸に戻り、地元・神戸とにどれほどお世話になっているのか思い知らされました。神戸港埠頭株式会社社長のお話をいただいた際は、神戸への恩返しになればと思い引き受けました。
――リーダーとしての実力・信頼も厚いと方々からお聞きします。仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
スタッフの仕事をしっかり評価すること。そして、チームとして仕事をする際はみんなが同じベクトルを向いて取り組める環境を作ること。チームで仕事をしていると、さまざまな意見が出ます。自分の考えとは違うことでも、なぜそう考えるのかしっかり議論し、互いが納得することが必要です。意見を交わすことで、私の意見に懸けてくれることもあれば、そんな方法もあるのかと私が彼らに懸けることもある。トップとして最終的な決定権を持っているからこそ、多くの意見に耳を傾けるように心がけています。
――大きな会社の社長さんでありながら、親しみやすさを感じる理由が分かった気がします。ところで…、そんな犬伏社長の弱点とは?
弱点はいっぱいありますよ!一番はエビが食べられないことかな(笑)。
――ますます親しみを感じますね(笑)。カナダ、アメリカなど、神戸製鋼時代に海外赴任も経験されたそうですが、「海外」を身に感じたのはいつ頃でしょうか?
30歳でバンクーバーに駐在した時ですね。当たり前のことですが、周囲はみんな外国人で会話は英語。「あ〜、外国にいるんだなぁ」と思った覚えがあります。当時を振り返ってみると、会社は私に異文化への理解を深め、英語力を磨き、外国人との仕事の仕方を学ばせたかったのだろうと思います。「丁稚奉公」に行かされていたんですね(笑)。その後、ニューヨークに赴任したり、各種プロジェクトに参加したり、欧米諸国の方や東南アジア諸国の方など、本当にたくさんの国々の方とご一緒させていただきました。大変だったこと、楽しかったこと、いろいろありましたね。
――数々の国際経験を積んでこられた犬伏さんが考える、「国際人」として必要なことは何だと思われますか?
自分のアイデンティティを認識することでしょうか。まずは日本人として、日本の歴史や文化を知ること。すると、違う考えを持った外国人に接しても、その国の歴史や文化があり、さまざまな考え方があるということが理解できるようになります。同じ日本人同士でも、同じ物を見てキレイだと感じる人、そう思わない人がいますよね。違いを当たり前と思い、違いを排除しないというだけで、随分世界が広がります。言語ができるから、多くの国を訪れたことがあるからといって「国際人」というわけではないと思っています。
――では最後に、犬伏社長の今後のチャレンジについてお聞かせ下さい。
まずは、神戸港埠頭会社社長として受けた任務を全うすること。これは、私にとってもの凄いチャレンジングだと思っています。実はこの仕事を受ける前は、ゆっくり本でも読んだり、美術館巡りをしたり、ゴルフをしたり、のんびり過ごしたいなぁと思っていたんですが、それはもう少し後になりそうです(笑)。
――ありがとうございました。これからも神戸港をよろしくお願いいたします!((情報提供:ウェネバー/ビズチャイナ/ビズプレッソ 取材担当:岩下祐一 編集担当:水野陽子)
==================================================================プロフィール:犬伏泰夫(いぬぶし・やすお)
1944年徳島県生まれ、大阪大学経済部卒業。1967年神戸製鋼所入社、鉄鋼輸出部、海外事業企画部長、営業総括部長などを経て、取締役、専務執行役員、副社長、社長を歴任。2009年より同社相談役。2011年4月より神戸港埠頭株式会社社長に就任し、神戸港発展のために尽力している。
