■以前に橋本さんの書かれる歌詞はチャットモンチーの「ぐつぐつした部分」を担っていると話されていました。今作では全員の歌詞に「ぐつぐつした部分」を感じ、その反対に明るい世界観の楽曲も増えたと感じていますが、歌詞を書く面でも変化を感じる部分はありますか?

高橋:変わったと思います。みんな上京してきたことによって、のほほん感が抜けた気がしていて。今まで見えていなかったものに気付いて、書くようになったから。えっちゃんも「アレンジが明確になった」と言っていたけど、歌詞も一緒で、一つ一つの個性みたいな色がすごくハッキリし始めたと思うんですよ。13曲あるけど似たような歌詞というのが無くて、どれもすごく個性が際立っていて。「これは、このことが言いたい曲」と、ちゃんと言いたいことがハッキリした。今までそういう風にハッキリ言って出すのって、何かカッコいい言葉を並べて曖昧にしたいみたいな所があったけど、そうじゃなくてハッキリと出せるカッコ良さ、潔さ…そういうものを恥ずかしがらずに出せるようになったというか。

■3人それぞれに自信が付いてきた部分でもあるんでしょうね。

高橋:そうですね。でも、歌詞に関してはまだまだ(笑)、みんな成長中だと思います。

■今回は、福岡さんが一番多く歌詞を書かれていますね。

福岡:今回のアルバムは曲優先で決めて、出来ている状態で選んでいきました。後から歌詞をつけたわけではなかったので、私がたまたま多かっただけなんですけど。今までは恋愛の歌詞がすごく多かったんですけど、上京して環境が変わって、自分と向き合った歌詞も書こうと思えるようになりました。

■今年の夏は20本近く全国のフェスに出演されましたが、特に印象に残っているものはありますか?

橋本:Base Ball Bearとシュノーケルと「若若男女サマーツアー」というツアーを回ったんですけど、去年は3公演だったのが今回は5公演に増えて規模もちょっと大きくなって。それがすごく想い出に残っています。最後にセッションで「Choo Choo TRAIN」をやったんですけど(笑)、前回よりも格段に良くなっているんですよ!

■えっと、「Choo Choo TRAIN」がですか?

橋本:いやいや、「Choo Choo TRAIN」は今年だけなんですけど(笑)。「これがオレのやることです!」と、みんな自分のやることをしっかりやっている感じで、セッションがすごく力強くなっていて。3バンドがすごく仲良くなったし、夏のいい想い出になりましたね。

高橋:その土地土地によって色が違っていたり、見える景色も全然違うし、ケータリングが全然違って(笑)。それが最高に良かったですね!広島だったら「やったぁー、お好み焼きぃ!」とか、絶対にその土地の名物が出てくるから、それを食べるのが幸せでした。

■ライブというより、ケータリングが?(笑)。

高橋:もちろんライブがメインですよ(笑)。この暑さの中でよくこれだけやったな、というのがこれからの自信にすごく繋がると思っていて。フェスは今まで春とかにも出ていましたけど、これだけの数の夏フェスに出たということは絶対来年にも繋がると思います。来年はもっと成長して、いいフェスをしたいですね。

福岡:印象に残ったのは「MONSTER baSH」という香川のイベントですね。銀杏BOYZが出ていて、途中で峯田さんが客席に行って帰ってこなくなったんですよ。ちょうどお客さんの上にダイブした形になって、お客さんも神輿状態で峯田さんをバァーッと流していって。徳島にいた時は私も「MONSTER baSH」を観に行っていて、その後全国の色々なフェスに行ったけど、四国のイベントってなんか印象が違っていて。「MONSTER baSH」の歴史はまだ浅いんですけど、ロックフェスティバルとして本当に根付いたなというか、嬉しかったです。四国にフェスが当たり前のようにあって、こんなに盛り上がっているんだなと思って。流される峯田さんを観ながら、いいなと思いました(笑)。