中国ではこのほど、教科書の改訂により、高校の国語の教科書から、魯迅の『阿Q正伝』をはじめ、中国を代表する小説や古典の名作が多数削除されたことが話題を呼んでいる。新浪網などが伝えた。  このほど、教科書から削除されたのは、魯迅の小説『阿Q正伝』や『薬』、曹禺の『雷雨』などといった中国の近・現代文学の「名作」をはじめ、中国で有名な詩や古典など約20作品に及んだ。

 中でも、魯迅作品の「大量削除」については、時代が求める新たな要素を取り入れ、多元的な発展を望みたいとする教育側の意識が反映されたのでは、とする専門家の推論をはじめ、魯迅作品を「難解で読みづらい」とする生徒、教師双方の“共通認識”があったともささやかれる。  一方、中国の教科書から魯迅作品の多くが姿を消すことについては、中国のメディアの多くが、「教材が民族の精神の骨子を変えてはいけない」、「教科書から姿を消しても魯迅は消えない」などと賛否を問う専門家らの論評を掲載するなど、大きな反響を呼んでいる。

 また、受験を経験した大学生の多くも、魯迅作品の難解さを「振り返る」一方で、「(魯迅の作品は)反復して読むことで作品の味わいを感じ取ることができる」、「魯迅の作品が嫌いなのではなくて、試験問題として出題される文章が嫌なだけ」などと語り、今回の「大量削除」に違和感を示している。

 しかし、インターネットでは「魯迅作品が教科書から姿を消すことに何の感慨もない」、「魯迅は古い」などと話す声も上がるなど、賛否両論が巻き起こっている。

 中国ではこれまでにも、2004年の教科書改訂で、魯迅作品が香港の武侠小説家、金庸の作品に差し替えられた際、インターネット上では「魯迅VS金庸」といった論争が繰り広げられるなど、教科書における魯迅作品の増減が話題になったという。今回の「大量削除」で人々が見せる反応は、魯迅作品への愛着の表れかもしれない。(編集担当:金田知子)



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