「灯台のような存在」 横浜で最首悟さんしのぶセミナー 親交あった3人登壇 人間の関係性重んじた生き方に思い

知的障害のある娘との日々を語り継ぎ、2月に89歳で死去した社会学者、最首悟さんをしのぶセミナーが7日、横浜市青葉区のアートフォーラムあざみ野で開かれた。高齢者介護や障害福祉の関係者ら約90人が詰めかけ、頼り、頼られる人間の関係性を重んじた最首さんの生き方に思いをはせた。
最首さんは福島県出身。東京大に入学し、1960年代の全共闘運動に助手の立場で加わった。水俣病の調査に従事したほか、76年生まれで重度障害のある三女、星子さんと暮らす中で障害者の支援活動にも携わった。県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で2016年に起きた殺傷事件を巡っては、植松聖死刑囚と面会や手紙のやりとりを重ねた。
セミナーは「生活とリハビリ研究所」(湯河原町)の呼びかけで開催。「介護と支援を続ける根拠」をテーマに、最首さんと関わりのある3人がマイクを握った。
同研究所代表で理学療法士の三好春樹さん(76)は介護業界に身を置き50年余り。「困った時はいつも『最首さんなら何て言うだろう』と考えた。いわば灯台のような存在だった」と振り返り、最首さんが発していた「二者性」という言葉が印象に残っていると明かした。
「皆が相互依存の関係にあり、人間というのは無数の二者性の束であると語っていた。星子さんとの関係もまさにそれだった」。断定的には語らない最首さんの姿を思い起こし、「『分からない』ことにこそ光があって希望がある。『分からないということが救い』だというその考えも介護の世界に当てはまる」と話した。
